執筆が行き詰まった時や物語に色を加えたい時に役立つ「34のプロンプト」とは?
著作がピューリッツァー賞フィクション部門の最終候補に入ったこともある作家のケリー・リンク氏が、執筆に行き詰まった際に役立つ34のアドバイスを語っています。リンク氏はこれらのアドバイスを「変革的なプロンプト」と呼称しており、執筆中の物語に合うアイデアを抜粋して適用したり、固まった視野を広げたりすることができます。
34 Transformative Prompts to Unlock Your Writing, Courtesy Kelly Link ‹ Literary Hub
https://lithub.com/34-transformative-prompts-to-unlock-your-writing-courtesy-kelly-link/
リンク氏は「本を書く仕事を始めるまでは、本に関するあらゆることが大好きでした。しかし、書くことを仕事にするのは大変で、しばしば実りがなくてイライラしたり、仕事を続けるのが耐えがたくなって他のことに没頭したくなったりします」と語っています。そのような状況でも、執筆に幸せを感じるのは「解決しなければいけない問題や、複雑な状況を作り出したとき」などで、そのような興味やアイデアを自分の中にかき立てる作業が大事であるとのこと。
リンク氏は執筆に関するワークショップをしばしば開催しており、そこで新人作家に伝えるアドバイスとして「物語を書く上で最も喜びを感じることはどこか」と列挙してもらうことから始めるそうです。作家は自分が書いた本の最初の読者になるため、喜びや楽しみ、驚きや発見を抱いていないと、執筆に向き合うことは難しくなります。
「執筆を助ける34の変革的なプロンプト」とは、リンク氏が執筆中に楽しさを感じることや、過去に驚きを感じたこと、面白いと発見したこと、その他過去に読んだ本から引用したものなど、執筆における驚きや発見のチャンスを与えてくれるものとなっています。すべての作家、すべての物語に適用できるプロンプトではありませんが、自分の作品が陳腐でありふれたものに感じた時、ストーリーが予定調和で驚きがないように感じられた時など、リンク氏がまとめたプロンプトのうち1つもしくは複数組み合わせて適用してみることができます。また、執筆を続けていて自分で新しい発見した場合には、独自のリストを追加してみるのも重要です。
リンク氏による「34の変革的なプロンプト」は以下。プロンプトには、執筆中の作品にエッセンスとして追加できる細かいアイデアも、物語を1から作る場合の大きなアイデアもあります。
・01:最後の文は、最初の文の意味を逆転させるか、覆すもの
・02:1時間以内に書き上げてみる
・03:動物が言葉を話す
・04:すべてのキャラクターは言葉を話す動物
・05:すべてのキャラクターは言葉を話す動物だが、物語中ではキャラクターや世界観について言及しない
・06:素早く書き上げた手紙形式の物語
・07:おとぎ話ではない物語に、おとぎ話の言葉やイメージを使う
・08:作品の脚注について、物語の脇役が語るような形式
・09:バラのイバラ、雑木林、もつれ、魔法の呪文など、それ自体に注意を喚起するような言葉を探す
・10:時間軸をあえて乱れて描写
・11:できるだけわかりやすく語る
・12:もともと物語中で想定していなかった死
・13:回文を使う
・14:病院を舞台や重要なポイントにしていない作品で、病院を使ったアクションを行う
・15:物語は生きるための教訓やルールを提示するが、矛盾するルールも含まれている
・16:読者を憎み、悪意をもって読者に語りかける語り手
・17:物語を理解するのに重要ないくつかの言葉を、あえて使わず禁句とする
・18:非合理的かつ直接的な「聖なるもの」を合理的に理解したヌミノーゼ概念を用いる
・19:視点の移動を連続させる
・20:ストーリーに直接関係しないセックス描写や、パーティ、快楽主義、官能表現などで、耽美(たんび)的な雰囲気を作る
・21:物語のスタイルを物語のジャンルや本質と対立させる
・22:2つの物語を並行して交互に書く
・23:どの場面にも赤ん坊が登場する。この赤ん坊は超現実的な効果にも現実的な効果にも使うことができる
・24:完全な造語を、注釈や説明なしに使う
・25:脇役または物語に直接登場しない人物が、超自然的な脅威として扱われるが、どのような脅威なのかは説明されない
・26:キャラクターが、物語のジャンルでよくあるルールではなく、他のジャンルのルールに従って動いているように見える
・27:恥ずかしくなるほど比喩的な表現を多用する
・28:比喩的な意味をできる限り阻害するような方法で、ファンタジーの概念を導入する
・29:他の作家の物語に直接言及する
・30:同じ話を作中で少なくとも3回語り、語られる度に話は凝縮され、最後には1文にまで変更される「マトリョーシカ構造」を作中で用いる
・31:自然界が物語を中断させ、成長させる
・32:物語に絵を入れる。この絵は優れたイラストである必要はない
・33:物語全体を通して同じ文章を繰り返す
・34:理解されることを拒む物語。読者に理解以外のものを求める
・関連記事
物語を複数の登場人物の視点で描く難しさを克服する方法とは? - GIGAZINE
物語の良さを高めるための「強力なストーリー構造」とは? - GIGAZINE
創作には「設定や展開を積み上げる」のではなく「否定と破壊のプロセス」が重要だというアドバイス - GIGAZINE
キャラクターの特徴付けにPTSDやうつ病などの心理的問題を使うときに注意すべき点とは? - GIGAZINE
実際の犯罪を参考にした物語を作る際のポイントや倫理的な問題とは? - GIGAZINE
フィクション作家ほどノンフィクションを、ノンフィクション作家ほどフィクションを書いてみるべきというアドバイス - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in メモ, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article What are the ``34 prompts'' that….