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「Apple Watch Series 8」&「Apple Watch SE(第2世代)」海外レビューまとめ


2022年9月に開催されたAppleイベントの中で発表された「Apple Watch Series 8」と「第2世代Apple Watch SE」のレビューを、海外メディアが続々と公開しています。2022年に登場した新型Apple Watchが一体どんなものに仕上がっているのか、まとめてみました。

The VergeはApple Watch Series 8について、「壊れてなければアップグレードしないでください」と評しています。

Apple Watch Series 8 review: if it ain’t broke - The Verge
https://www.theverge.com/23353756/apple-watch-series-8-review-smartwatch-wearables


The Vergeは「Series 7とSeries 8の違いを見つけるのは難しいです。私が指摘できるのは、端末の色やサイズが違うといった程度で、何も変わっていないと言っても過言ではありません。Series 8にはこれまで同様41mmと45mmの2つのケースサイズがあり、本体カラ―のオプションは少なくなりました」と言及。Series 8の内蔵チップはS8チップで、これはSeries 7のS7チップと比べると「パフォーマンスとバッテリー寿命以外はS7チップと同じであり、つまりは基本的にS6チップと同じ」とThe Verge。

Series 8に新しく搭載されたのは、2つの温度センサーから構成される皮膚温センサー、新しい高重力加速度センサー、新しいジャイロスコープの3つ。これらの新しいセンサーは、Series 8の主な新機能である「サイクルトラッキング」と「衝突事故検出」を成り立たせるために重要な役割を担っています。

Series 8の皮膚温センサーは、肌に近い背面クリスタルに1つ、ディスプレイのすぐ下にもう1つ搭載されており、2つの測定値を使用することでより正確に皮膚温の測定を行えるようにしています。既存の心電図・心拍数・血中酸素濃度センサーとは異なり、皮膚温センサーを使って手首の温度を測定するには「睡眠フォーカス」と「睡眠追跡」が有効になっている必要があります。さらに、Series 8ではユーザーが皮膚温センサーを使って自主的に体温を測定することができません。Series 8を着用したまま5日間睡眠をとると、着用者の体温測定の基準値が弾き出されます。その後、ユーザーの手首温度が基準値から外れた場合にのみ、着用者に「体温が基準値から○○度外れた」といった具合に通知を行います。


計測した体温を表示するのではなく、基準値から外れた場合にそのことを通知するような温度センサーを搭載しているのはApple Watchだけではありません。Oura RingやFitbitの温度センサーも同様のアプローチを取っているそうです。また、ヘルスケアアプリで月経周期を追跡している場合、手首の温度測定機能を有効にすると、排卵日を推定可能となります。Series 8の月経周期トラッキング機能は医療目的での使用を想定したものではありません。ただし、同様の機能をNatural CyclesやClueが提供しており、FDAから認可を受けています。

なお、実際にSeries 8を利用したThe Vergeは、皮膚温センサーの精度について「まだ約1週間しか使っていないため明言することは難しいです。ただし、Oura Ringが取得したデータとほぼ一致しています。例えば数日前の夜、Oura Ringが『通常よりも0.5度体温が高い』と通知してきた際、Series 8は『通常よりも0.41度体温が高い』と通知してきました」と記しています。

衝突事故検出機能についてもレビューしようと試みたそうで、Series 8をラジコンに取り付けてぶつけるなどの実験を行ったそうですが、The Vergeのレビュアーは誰も衝突事故検出が起動した瞬間を確認することができなかったそうです。

新しい文字盤や再設計されたコンパスアプリ、低電力モードなどはすべてwatchOS 9の新機能ですが、これも素晴らしい新機能であるとThe Verge。低電力モードは数日間のバッテリー寿命を保証するようなものではありませんが、Wi-Fi/セルラー通信を制限し、常時表示ディスプレイとバックグラウンドセンサーの読み取りをオフにすることで、最大36時間のバッテリー持続時間を実現します。


ワークアウト関連のアップデートでは、ワークアプトアプリで心拍数ゾーンを表示することが可能となった点について「中級レベルのワークアウトに移行しようとしている初心者に大きなメリットになるでしょう」とThe Verge。

なお、The VergeはApple Watch Series 8の長所を「watchOS 9は素晴らしい」「皮膚温センサー」「衝突事故検出」「低電力モード」を挙げ、短所としては「毎日充電する必要がある」「過去数モデルのApple Watchと大差がない」といった点を挙げています。そして、まとめとして「素晴らしいスマートウォッチですが、現行のApple Watchに満足しているのならアップグレードする理由はありません」と記しました。


