イーロン・マスクがTwitterの新CEOに元NBCユニバーサルのリンダ・ヤッカリーノ氏を任命

Twitterを買収してCEOに就任したイーロン・マスク氏は、当初Twitterの運営に関する重要な決定をアンケート形式でユーザーに委ねており、「自身がTwitterのCEOを辞めるべきか否か」のアンケートまで実施。マスク氏のCEO退任を求める票が過半数を超えたものの、「投票はボットによるもの」などの声を受け、「TwitterのCEOを引き受ける愚かな人がいればすぐ辞任する」と表明し、当面は自身がCEOを続けると表明していました。そんなマスク氏がとある女性をTwitterの新しいCEOに任命したとツイートしていたのですが、それがNBCユニバーサルの広報担当責任者であるリンダ・ヤッカリーノ氏であることが明らかになっています。

Elon Musk appoints new Twitter CEO, NBCU’s Linda Yaccarino | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/05/12/elon-musk-appoints-new-twitter-ceo-nbcus-linda-yaccarino/

2023年5月12日、マスク氏は「Twitter(X)の新しいCEOを雇ったと発表できることに興奮しています。彼女は6週間後に入社する予定です。私の役割はプロダクト、ソフトウェア、そしてシステムオペレーターを監督する執行委員長兼CTOに移行するでしょう」とツイートし、自身に代わる新しいCEOが女性であることを明かしていました。

その後、複数のメディアがNBCユニバーサルの広報担当責任者であるリンダ・ヤッカリーノ氏がTwitterの次期CEOであると報道。ヤッカリーノ氏はTwitterの次期CEOになるのではという報道に対して否定も肯定もしていなかったものの、同社の広報担当責任者の職を辞任すると発表していました。

そして2023年5月13日、マスク氏は自身のTwitterアカウントで、「リンダ・ヤッカリーノ氏をTwitterの新CEOに迎えることができて興奮しています！リンダ・ヤッカリーノ氏は主にTwitterの事業運営に焦点を当て、私は製品設計および新技術に焦点を当てます。リンダ氏と協力し、Twitterをすべてのアプリが含まれるXに変えることを楽しみにしています」とツイートし、リンダ・ヤッカリーノ氏をTwitterの新CEOに任命したことを明かしました。

ヤッカリーノ氏は2011年からNBCユニバーサルで働いており、それ以前はターナーで20年近く広告担当ヴァイスプレジデントとして勤務していました。2018年にはドナルド・トランプ前大統領により、大統領のスポーツ・フィットネス・栄養評議会の委員にも任命されています。

なお、マスク氏は2023年4月18日に開催された広告関連のカンファレンスでヤッカリーノ氏のインタビューに応じており、ヤッカリーノ氏はインタビューの中でマスク氏について「イーロンは誰でも継続的にフィードバックを受けられるように努めています」などとほめたたえていました。

インタビューの様子は以下の動画でチェック可能です。

Linda Yaccarino interviews Elon Musk – April 18, 2023 - YouTube


このインタビューが行われた時点でマスク氏とヤッカリーノ氏がTwitterのCEOという職について交渉を行っていたのかについては不明ですが、海外メディアのTechCrunchは「マスク氏がTwitterのリーダーシップを担ってから、同社のビジネスの重要な側面が台無しになってしまったことを考えると、著名な広報担当者をTwitterのかじ取りに据えることは懸命な判断のように思えます」と指摘。

なお、マスク氏からCEOの職を継ぐこととなったヤッカリーノ氏ですが、記事作成時点では自身のTwitterアカウントを更新しておらず、新CEOとして最初のツイートはまだ投稿していません。一方で、マスク氏は「リンダの準備ができ次第、何でも質問できるスペースを作成します」とツイートしています。