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「サービス提供だけでは著作権侵害幇助にならない」というISPへの最高裁判決を受けてXも訴訟棄却を裁判所に申請


アメリカの最高裁判所は2026年3月に、「著作権侵害の疑いのある加入者にサービスを提供し続けたという理由だけで、ISPに著作権侵害の幇助(ほうじょ)責任を負うことはできない」という判決を下しました。この判決を受けXは、「著作権侵害ユーザーを意図的に見て見ぬふりをしていたためXに責任がある」としていた2024年の判決から継続している訴訟の棄却を申請しました。

X Asks Court to Dismiss Music Piracy Lawsuit After Supreme Court's Cox Ruling * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/x-asks-court-to-dismiss-music-piracy-lawsuit-after-supreme-courts-cox-ruling/


2023年6月、全米音楽出版社協会(NMPA)がユニバーサルミュージックグループ、コンコード・ミュージック・グループ、ソニー・ミュージックパブリッシング、ワーナー・チャペル・ミュージックといった複数の音楽レーベルを代表して、Xに対して「著作権で保護された音楽を含む投稿を放置し、クリエイターに損害を与える著作権侵害行為を助長した」として2億5000万ドル(約375億円)の損害賠償を求める訴訟を提起しました。

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この訴訟に対してXは裁判所に棄却を求めていましたが、担当判事のアレタ・A・トラウガー氏は2024年3月にXが直接著作権侵害に関与しているという「代理責任」を求める主張は却下しつつも、Xが著作権侵害を認識しながら十分な対策を講じなかった「寄与侵害」の可能性はあるとして、審理継続が認められていました。

そのような中で、電話通信会社のコックス・コミュニケーションズが「著作権侵害を繰り返すユーザーを完全に排除できず、海賊行為から利益を得ている」として2018年に大手レコード会社グループに提訴された件について、2026年3月26日に最高裁判所は「コックス・コミュニケーションズは海賊版利用者の著作権侵害行為について共同責任を負わない」と判断しました。判決では、責任を問うにはサービス提供者が著作権侵害を意図していたことを証明する必要があり、証明するためには「サービス提供者が積極的に侵害行為を誘発した」または「当該サービスに実質的な非侵害用途がない」のどちらかに該当する必要がありますが、コックス・コミュニケーションズの場合はどちらにも当てはまらないと結論付けています。

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この最高裁判所の決定を受け、Xは2026年3月27日にテネシー州連邦裁判所に対し「新たな『コックス判例』に基づけば、サービス提供側に寄与侵害を求める主張は法律上成立せず、訴訟全体が却下されるべき」と主張しています。Xの主張によると、最高裁判所がコックス裁判で示した「責任を問うにはサービス提供者が著作権侵害を意図していたことを証明する必要がある」という基準を踏まえ、Xはいずれの要件も満たしていないとのこと。

イーロン・マスク氏がかつて「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)は人類に対する疫病」と発言しており、音楽レーベルグループ側はこれを「著作権に対する敵対的な姿勢の証拠」として最初の訴状で引用していました。Xはテネシー州連邦裁判所への提出書面の中で「コックスは『DMCAなんてクソくらえ』といったコメントを添えたメールを送るなど、著作権法を軽蔑する発言さえしていました。こうした事実にもかかわらず、最高裁判所は陪審の共犯的侵害の評決を覆しました。なぜなら、著作権をないがしろにするような発言でさえ『侵害を助長する明確な宣伝、マーケティング、意図の証拠』には当たらないからです」と述べています。

今回の申し立ては、単に最高裁判決を引用するにとどまらず、訴訟全体の進行そのものを見直すよう裁判所に求める内容となっています。なお、記事作成時点ではこの件に関するXおよびNMPAの詳細な公式声明は発表されていません。今回の動きはオンラインプラットフォームにおける著作権責任の範囲を巡る議論に影響を与える可能性があり、今後の判決の行方が注目されます。

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article Following the Supreme Court ruling again….