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SpaceX「Falcon 9」ロケットがついにドローン船への垂直帰還に成功、その様子を収めたムービーなどまとめ

By SpaceX Photos

2016年4月8日(金)の東部標準時16時43分、民間で宇宙開発を進める企業「SpaceX」は、打ち上げロケット「Falcon 9」を洋上に浮かぶドローン船に着陸させる実験に初めて成功しました。この成功は、従来は基本的に使い捨てだった打ち上げロケットの回収・再利用を可能にするという意味で、今後のロケット技術を大きく進化させる出来事となっています。

SpaceX Falcon 9 - Successful Drone Ship Landing - 8th April 2016 - YouTube


ムービーは、Falcon9が「Of Course I Still Love You」と命名された洋上のドローン船に着陸する寸前からスタート。このムービーは打ち上げの様子を生中継した映像の一部となっており、打ち上げ管制センターのスタッフなどが歓声を上げて大盛り上がりな様子も収められています。


徐々に高度を下げてきたFalcon 9の第1段ロケット。画面右上には時速や高度を示すテレメトリ情報が表示されていますが、これは切り離し後の第2段ロケットの情報なので、画面に映っている第1段ロケットのものではありません。


甲板まであとわずかの高さにまで到達。2015年4月のチャレンジ時には、ここで姿勢を乱して横転・爆発となっていましたが、今回はまったく問題はなさげ。


そして4本の脚が接地した模様。しかし、2016年1月の着艦着陸実験の際にはここで脚の1本が折れて転倒・爆発しているので、少し心配も残りましたが……


無事にロケットエンジンが停止され、ついに着艦に成功。ムービーでは割れんばかりの歓声。


これまでもSpaceXでは、陸上への第1弾ロケット帰還実験には成功していましたが、幾度の失敗を経てついに当初の目標であった洋上の「はしけ」への着艦に成功しました。これは、打ち上げロケットの回収・再利用を行って低コストでの宇宙開発を実現するという、新しいロケットの時代が始まったと言える瞬間です。


この着艦成功を受けて、オバマ大統領が成功を祝福するツイートを行っています。「ロケットを洋上に着陸させたSpaceXおめでとう。アメリカが宇宙開発をリードできるのは、あなた方やNASAのようなイノベーターのおかげです」とするオバマ大統領のツイートに対し、SpaceXのイーロン・マスク氏は「SpaceXの素晴らしいチームを代表して、ありがとう!」と返信ツイートを行っていました。

SpaceXのTwitterでは、着艦する様子をロケット上部から見下ろしたアングルで収めたムービーを公開中。四角い網状の「グリッドフィン」が小刻みに動いてロケットの姿勢を制御しつつ、寸前に4本の脚を展開して着艦するという、興味深い動きを見ることができます。

また、SpaceXのFlickrでは、打ち上げミッション「CRS-8」の様子を収めた複数の写真が公開されています。

SpaceX Photos | Flickr - Photo Sharing!


発射台にセットされ、打ち上げの瞬間を待つFalcon 9ロケット。中央の白い機体がロケット本体ですが、その周囲にある4本の塔は、ロケット本体に落雷しないように防御するためのもの。4本のタワーでファラデーケージを形成し、雷の侵入を防ぐために建てられているとのこと。

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ロケットの先端には、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資が積まれています。Falcon 9は全長70メートルという巨大なロケットですが、実際の物資はこの先端部分に積まれているだけで、あとは打ち上げに要する燃料で占められています。

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打ち上げの瞬間

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避雷針のカメラから捉えた打ち上げの瞬間も

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なだらかな曲線を描いて上昇するFalcon 9

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第2段ロケット切り離し後、洋上に降下してきた第1段ロケット。

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最後の逆噴射を行って落下速度を下げて……

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ドローン船「Of Cource We Still Love You」に着艦。よく見ると、真っ白だったはずの機体は特に下部が真っ黒にすすけており、「SPACE X」の文字がほとんど読み取れない状態になっています。

By SpaceX Photos

CRS-8の打ち上げをライブ中継したムービーをYouTubeで見ることも可能です。

CRS-8 Dragon Hosted Webcast - YouTube


打ち上げの瞬間。


カウント0から時速100kmに達するまでの時間はおよそ11秒ということで、自動車などと比べると初期の加速力はそれほど強くない模様。とはいえ、ロケットは垂直に加速しているので自動車とは少しわけが違うのと、なんと言ってもこの後の加速力にロケットの本領が発揮されています。


まばゆい光を放ちながら上昇するFalcon 9


ロケットは軽々とマッハ1(音速)を超え、機体にかかる圧力が最大に達する速度「Max Q」に到達。


打ち上げから2分37秒でメインエンジン停止(Main Engine Cut Off:MECO・ミーコゥ)


MECOの数秒後に、第2段エンジンが点火されて、ISSへの補給物資がさらに宇宙に向けて飛んでいきます。一方の第1段ロケットは、ここから帰還に向けた制御が行われます。


燃焼ガスの温度で赤く光るロケットエンジンのスカート


そうこうしていると、第1弾ロケットがドローン船に降りてきて……


無事に着艦に成功。機体が黒くすすけている状態がよくわかるアングル。


SpaceXの公式YouTubeチャンネルでも、着艦の瞬間を収めたムービーが公開中。こちらは4K画質での映像を見ることができました。

CRS-8 | First Stage Landing on Droneship - YouTube


4K画質と言うことで、着艦直前に展開される4本の脚の様子を詳細に見ることができるので、こちらも好きな人にはたまらないはずです。


◆2016/04/13 11:35追記
SpaceXのFlickrアカウントに、ドローン船に着艦するFalcon 9の様子を近距離から撮影した画像が追加されています。

SpaceX Photos | Flickr - Photo Sharing!


ロケットガスを噴射しながら着艦に向けて降下してくるFalcon 9ロケット。まるでヒトデのようにも見える4本の脚が拡張している様子がわかります。

By SpaceX Photos

さらに接近。甲板に噴射ガスがたたきつけられている様子がわかります。Falcon 9ロケットは、合計9つのロケットエンジンを外周に8基と中央に1基配置する「オクタウェブ」というエンジンレイアウトになっていますが、着艦時には中央の1機のみが噴射を行っている模様。

By SpaceX Photos

ちなみにアップで見るとこんな感じ。今回の打ち上げに使われた「ファルコン9 フルスラスト」と呼ばれる機体には、9基のマーリン1Dエンジンが搭載されています。

By SpaceX Photos

着艦寸前。吹き付けるガスも激しさを増し……

By SpaceX Photos

ついに接地。エンジンがシャットダウンされ……

By SpaceX Photos

無事にランディング成功。今後のロケット技術を大きく変えるであろう画期的な瞬間です。

By SpaceX Photos

逆アングルから見ると、すすけたように真っ黒になったロケットの下半分に、着陸用の脚の形が真っ白く残っている様子や、姿勢制御に用いられる「グリッドフィン」が機体上部についている様子など、細かい様子がよくわかります。

By SpaceX Photos

◆2016/05/02 09:30追記
Falcon 9ロケットの帰還シーンは、通常のカメラに加えて360度カメラでも撮影されていた模様。アングルを上にあげると、火の玉のようなFalcon 9ロケットがものすごい勢いで降りてきたと思ったら、こともなげに着艦してエンジン停止している様子が伝わってきます。この数秒の間に、いったいどのようなセンシングと制御が行われていたのかと想像すると、ただただ驚くばかりの映像です。

360 View | First Stage Landing on Droneship - YouTube

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