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MicrosoftがOfficeとTeamsの抱き合わせ販売を廃止する可能性、Slackからの苦情でEUが独禁法違反調査をしようとしたため


Microsoftが、オフィススイートのOfficeを導入する際にビジネス向けメッセージングツールのTeamsを自動インストールさせる抱き合わせ販売方式の廃止を検討していると、イギリス経済紙のFinancial Timesが報じています。これは、Teamsの競合相手であるSlackがMicrosoftのやり方について苦情を申し立てたことで、EUの欧州委員会が独立禁止法違反の調査を行おうとしたからではないかと予想されています。

Microsoft agrees to stop bundling Teams with Office | Financial Times
https://www.ft.com/content/be838956-7038-4179-8a1c-851b83048d5d


Is Microsoft going to debundle Teams and Office? One report says that's exactly what'll happen. | Windows Central
https://www.windowscentral.com/software-apps/is-microsoft-going-to-debundle-teams-and-office-one-report-says-thats-exactly-whatll-happen


情報筋2人がFinancial Timesに語ったところによると、MicrosoftはOfficeとTeamsの抱き合わせ販売をやめることを検討しているものの、具体的にどのようなシステムに変更するのかは決まっていないとのこと。また、抱き合わせ販売をやめるかどうかの議論もまだ続いているため、確実に廃止されるわけではないと情報筋は述べています。

Microsoftが欧州委員会による独占禁止法違反調査の対象となるのは今回が初めてではありません。欧州委員会は2009年に、MicrosoftがInternet ExplorerをWindowsと抱き合わせ販売していることについて、独占禁止法に違反していると非難したことがあります。この時、欧州委員会はMicrosoftと一度は和解しましたが、2013年にMicrosoftが和解条件を守らなかったとして5億6100万ユーロ(約830億円)の賠償金を請求しています。

by Alva Chien

Financial Timesは「今回のMicrosoftの動きは、10年以上ぶりとなる独占禁止法違反調査を回避しようとする企業努力の一環であり、過去に禍根を残した欧州委員会との法廷闘争を避けようとしたものです」と述べています。

そもそも欧州委員会がMicrosoftに対して調査を行おうとしたのは、Slackからの苦情申し入れがあったからだと報じられています。Teamsと競合するビジネス向けメッセージングツールを提供しているSlackは、2019年10月に出した四半期業績報告書で「我々の主な競合相手はMicrosoftである」と述べており、明確にライバル視しています。

そして、Slackは2020年に、OfficeとTeamsを別に販売するようにMicrosoftに強制するようにEUの規制当局に要請しました。Slackの法務担当責任者であるDavid Schellhase氏は「私たちはEUに中立的な審判として、事実を検証して法律を執行するよう求めました」とコメントしています。Windows関連のニュースを扱うWindows Centralによれば、Slackの訴えを受けてMicrosoftのサティア・ナデラCEOは「WindowsがなかったらSlackは存在していなかったのでは?」と答えたそうです。

by Fortune Brainstorm TECH

MicrosoftはFinancial Timesの取材に対して「私たちは大手テクノロジー企業として、EUにおける責任を自覚しています。私たちは委員会の調査に協力し続け、委員会の懸念に対処し、お客様に十分なサービスを提供する現実的な解決策を受け入れる容易があります」と答えました。

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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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