X(旧Twitter)を著作権侵害で訴える音楽レーベルとの訴訟に進展
複数の著名音楽レーベルが、X(旧Twitter)を著作権侵害で訴えています。この訴訟で、裁判を担当する連邦判事が原告側の主張の一部を支持しました。
Twitter’s music label legal trouble might have legs - The Verge
https://www.theverge.com/2024/3/5/24091667/twitter-music-label-legal-trouble-lawsuit-nmpa
2023年6月、全米音楽出版社協会(NMPA)がユニバーサルミュージックグループ、コンコード・ミュージック・グループ、ソニー・ミュージックパブリッシング、ワーナー・チャペル・ミュージックといった複数の音楽レーベルを代表して、Xに対して2億5000万ドル(約375億円)の損害賠償を求める訴訟を提起しました。
Twitterが楽曲の著作権侵害ツイートを放置したとして全米音楽出版社協会から約350億円の損害賠償を求められる - GIGAZINE
訴訟ではXが著作権で保護された音楽を含む投稿に対して適切な措置を施さなかったことで、「音楽クリエイターに損害を与える大規模な著作権侵害を引き起こした」と原告側は主張しています。Xの著作権問題はイーロン・マスク氏がTwitterを買収する前から問題となっており、NMPAは訴訟を提起する前の2021年12月から「毎週著作権侵害通知を送信していた」そうです。
この訴訟に対してXは裁判所に棄却を求めていましたが、担当判事のアレタ・A・トラウガー氏は申し立ての一部を却下しました。裁判所側はユーザーがより長い動画をアップロードできる有料サービスのXプレミアムを通じ、「著作権侵害を助長した」というNMPAの主張の一部を認めています。さらに、「Xがタイムリーにクレームに対応せず、『侵害を繰り返す者』に対して適切な措置を取らなかった」というNMPAの主張を却下するよう求めるXの申し立ても、裁判所は却下しました。
トラウガー判事は今回の判断について、「Xが直接著作権侵害に関与しており、Xがユーザーによる著作権侵害に対して『代位責任』を負うべきである」というNMPAの主張は却下しています。この判断について、トラウガー判事は「最高裁判所が認めたように、直接侵害、寄与侵害、代位責任の境界線は明確にひかれていません。この訴訟が提示する究極の問題は、Xがそのプラットフォーム上でのユーザーの著作権侵害行為に対して責任を負うのか、またどの範囲まで責任を負うのかということです」と説明しています。
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