CNETもSeries 8はほとんどがSeries 7と同じ機能を有しているとして、「約1週間のレビュー期間しかなかったため、皮膚温センサーが手首の温度の基準値を弾き出したばかりであり、衝突事故検出機能もテストすることができませんでした。これらの機能がどちらも有用である可能性は非常に高いものの、どれほど有用かは現時点では判断しかねます」と評し、Series 8の新機能については判断しかねる状況としました。CNETもThe Vergeと同様に「最大のアップデートはソフトウェア」としており、watchOS 9で登場したGPSを介した歩数測定や新しくなったコンパスアプリ、服薬アプリ、多段階の睡眠トラッキング機能、低電力モードなどを高く評価し、「watchOS 9にアップグレードするだけで新しいApple Watchを手に入れたような感覚になります」と報じています。

Apple Watch Series 8 Review in progress: My Thoughts After Wearing It for a Week - CNET
https://www.cnet.com/tech/mobile/apple-watch-series-8-review-in-progress-my-thoughts-after-wearing-it-for-a-week/


EngadgetはSeries 8について「ハイエンドモデルのApple Watch Ultraと、より安価な第2世代Apple Watch SEに挟まれて最も見落としやすいモデルになってしまった」と評し、「Series 8の登場に興奮している人を想像するのは難しい」としました。Engadgetもレビュー時間が短かったため、月経周期トラッキングや衝突事故検出を試すことができなかったとしつつ、ECGや血中酸素飽和濃度測定機能はそれほど頻繁に使用するものではないため、Series 8より手ごろな価格で入手できる第2世代SEがより良い選択肢になる人も多いはずとしました。

Apple Watch Series 8: A week with the new best smartwatch (for now) | Engadget
https://www.engadget.com/apple-watch-series-8-real-world-test-130031046.html


MobileSyrupはSeries 8の長所として「新しい体温センサー」「最も高性能なスマートウォッチ」「他に競合のいないスマートウォッチのアプリエコシステムを有している」の3点を挙げ、短所として「これまで同様のデザイン」「多くのアップグレードはない」「watchOS 9の主要な機能は古いモデルでも動作する」という3点を挙げました。

Apple Watch Series 8 Review: Still the best smartwatch
https://mobilesyrup.com/2022/09/15/apple-watch-series-8-review/


TheStreetは第2世代Apple Watch SEについて、「初めてApple Watchを使用する人、あるいはすべてのヘルスケア関連機能を必要とするわけではない人、常時表示ディスプレイを必要としない人、初代Apple WatchからSeries 3までの古いモデルを使用している人」にピッタリなモデルであるとしています。ただし、過去に常時表示ディスプレイを利用したことがあるユーザーにとって、「常時表示ディスプレイのない第2世代SEに戻るのは難しいだろう」とTheStreetは指摘しています。

Apple Watch SE (2nd Gen) Review: Pushing Value - TheStreet
https://www.thestreet.com/personal-finance/apple-watch-se-second-generation-review


第2世代SEの心臓部にあるプロセッサはSeries 8と同じS8チップを採用しています。これにより第2世代SEは第1世代SEよりも最大20%高速になり、ワークアウトの開始や心拍数の測定などのより激しいユースケースで、第1世代SEを最大1秒上回るパフォーマンスを実現しているとのこと。

第2世代Apple Watch SEは初代SEと非常によく似ており、ケースサイズは40mmと44mmの2種類のまま。ケースはアルミニウム製で、カラーはミッドナイト・シルバー・スターライトの3種類のみ。大きな変更点は背面部分が複合材料に変更された点です。


CNBCは「Series 8にはアップグレードを正当化するのに十分な新機能がありません。価値あるイノベーションのほとんどがwatchOS 9で利用可能となります。watchOS 9はApple Watch Series 4以降のモデルで利用可能です」とし、Series 8にはそれほど重要なアップグレードはないと指摘。一方で、第2世代Apple Watch SEでは手頃な価格でありながら、最新のS8チップを搭載し、パフォーマンスは高速かつスムーズで、低電力モードや睡眠トラッキング、衝突事故検出などの機能が利用できるとしました。Series 8とSEの違いのひとつにU1チップの有無があります。なお、U1チップは「探す」アプリでの位置追跡精度を向上させるためのチップです。

Apple Watch review: Skip Series 8. The SE is the best value
https://www.cnbc.com/2022/09/15/apple-watch-review-skip-series-8-the-se-is-the-best-value.html

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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