SamsungがiFixitと提携して修理パーツの販売を開始、Galaxy S20・S21・Tab S7+が対象もフラッグシップ機のS22は非対応
2022年8月2日、Samsungが修理パーツの販売などを手がけるiFixitと提携し、「ユーザーが自分でデバイスを修理するプログラム」を提供すると発表しました。対応デバイスはGalaxy S20ファミリー・Galaxy S21ファミリー・Galaxy Tab S7+となっていますが、フラッグシップデバイスのGalaxy S22ファミリーは非対応です。
Samsung Self-Repair Program Now Available for Galaxy Customers - Samsung US Newsroom
https://news.samsung.com/us/samsung-self-repair-program-now-available-galaxy-customers/
We’re Building a Galaxy of Repair with Samsung | iFixit News
https://www.ifixit.com/News/62839/were-building-a-galaxy-of-repair-with-samsung
iFixit and Samsung are now selling repair parts for some Galaxy devices - The Verge
https://www.theverge.com/2022/8/2/23288062/ifixit-samsung-repair-program-galaxy-s20-s21-tab-s7-plus
近年、ユーザーが購入した製品を自分自身で修理できるようにすることを認める「修理する権利」が盛んに叫ばれており、Microsoft・Apple・Googleなどが修理部品やツールの販売、そして修理マニュアルの提供を開始しています。
認定店舗での当日修理やエンジニアの訪問修理といったサービスを充実させているSamsungも、新たにiFixitと提携して修理部品と修理パーツの販売を開始することを発表していました。
Samsungがスマホやタブレットをユーザー自身で修理できるようパーツ・ツール・マニュアルを提供 - GIGAZINE
そして8月2日、ついにSamsungがiFixitを通じた自己修理プログラムを開始しました。ユーザーはiFixitを通じ、提携修理業者と同じ価格で純正パーツと修理ツールを購入でき、無料のオンライン修理ガイドにもアクセス可能となります。また、iFixitのコミュニティフォーラムで修理の手順について質問することも可能だとのこと。
今回の修理プログラムに対応しているのはGalaxy S20ファミリー・Galaxy S21ファミリー・Galaxy Tab S7+となっており、ユーザーはディスプレイアセンブリ・背面ガラス・充電ポートなどを購入可能。また、ディスプレイアセンブリを購入したユーザーには廃棄部品を無料でSamsungに返送するためのラベルも届き、Samsungが責任を持って廃棄部品をリサイクルできるようにしています。
Samsungのアメリカ支社でカスタマー担当ヴァイスプレジデントを務めるマーク・ウィリアムズ氏は、「Samsungはユーザーがデバイスの使用を拡大し、循環型経済を促進し、電子廃棄物を最小限に抑えるための便利なオプションを継続的に提供しています。Samsungの自己修理プログラムは、ユーザーがリサイクルする前にデバイス寿命を延ばすもう1つの方法です」とコメント。iFixitの共同創設者兼CEOであるカイル・ウィーンズ氏は、「交換部品を利用可能にすることは持続可能性の重要な戦略です。Samsungおよび顧客と直接協力し、スマートフォンの寿命を延ばすことに興奮しています」と述べました。
公式サイトによるSamsung S20ファミリー・Galaxy S21ファミリーの修理パーツ価格は以下の通り。
ディスプレイアセンブリ | 背面ガラス | 充電ポート | |
---|---|---|---|
Galaxy S20 | 206.99ドル(約2万7700円) | 76.99ドル(約1万300円) | 76.99ドル(約1万300円) |
Galaxy S20 Plus | 223.99ドル(約2万9900円) | 76.99ドル(約1万300円) | 66.99ドル(約8900円) |
Galaxy S20 Ultra | 231.99ドル(約3万1000円) | 76.99ドル(約1万300円) | 66.99ドル(約8900円) |
Galaxy S21 | 167.99ドル(約2万2400円) | 66.99ドル(約8900円) | 66.99ドル(約8900円) |
Galaxy S21 Plus | 189.99ドル(約2万5400円) | 76.99ドル(約1万300円) | 66.99ドル(約8900円) |
Galaxy S21 Ultra | 239.99ドル(約3万2000円) | 76.99ドル(約1万300円) | 66.99ドル(約8900円) |
Galaxy Tab S7+は修理パーツの種類がやや違います。
スクリーン | バッテリー&フレームアセンブリ | 充電ポート&ドーターボード | |
---|---|---|---|
Galaxy Tab S7+ | 226.99ドル(約3万300円) | 86.99ドル(約1万1600円) | 66.99ドル(約8900円) |
海外メディアのThe Vergeは今回発表された修理プログラムについて、一部のユーザーが自分で修理できるようになるのは喜ばしいものの、フラッグシップデバイスのGalaxy S22ファミリーが含まれていない点や、修理パーツの種類が限られている点は不満があると指摘。特に、Samsungは交換用バッテリーがディスプレイアセンブリに含まれていると説明しているものの、「充電できないもののディスプレイが完全な状態のスマートフォンでは、無駄になるでしょう」と述べています。なお、記事作成時点ではアメリカのユーザーのみ修理パーツの購入ができますが、SamsungとiFixitは将来的に自己修理プログラムを拡大する予定であり、対応デバイスや修理オプションも拡充する計画だとのことです。
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