AppleはSpotifyとのApp Storeを巡る争いでEUから独占禁止法違反で年間売上の10%に相当する罰金を科される可能性
AppleはアプリストアのApp Storeで配信されているアプリから、売上の30%を手数料として徴収しています。この手数料が高額過ぎるとして長らくアプリ開発者から非難の声が上がっており、その急先鋒として長らくAppleと対立してきたのが音楽ストリーミングサービスのSpotifyです。Spotifyの訴えに対して、欧州連合(EU)の規制当局がAppleに独占禁止法違反による高額な罰金を科そうとしていることが明らかになりました。
Apple Set to Be Hit by EU Antitrust Order in App Store Fight With Spotify - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-13/apple-set-to-be-hit-by-eu-antitrust-order-in-app-store-fight-with-spotify
Report: EU to Rule on Apple Case in Early 2024
https://www.pymnts.com/antitrust/2023/report-eu-to-rule-on-apple-music-streaming-case-in-early-2024/
EU Plans to Let Spotify Direct Users to Other Payment Options on iPhone - MacRumors
https://www.macrumors.com/2023/12/13/eu-plans-to-end-apple-anti-steering-rule/
The EU will reportedly rule against Apple in Spotify's complaint over App Store policies
https://www.engadget.com/the-eu-will-reportedly-rule-against-apple-in-spotifys-complaint-over-app-store-policies-195704039.html
Spotifyは2019年3月にEUの独占禁止法規制当局に「AppleはApp Store上で、自社のApple Musicと競合する他社を不当に制限している」と訴えを起こしました。Spotifyは訴えの中で、「App Storeの手数料徴収は公正な競争を妨げている」と主張しています。これに対して、AppleはApp Storeやアーティストへの支払いを渋るSpotifyの態度は音楽業界を破壊するものだと反論しています。
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上記の訴訟を発端とした調査に詳しい関係者によると、EUの規制当局はAppleが音楽配信サービスユーザーをApp Storeから別の安価な定額制音楽配信サービスへと誘導することを妨害しようとしているとみており、この行為に対する最終的な決断を2024年早々に下す可能性があるそうです。EUの規制当局は2023年2月に発表された告発状の中でも、Appleについて「App Storeの手数料は不当なものであり、ユーザーが高額なサービス料の支払いに直面する原因になっている」と批判していました。
Bloombergによると、EUはAppleに対して年間売上の10%に相当する罰金を科す可能性があります。EUの罰則がこの水準に達することはめったにないそうで、Appleに対してビジネスモデルの変更命令を下す可能性もあるそうです。
Appleに近しい情報筋によると、2023年6月にEU規制当局との間で行われた非公開の公聴会の中で、Appleは「起こり得る競争上の懸念にはすでに対処している」というスタンスを取りました。実際、AppleはAppleは2021年9月にアプリ内から外部ウェブサイトへのリンクも許可しており、2022年初頭からはアプリがApp Store以外のサードパーティーの決済手段を利用できるようにしています。これにより、サードパーティーアプリはAppleによる「売上の30%」という手数料を回避することが可能となりました。
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しかし、SpotifyはAppleの対応を「単なる見せかけ」と批判しており、まだ制限が存在すると指摘しています。調査の関係者によると、Appleはこの件について和解する方向で交渉を進めているそうです。
AppleはEUだけでなくアメリカでもApp Storeの慣行が独占禁止法に違反しているのではないかという疑いで、規制当局から調査を受けています。なお、Appleと同じくモバイルアプリストアを運営するGoogleはEpic Gamesから訴訟を提起されており、2023年12月にEpic Games有利の判決が下されたばかりです。
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