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マンガ海賊版サイトの最大手「13DL」がCloudflareによる運営者の開示請求を受けて閉鎖される


日本のコンテンツの海外展開促進を目的に、コンテンツの権利者が海賊版対策などを講じるための組織として設立された一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が、日本人向け出版物のリーチサイトの中で最大手の海賊版サイト「13DL」が2023年5月22日に閉鎖されたことを確認したと発表しました。

日本人向けダウンロード型の漫画リーチサイトが閉鎖 | 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
https://coda-cj.jp/news/1551/


Japan's Largest Manga Piracy Site Shuts Down Following Cloudflare Probe * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/japans-largest-manga-piracy-site-shuts-down-following-cloudflare-probe-230605/


Manga Publisher Wants Cloudflare to Expose Operators of Popular 'Piracy' Sites * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/manga-publisher-wants-cloudflare-to-expose-operators-of-popular-piracy-sites-230516/

CODAによると、13DLは違法にアップロードされた海賊版コンテンツをダウンロードできるオンラインストレージのURLへのリンクを大量に掲載していたリーチサイトで、海賊版コンテンツのファイルをダウンロードするには、有料サービスへの契約が必要でした。また、13DLの運営者はこの有料サービスにより違法収入を得ていたとされています。


13DLは、かつて日本最大級の海賊版サイトだった「はるか夢の址」が2017年に摘発されて以降、アクセス数を拡大し、2023年時点で日本最大級の出版物の海賊版サイトにまで成長しました。

このような著作権侵害の状況を受けて、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、スクウェア・エニックスの5社による出版5社海賊版対策会議などからの要請に基づき、CODAはセキュリティ専門家らと協力して違法アップロードの証拠を保全しつつ、13DLの調査を行っていました。国際執行プロジェクトと名付けられたCODAによる独自の調査の結果、13DLの運営者は北欧を拠点として活動している可能性があることを突き止めました。13DLでは、海賊版ファイルのアップロードは運営者自身が行っていたとみられるとのこと。


その後、2023年5月3日にCODAは、13DLとそのオンラインストレージサービスが利用していたCloudflareに対して「グランドジャンプ」を掲載したことで集英社の著作権を侵害したとしてデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく13DLからの削除要請を行いました。

その際CODAは「私たちは、侵害作品へのアクセスをただちに無効にし、オリジナル作品の使用や複製、および配布を停止することを要求します。具体的には、該当のサイトまたはシステム、サービスから侵害作品を削除または無効にすることを要求します」と述べています。


CODAによる「グランドジャンプ」の削除要請を受けて、その他の海賊版サイトである「wupfile.com」や「hexupload.net」「manga-zip.is」では「グランドジャンプ」の利用ができなくなったことが報告されています。

また、2023年5月10日にCODAはカリフォルニア州連邦裁判所で(PDFファイル)召喚状を取得し、13DLを含む複数の海賊版関連サイトの運営者の開示請求を行いました。この請求によりCloudflareは、13DLなどのドメインに関連付けられた発信者の個人情報を開示する必要が出てきました。開示される情報には、ドメイン所有者の住所や電話番号、メールアドレス、支払いの詳細、ホスティングプロバイダー、IPアドレス、および関連するアクティビティのタイムスタンプが含まれます。


一方で海外メディアのTorrentfreakは、「Cloudflareは基本的に開示請求に従いますが、一部のサイト運営者は本当の個人情報を隠すために虚偽の情報を登録しており、CODAによる13DLの摘発が必ずしも成功するとは限りません」と述べています。

CODAによるカリフォルニア州連邦裁判所への発信者情報開示の申し立てが行われてから、2日後の5月12日には開示命令が裁判所によって発令されました。すると、発令から3日後の2023年5月15日に13DLは「13DL is closed, 今までありがとうございました」というメッセージを掲載し、サイト上での海賊版の掲載をストップしました。

しかし2023年5月17日から13DLでは「プレミアム買ってた人申し訳ないために最後のプレゼントです」と称し、2つのオンラインストレージにアップロードされた18万点を超えるマンガの海賊版のダウンロードリンクを掲載したファイルを有料会員向けに配布していたことが確認されています。


なお、CODAは13DLによる『最後のプレゼント』で海賊版コンテンツへのリンクを受け取ったユーザーに対して、「海賊版と知りながらダウンロードすることは法律で禁止されており、罪に問われる可能性があります。リンク先からのコンテンツのダウンロードを行わないようにお願いいたします」と警告しています。

その後、2023年5月22日に13DLのサイト自体へのアクセスが不可能になり、13DLは閉鎖されました。

しかし、13DLの閉鎖後、同様の名称や類似のドメイン名を用いた模倣サイトが出現してきており、CODAは「これらのサイトは犯罪者によって運営されています。広告をクリックしたり海賊版のファイルをダウンロードすることなどで悪意あるマルウェアに感染するおそれがあります。絶対にアクセスしないようお気をつけください」との注意喚起を行っています。

CODAによると、2023年6月中に13DLおよび複数のオンラインストレージサービスへの契約者に関する情報がCloudflareから開示される見通しとのこと。さらにCODAでは、作品の権利者である集英社や担当弁護士、セキュリティ専門家らと協力し、13DLの「最後のプレゼント」に関する発信者情報の開示請求手続きの要請を行っています。CODAは「あらゆる手段を使い、運営者の特定に全力を挙げてまいります」との決意を示しています。

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in ネットサービス,   マンガ, Posted by log1r_ut

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