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報奨金史上最高額の約370億円をアメリカ証券取引委員会が企業の内部告発者に対して支払い


2023年5月5日にアメリカ証券取引委員会(SEC)が、規制当局による執行措置を行うにあたって提供した情報が役立った企業の内部告発者に対して、過去最大となる約2億7900万ドル(約370億円)の報奨金を発行したことを発表しました。

SEC.gov | SEC Issues Largest-Ever Whistleblower Award
https://www.sec.gov/news/press-release/2023-89


SEC issues largest ever whistleblower award of $279 million | Reuters
https://www.reuters.com/world/us/us-sec-issues-largest-ever-whistleblower-award-279-mln-2023-05-05/


SEC Issues $279 Million Whistleblower Award, Its Largest Ever - WSJ
https://www.wsj.com/articles/sec-issues-279-million-whistleblower-award-its-largest-ever-517b9640


SECが定めている規則では、内部告発者は、SECが企業から100万ドル(約1億3000万円)以上を徴収した場合、報奨金として罰金の10~30%を受け取ることができます。

これまでで最大の報奨金は、2020年10月に支払われた約1億1400万ドル(約154億円)でしたが、今回の内部告発者に対する報奨金はこの記録を2倍以上更新しました。

SECの執行部門のディレクターであるガービル・グリューワル氏は「報奨金プログラムは、内部告発者に対して企業の潜在的な証券法違反の情報を開示することについてインセンティブを与えることを目的としたもので、今回の報奨金の支払い額は、報奨金プログラム史上最高額です。そのため、今回の結果は我々の内部告発プログラムの大きな成功を意味しています」と述べています。

SECによると、今回の内部告発者は、SECに対して自発的に企業の機密情報を提供し、その結果規制当局による執行措置の成功と、裁定命令に従った2つの関連する措置につながったとのこと。またSECは、内部告発者からの情報提供によって、40億ドル(約5400億円)以上の不正な利益と利息が返還されたことを明らかにしています。なお、情報提供者保護やドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法順守の観点から、SECは内部告発者の名前や関連企業の名前を明かしていません。


SECの内部告発者担当事務所の責任者であるクレオラ・ケリー氏は「内部告発者からの複数回にわたる聞き取り調査や、書類の提出をはじめとする継続的な支援が今回の執行措置の成功に不可欠でした」と述べました。

内部告発者の担当弁護士であるスティーブン・コーン氏は「今回の執行措置による裁定と、高額な報奨金プログラムは、アメリカにおける企業の不正や詐欺に対して大きな萎縮効果をもたらす可能性があります」と述べています。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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