実際の犯罪を参考にした物語を作る際のポイントや倫理的な問題とは?
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ミステリーやホラー、その他のジャンルで物語を執筆する際にも、「実際に起きた事件や犯罪」をインスピレーションとして参考にすることがあります。その際に必要な、「事件の影響を受けた人たちに配慮する」「犯罪者を美化せずに描く」といった倫理的な問題や技法としてのポイントを、犯罪心理学に精通した作家のヴィクトリア・セルマン氏が解説しています。
On The Ethics of Taking Writing Inspiration from True Crime ‹ CrimeReads
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セルマン氏は2022年7月に出版した小説「Truly, Darkly, Deeply」について、実際の犯罪に強いインスピレーションを受けて書かれたものであると話しています。「Truly, Darkly, Deeply」はカリスマ的連続殺人犯と少女の関係を描いたもので、殺人者が投獄されてしばらくしても少女は彼が有罪かどうか確信していない、というようなストーリーラインのため、殺人者を称賛することなく、二面性のある殺人者と彼を慕う少女を描くことに注意したとセルマン氏は語っています。
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セルマン氏は、「連続殺人犯の人間的な側面を描くことは、当然に倫理的なジレンマが生じます」と指摘しています。仮に凶悪な殺人者であっても、別の側面では子どもに優しくしていることもあり、殺人者を「全てが悪いわけではない」と示すことは、彼に共感を与えて許してしまうような印象も生まれます。
しかしセルマン氏は、「私は、殺人者を多面的に描くことが、許しや共感を強要するものにはならないと思います」と述べています。人物を多面的に描くということは純粋な善人も悪人もいない現実的な描写をするということであり、犯罪それ自体を肯定する側面は持ちません。むしろ、「殺人者には思えなかった」という証言が多く出るほど、多面的な顔を持っていることこそ、殺人者がより恐ろしい点だとセルマン氏は話しています。
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また、犯罪をテーマにした物語が単に面白いだけでなく、社会に問題を提起することもあります。このような場合は、「犯罪と殺人者を可能な限りリアルに描写することが重要ではないでしょうか?」とセルマン氏は提起しています。殺人者を描写する映画やドキュメンタリーなどで、殺人者の役をハンサムにしたり筋肉質で魅力的な見た目にしたりといった演出に「犯罪者を美化している」と批判が集まることがありますが、実際に殺人者が自身の外見を利用して被害者をおびき寄せるケースもあるため、「過度に敏感になることで、現実をゆがめてしまい、かえって真実を損なう結果になってしまうと確信しています」とセルマン氏は指摘しています。
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セルマン氏も、自身の作品の中でハンサムで魅力的な殺人者を描いています。これは、犯罪および犯罪者を美化しているのではなく、むしろ犯罪者のあくどさを際立たせ、どのように周りの人をだまして犯罪を続けていったのかを明らかにするために用いられています。セルマン氏は「こうすることで、決してこの怪物を称賛することなく、現実を探求する物語を作成できればと願っています」と語っています。
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