大気圏に突入して燃え尽きた宇宙ステーションが撮影した最後の映像が公開
「天宮2号」は2016年9月15日に打ち上げられた中国の宇宙ステーションで、2019年7月19日に宇宙での全ミッションを終了し制御下で大気圏に再突入しました。そんな天宮2号から送信された最後の映像が公開されています。
Watch a Chinese Space Station Burn up in Earth’s Atmosphere
https://futurism.com/the-byte/watch-chinese-space-station-burn-atmosphere
Another Chinese Space Station Just Fell to Earth - Watch It Hit Our Atmosphere
https://www.sciencealert.com/watch-a-chinese-space-station-burn-up-in-earth-s-atmosphere
以下のムービーが、天宮2号から送られてきた最後の数十秒間の映像です。
China's space lab Tiangong 2 reenters atmosphere under control - YouTube
映像が始まると、真っ暗な背景に宇宙ステーションの機体に設置されたアンテナのような機器のシルエットが浮かびます。
映像の中心部の白い光が増してきて……
突然機体が炎のようにも見える黄色い光に包まれます。
その後、何回か黄色い光と青い光が交互に視界を包み……
やがて映像が乱れて停止しました。これが天宮2号に設置されたカメラが最後に見た光景となります。
天宮2号の前任者である天宮1号は、2011年9月に打ち上げられた後、2016年3月に制御不能状態に陥り、2018年4月に南太平洋上空で大気圏に再突入するという最後を迎えました。人が住む地域に落下して被害を出す確率は極めて低いと見積もられていたものの、質量8.5トンの機体が一体どこに落下するか不明だったため、その最後は大きな注目を集めていました。
制御不能の宇宙ステーション「天宮1号」が間もなく地球に落下 - GIGAZINE
今回天宮2号が制御下で墜落したのは、ポイント・ネモと呼ばれる南太平洋の到達不能極です。この海域は居住区域から遠く離れており、目立った生物多様性もないことから、人工衛星の落下地点としてよく選ばれる場所で、通称「スペースクラフト・セメタリー(宇宙機の墓場)」とも呼ばれています。
制御不能状態のまま大気圏に再突入した天宮1号も偶然このスペースクラフト・セメタリーに落下しており、天宮2号も前任者と同じ場所で眠りに就くことになります。
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