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Appleの次期MRヘッドセットには4000ppiの超高画素密度&最大輝度5000ニトを誇る2つの1.41インチOLEDマイクロディスプレイが搭載される


Appleが間もなく発表すると目されている複合現実(MR)ヘッドセットのディスプレイ仕様を、ディスプレイ業界の分析企業でCEOを務めるロス・ヤング氏がリークしました。同氏によると、AppleのMRヘッドセットには超高画素密度のOLEDマイクロディスプレイが採用されるようです。

Apple mixed reality headset display specs leak ahead of imminent announcement - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2023/05/30/apple-headset-display-specs/


Apple's AR/VR Headset Display Specs: 5000+ Nits Brightness for HDR, 1.41-Inch Diagonal Display and More - MacRumors
https://www.macrumors.com/2023/05/30/apple-ar-vr-headset-display-specs/

Apple Reality Pro leak reveals a 4K micro OLED display for each eye | Macworld
https://www.macworld.com/article/1935837/apple-reality-headset-display-leak-resolution-brightness.html

Prepare to be blinded by Apple's bright headset screens
https://appleinsider.com/articles/23/05/30/data-about-apples-ar-headset-screens-has-been-leaked

ヤング氏によると、AppleのMRヘッドセットに搭載されるディスプレイのスペックは以下のようになるそうです。

・OLEDマイクロディスプレイ
・対角1.41インチディスプレイ
・4000ppi(画素密度)
・輝度5000ニト

You want more, I will give you more: Micro OLED specs for Apple's AR/VR headset:
1.41" in diagonal
4000 PPI
>5000 nits of brightness

— Ross Young (@DSCCRoss)


AppleのMRヘッドセットのディスプレイ輝度は5000ニト以上になるとヤング氏は指摘していますが、この数値は既存のVRヘッドセットと比較すると非常に高いスペックであることがわかります。例えば、MetaのQuest 2のディスプレイ輝度は最大100ニト程度で、MicrosoftのMRヘッドセットであるHoloLens 2のディスプレイ輝度は500ニト、ソニーのVRヘッドセットであるPlayStation VR 2のディスプレイ輝度は265ニト程度です。


ヤング氏は5000ニトはあくまでピーク時の輝度であり、AppleのMRヘッドセットが「ユーザーの目をくらませるほど明るい」というわけではなく、既存のVR・MRヘッドセットよりも優れたコントラスト、より明るい色、より優れたハイライトを提供することを意味すると説明しています。なお、精細な色表現を売りとするハイエンドテレビのディスプレイ輝度が2000~5000ニト程度です。

ただし、Metaが発表したVRヘッドセットのプロトタイプである「Project Cambria」のひとつとして発表された「スターバースト」では、最大輝度が2万ニトであることが明かされています。

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Apple関連メディアのMacRumorsは「Appleが最大輝度5000ニトのディスプレイを実現すれば、このMRヘッドセットは競合他社が真似できないレベルのディスプレイエクスペリエンスを提供することとなり、将来のARゴーグルの準備も整ったことを意味することとなるでしょう。ARゴーグルは太陽やその他の光源からの光を浴びても目視できるように映像を出力する必要があるため、高い輝度を必要とします。輝度が低いと現実世界の視界と重なるコンテンツが見づらくなってしまいます」と記し、ディスプレイの輝度が非常に高いことから将来的なARゴーグルの登場にもつながる技術であると指摘しています。

ヤング氏はMRヘッドセットの解像度については言及しておらず、「画素密度が4000ppiであること」と「ディスプレイサイズが1.41インチであること」のみ明らかにしています。これは計算するとMRヘッドセットの解像度が(両目合わせて)8Kになることを示していると、MacRumorsは指摘。これはQuest Pro 2などの競合ヘッドセットをはるかに上回る解像度です。

この他、AppleのMRヘッドセットは「Reality Pro」という名称になり、VRをオンオフできる物理ダイヤルを備えた「スキーゴーグル」のような見た目になると予想されています。なお、Reality Proという名称は、Appleの商標出願からも判明しました。

Appleが「Reality One」や「Reality Pro」を商標出願、ウワサのARヘッドセットが間もなく登場か - GIGAZINE


また、Reality Proはハンドトラッキング機能をサポートするためのカメラや、アイトラッキング用センサーが搭載されるという報道も。ヘッドセット内に取り付けられたセンサーで視線を、本体に搭載されたカメラでユーザーの手の動きをトラッキングし、何もない空中にボタンやアプリアイコン、リスト項目などを表示し、親指と人さし指でピンチ操作することで、タスクを実行できるようになると目されています。

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さらに、Reality Proはスタンドアローン型のヘッドセットではあるものの、頭部に装着するゴーグルを軽くするためにバッテリーパックを本体とケーブルでつないで利用するような形になると予想されています。Reality ProのバッテリーパックはMagSafeバッテリーパックによく似たサイズおよび形状となっており、バッテリーパックひとつで約2時間の動作が可能になるとのこと。

AppleのMRヘッドセットは取り外し可能なバッテリーをケーブルでつないで利用&データ転送にはUSB-Cポートを採用との報道 - GIGAZINE


この他、AppleのMRヘッドセットは販売価格が3000ドル(約42万円)程度になると予想されています。

VRヘッドセットやARヘッドセットは複数のメーカーからリリースされていますが、AppleのMRヘッドセットを選ぶ利点として9to5Macは「App StoreライブラリやApple関連サービスなど、既存のさまざまなサービスが存在すること」を挙げています。Apple関連のリーク情報でおなじみのBloombergのマーク・ガーマン氏は、AppleのMRヘッドセットは「あらゆるiPadアプリが利用可能になる可能性が高い」と指摘しています。

なお、Apple初のMRヘッドセットは日本時間の2023年6月6日(火)から開催予定のWWDC23で発表されるとウワサされており、その他に発表が期待されるものについては以下の記事にまとめられているので気になる人はチェックしてみてください。

Appleの年次開発者会議「WWDC23」で発表が期待されるものまとめ - GIGAZINE

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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