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Appleの年次開発者会議「WWDC23」で発表が期待されるものまとめ


Appleの年次開発者会議WWDCの2023年版である「WWDC23」が、日本時間の2023年6月6日(火)から開催されます。WWDC23では長らく開発がウワサされているApple初の複合現実(MR)ヘッドセットの他、新型MacやOSなどの登場が期待されているということで、海外メディアのThe Vergeが予想される発表内容をまとめています。

WWDC 2023: what to expect at Apple’s Worldwide Developers Conference - The Verge
https://www.theverge.com/23728368/wwdc-2023-date-time-live-stream-watch-how-to-rumors


Appleの年次開発者向け会議であるWWDC23が、日本時間の2023年6月6日から10日までの5日間開催されます。iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSといったAppleの開発するOSの最新バージョンが発表されるのは、6月6日2時から開催される基調講演です。WWDC23の基調講演の様子はAppleの公式サイトあるいは公式YouTubeチャンネルでライブ配信されます。

Appleの開発者向け会議「WWDC23」が6月6日に開催 - GIGAZINE


なお、Apple関連のリーク情報でおなじみのBloombergのマーク・ガーマン氏によると、メタルギアソリッドデス・ストランディングの生みの親として世界的に人気なゲーム開発者の小島秀夫氏が、Apple本社で目撃されているそうで、ガーマン氏は「WWDCに登壇する可能性がある」と指摘しています。

Hideo Kojima - creator of Metal Gear Solid, Death Stranding - has been spotted by Apple’s campus over the past week. Could mean he’s a part of WWDC. Perhaps a port to Mac/Apple Silicon, if not headset. No Man’s Sky for Mac, announced in 2022 but delayed, could also finally ship.

— Mark Gurman (@markgurman)


そんなWWDC23で発表が期待されているものが以下の通り。

◆Apple初のMRヘッドセット
AppleがMRヘッドセットを開発していることは長らくウワサされています。これはAppleにとって「ここ数年で最もエキサイティングな製品のひとつになる」とThe Verge。報道によると、Appleの開発しているMRヘッドセットは仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の両方を楽しめるものになるとのこと。

Appleの商標出願からMRヘッドセットは「Reality Pro」という名称になり、VRをオンオフできる物理ダイヤルを備えた「スキーゴーグル」のような見た目になると予想されています。

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他にも、Reality Proにはハンドトラッキングをサポートするためのカメラや、アイトラッキング用のセンサーが搭載されるという報道もありました。ヘッドセット内に取り付けられたセンサーで視線を、本体に搭載されたカメラでユーザーの手の動きをトラッキングし、何もない空中にボタンやアプリアイコン、リスト項目などを表示し、親指と人さし指でピンチ操作することで、タスクを実行できるようになるとのこと。

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この他、Reality Proはスタンドアローン型のヘッドセットとして機能するものの、頭部に装着するゴーグルを軽くするためにバッテリーパックを本体とケーブルでつないで利用するような形になるとも予想されています。Reality ProのバッテリーパックはMagSafeバッテリーパックによく似たサイズと形状になっており、このバッテリーパックひとつで約2時間の動作が可能になるとのこと。

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これまでの報道によると、AppleはSafari、FaceTime、Apple TV、Apple Books、フリーボードといった純正アプリのVR版の開発を進めている模様。

なお、Reality Proの販売価格は3000ドル(約41万円)程度になると予想されており、AppleはReality Proの廉価版の開発にも取り組んでいると報じられていますが、この廉価版がWWDC23で発表されることはないと見られています。

◆新型の15インチMacBook Air
この他、Appleは既存のMacBook Airよりもディスプレイサイズの大きな15インチMacBook Airを発表すると予想されています。MacBook Airはこれまで長らく13インチのディスプレイを搭載してきました。


この15インチMacBook Airには2022年6月に発表されたM2チップが搭載される可能性が高い模様。また、ディスプレイの解像度は14インチMacBook Proと同じ3024×1964ピクセルになると予想されており、15インチMacBook Airの方がディスプレイが大きなため「画素密度が若干落ちる可能性がある」と指摘されています。

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15インチMacBook Air以外にAppleが新型Macを発表する計画があるかどうかは正確には明らかになっていません。しかし、Appleは13インチMacBook Pro、13インチMacBook Air、24インチiMacなどを開発中であるとウワサされており、これらはすべて新しいM3チップを搭載することになると予想されています。

◆iOS、iPadOS、macOSの新機能
Appleは2023年5月16日に、iPhoneやiPadに声を吹き込むだけで、自分の声を再現した合成音声を作成できる「Live Speech」を発表しました。これらの機能はWWDC23で発表される各種OSの新機能になると見込まれています。

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この他、AppleはiPadOS 17でステージマネージャのアップデートを予定しているとウワサされています。ステージマネージャはAppleが2022年にiPadOSに実装したマルチタスク機能ですが、The Vergeの記者であるDavid Pierce氏は「ステージマネージャはまだ機能していない」と指摘しており、完成度はイマイチのようです。なお、このステージマネージャのアップデートは一般的な機能に関するものではなく、技術的な側面に重点を置いたものとなるようです。

macOS 14とtvOS 17にどういった新しい機能が盛り込まれることになるかはあまりウワサされていませんが、Apple Watch向けのwatchOS 10ではウィジェットを多用した新しいインターフェイスが追加される大きなアップデートが実装される可能性が報告されています。

◆メンタルヘルスに焦点を当てたiPhone向けのジャーナリングアプリ
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、Appleが1日を通して自分の考えや活動を書き留めることができるiPhone向けの新しいジャーナリングアプリをリリースする予定だそうです。このアプリは書くべきトピックを提案したり、誰と時間を過ごしたかを追跡したり、特定の日に普段はしないことを行ったかを検出したりする、人物検出機能を提供する可能性がある模様。

AppleはこのアプリをWWDC23で発表すると予想されていますが、リリース時期は2023年の秋頃になる可能性が高いそうです。

◆Appleの閉鎖的なエコシステムの開放
Appleは欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)を遵守する必要があり、遅くとも2024年の3月までにはユーザーがサードパーティーのアプリストアからアプリをダウンロードし、EU圏内でアプリをサイドローディングできるようにしなければいけません。Appleは「App Store以外からアプリをインストールするのはユーザーにとって危険である」として、サイドローディングの許可に強く反対しています。

しかし、AppleがWWDC23の中でiPhoneやiPadでアプリのサイドローディングを可能とすると発表しても、それほど驚くべきことではないとThe Vergeは指摘。Bloombergは、AppleがEUの規制に準拠するべくiOSの全面見直しを検討していると報じています。

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さらに、AppleはサードパーティーのブラウザアプリにApple独自のブラウザエンジンであるWebKitの使用を強要しなくなる可能性もあるとのこと。AppleがiOSのサードパーティーブラウザアプリでWebKitを強制していることについては、長らく批判の声が上がっていました。

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by iphonedigital

この他、AppleはApple WatchやApple PayなどのAppleサービスでのみNFCチップを利用可能としていますが、これがサードパーティーアプリでも利用できるようになる可能性が指摘されています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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