メジャーリーグで「ベンチ内でiPadを使って生成AIにアクセスする行為」が禁止に

2016年からMLB全チームのベンチに配備されているiPadについて、複数チームが試合中の戦略立案支援に利用しているとして、生成AIへのアクセスを禁止する措置が執られたことがわかりました。
MLB cracks down on using AI via dugout iPads to help shape in-game decisions - The Athletic
https://www.nytimes.com/athletic/7448900/2026/07/16/mlb-bans-ai-dugout-ipads/
iPadはMLB機構が配備したもので、当初は選手やスタッフが独自にアプリをインストールことはできず、事前にインストールされたアプリしか使えないようになっていました。特に、2020年に「サイン盗み疑惑」が発覚したあとは、厳しい制限が課されました。
しかし、球団や選手から規制緩和を求める声があり、カスタマイズが認められるようになりました。
2026年シーズンは3つのタブが用意され、1つ目のタブは「MLBが提供するすべてのStatcastデータと複数アングルからの映像」、2つ目のタブは「自動ボール・ストライク判定システム(ABS)に関連する全データ」、3つ目のタブはカスタムタブとして、対戦投手情報や守備位置、選手の傾向など各チーム独自のデータが保存されていました。
データの閲覧や、データを参考にして戦略を立てること自体は認められているのですが、ニューヨーク・タイムス傘下のスポーツ専門サイト・The Athleticが事情に詳しい関係者から得た情報によると、最大で10球団が試合中の判断に関する提案まで生成AIが行えるようにするカスタムアプリをiPadにインストールして運用していたとのこと。

その中でも6チームは、投球情報や打席情報をリアルタイムに反映して、次の投球を指示する「ピッチコール」を行っていたそうです。事態を重く見たMLB機構は2026年6月11日に禁止措置を通達。1カ月の猶予期間を置き、シーズン後半戦から適用することを表明しました。ただし、調査によってリーグ規則を破るほどの悪質な行為はなかったことが確認されたため、本件での処分は行われません。
今回の措置について、一部の球団幹部からは「不正行為が行われる前に阻止しなければいけません」と賛同する声がある一方で、技術を積極的に活用してた球団のスタッフからは戸惑いの声が挙がっているとのこと。
The Athleticに対して、選手育成組織の運営責任者であるジャック・ランバート氏は「この技術を活用する上では、ピッチコールこそが理にかなった方法です」と語っています。
なお、シーズン後半戦から、iPadで見られる試合中の映像は基本的に1イニング終了後の「遅れ配信」になるとのこと。また、iPadにデータ入力が行われるのを防ぐため、試合中はフィールドスタッフ以外がベンチに入ることが禁止されます。このほか、試合開始前に公開された「静的データ」についてはアップロード可能ですが、その内容は最終的にMLB機構による審査対象になるとのことです。
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