画像生成AIをノートPCでどれくらいの速度で動かせるのか、「Razer Blade 16」のVRAM容量16GB「GeForce RTX 4090 Laptop」で実際に試してみたよレビュー
RazerのゲーミングノートPC「Razer Blade 16」の2024年モデルはカスタム次第でVRAM容量16GBのGPU「GeForce RTX 4090 Laptop」を搭載可能です。Razer Blade 16のGeForce RTX 4090 Laptop搭載モデルをRazerから借りてきたので、画像生成AIをどれだけの速度で実行できるのか確かめてみました。
最高速 OLED ディスプレイ搭載の 16 インチゲーミングノート PC | Razer 日本
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Razer Blade 16のGeForce RTX 4090 Laptop搭載モデルのゲーミング性能やバッテリー持続時間などを検証した以下のレビューでは、「AMD Ryzen 5 7600X」と「GeForce RTX 4070 SUPER」を搭載したデスクトップPCと同等以上のゲーミング性能を備えていることが確認できました。今回はRazer Blade 16で画像生成AIを実行して、過去に他のマシンで測定した結果と比べてみます。
GeForce RTX 4090 Laptop搭載ゲーミングノートPC「Razer Blade 16」のゲーミング性能&高負荷時の騒音や温度などいろんな性能を検証してみたよレビュー、性能を底上げする方法もあり - GIGAZINE
◆Razer Blade 16の設定
Razer Blade 16はGeForce RTX 4090 Laptopだけでなく、CPU内蔵GPUも搭載しています。今回はBIOSでGPUモードを「Discrete GPU only」に設定することでCPU内蔵GPUを使わずにGeForce RTX 4090 Laptopだけを使えるようにしています。
また、Razer Blade 16は電源に接続した状態で使い、管理アプリの「Synapse」でパフォーマンスモードを「ターボ」に設定。さらに、Windowsの電源モードは「最適なパフォーマンス」に設定しています。
◆Stable Diffusionでの画像生成速度をチェック
Stable Diffusion web UI(AUTOMATIC1111版)にNVIDIA公式の高速化拡張機能「TensorRT Extension for Stable Diffusion」を導入し、画像を100枚生成した際の生成速度を測定してみました。
まず、モデルは「Stable Diffusion 1.5」、サンプラーは「Euler a」、ステップ数は20、解像度は512×512ピクセルに設定し、画像を100枚生成してみました。なお、プロンプトは「girl using laptop, cyberpunk, high quality, anime style」で、ネガティブプロンプトは「wrong, low quality」です。
Stable Diffusionでの画像生成にかかった時間は生成完了後にコンソールで確認できます。Razer Blade 16で画像を100枚生成するのにかかった時間は2分47秒でした。
Razer Blade 16での画像生成時間と、過去に同一条件で測定していた「CPU:AMD Ryzen 5 7600X、GPU:GeForce RTX 3060 12GB」「CPU:AMD Ryzen 5 7600X、GPU:GeForce RTX 3090」「CPU:AMD Ryzen 5 7600X、GPU:GeForce RTX 4070 SUPER」という構成のマシンでの生成時間を比較したグラフが以下。Razer Blade 16の画像生成性能は同世代デスクトップGPUのGeForce RTX 4070 SUPERと比べてかなり低めなことが分かります。
続いて、モデルを「Stable Diffusion 2.1」に変更し、サンプラーは「Euler a」、ステップ数は20、解像度は512×512ピクセルのままで画像を100枚生成してみました。
画像を100枚生成するのにかかった時間は2分54秒でした。
過去の測定結果との比較はこんな感じ。
◆StreamDiffusionでの秒間生成速度を測定
超高速な画像生成が可能な「StreamDiffusion」を使って、秒間何枚の画像を生成できるのか確かめてみました。Razer Blade 16「optimal-performance/single.py」を実行して画像を生成する様子が以下。
Razer Blade 16のGeForce RTX 4090 Laptop搭載モデルでSteamDiffusionの高速画像生成を実行する様子その1 - YouTube
画像生成終了後にコンソールに表示される平均秒間生成フレーム数を確認すると、Razer Blade 16では秒間33.62410113755702フレームの画像を生成出来ていました。
過去の測定結果との比較が以下。
続いて、バッチ処理を行う「optimal-performance/multi.py」を実行してみました。
Razer Blade 16のGeForce RTX 4090 Laptop搭載モデルでSteamDiffusionの高速画像生成を実行する様子その2 - YouTube
平均秒間生成フレーム数は39.77270952885936でした。
過去の測定結果との比較はこんな感じ。Razer Blade 16はGeForce RTX 3060 12GBを搭載したマシンよりは高速な画像生成が可能ですが、GeForce RTX 3090やGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したマシンよりは遅いことが分かります。
◆まとめ
Razer Blade 16のGeForce RTX 4090 Laptop搭載モデルはゲーミング分野ではGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したデスクトップPCと同等以上の性能を発揮しますが、AI処理性能ではGeForce RTX 4070 SUPERやGeForce RTX 3090を搭載したデスクトップPCに大きく劣ります。また、バッテリー駆動時にはゲーミング性能もかなり低くなってしまいます。このため、Razer Blade 16は「電源を確保可能な場所へ持ち運びながらゲームなどのGPU性能を要求するタスクを実行したい」という場合にはオススメできますが、「充電できる場所を確保するのが難しい」「PCは決まった場所でしか使わない」という場合はデスクトップ向けGPUを搭載したPCを用意した方がいいです。
なお、Razer Blade 16は以下の公式オンラインストアから注文可能。ベースモデルの価格は税込55万9800円で、今回の構成の場合は税込79万6800円となります。
Razer Blade 16 | PC
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