中国のHuaweiがAMDのZen 3世代CPUに匹敵する性能のCPUを開発していることが判明

Huaweiの開発中と思われるCPUのベンチマーク結果がGeekbenchのスコア集積サイトに登録されました。登録されたCPUはサーバー向けCPUと推測され、IntelやAMDのサーバー向けCPUと遜色ない性能を示しています。
Huawei Cloud OpenStack Nova - Geekbench
https://browser.geekbench.com/v6/cpu/4989783
Huawei's new CPU matches Zen 3 in single-core performance - HiSilicon Taishan V120 server CPU benchmark | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/huaweis-new-cpu-matches-zen-3-in-single-core-performance-hisilicon-taishan-v120-server-cpu-benchmark
[GB6] HiSilicon Kunpeng 930(?) with Taishan TSV120 coreshttps://t.co/n7EWMeq0Fmhttps://t.co/RJWgib4w7O
— Everest (@Olrak29_) February 25, 2024
2024年2月20日にGeekbenchのサイトに登録されたHuawei製と思われるCPUのベンチマーク結果が以下。デバイス名は「Huawei Cloud OpenStack Nova」でシングルコアスコアは1529点、マルチコアスコアは2806点です。

CPUアーキテクチャはArmの「Armv8」を採用しており、ベンチマークに使われたモデルは1コア・2スレッド。また、GeekbenchがHuaweiのクラウド向けOS「Huawei Cloud EulerOS 2.0」上で実行されていることから、Huawei Cloud OpenStack Novaはサーバー向けのCPUと推測されます。また、海外メディアのTom's Hardwareはベンチマークスコアや「サーバー向けCPUと推測されること」をもとにHuawei Cloud OpenStack Novaの正体を「Taishan V120」コアを搭載した「Kunpeng 930」であると推測しています。

GeekbenchのCPUシングルコアスコアランキングを確認すると、シングルコアスコア1529点のHuawei Cloud OpenStack Novaは1518点の「Intel Xeon E3-1275 v6」や1538点の「AMD EPYC 7413」、1539点の「Intel Xeon E-2286M」と同等のシングルコア性能を備えていることが分かります。

AMD EPYC 7413は2021年に発売したZen 3世代のCPUです。つまり、Huawei Cloud OpenStack NovaはZen 3世代のサーバー向けCPUと同等の性能を備えていることになります。AMDはすでにZen 3世代よりも高性能なZen 4世代のサーバー向けCPUを出荷していますが、アメリカから制裁を科されて高性能チップの輸入が困難になっている中国でZen 3相当のCPUを製造できるならば大きな進歩と言えます。
なお、Huaweiは「独自カーネルを搭載したHarmonyOS NEXT」や「5nmプロセスで製造したQingyun L540搭載ノートPC」など、アメリカからの制裁を回避する高性能ソフトウェアやハードウェアを次々に発表しています。さらに、2023年2月にはHuaweiの子会社であるHiSiliconが設計した5nmのチップをSMICが生産する計画の存在が報道されています。
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ただし、Huaweiが独自開発した5Gチップについては、「Huaweiが5Gチップを大量生産できる証拠はない」という指摘も存在しています。
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in ハードウェア, Posted by log1o_hf
You can read the machine translated English article It turns out that China's Huawei is ….