Appleの自動運転車開発について暴露したレポートが公開される
by Automobile Italia
Appleの自動運転車開発プロジェクト「プロジェクト・タイタン」については、「2024年までに生産される」「2025年にはリリースされる」など、ウワサが入り乱れつつもプロジェクトの進行が確実視されています。そんな中で、IT系ニュースサイトのThe Informationが「自動運転車を作るためのAppleの8年間の闘い」について、プロジェクトに携わった20人からインタビューを取る形で内部情報を暴露したレポートを公開しています。
Inside Apple’s Eight-Year Struggle to Build a Self-Driving Car — The Information
https://www.theinformation.com/articles/inside-apples-eight-year-struggle-to-build-a-self-driving-car
Apple Car project troubled by management demos and uncertain schedule | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/22/07/11/apple-car-project-troubled-by-management-demos-and-uncertain-schedule
Apple Car project reportedly still running into roadblocks — and nearly a jogger - The Verge
https://www.theverge.com/2022/7/11/23203669/apple-car-project-titan-self-driving-vehicle-jogger
The InformationはAppleの自動運転車開発プロジェクトについて歴史を振り返りつつ、「開発の過程でAppleは繰り返し挫折してきました」と報告しています。「プロジェクト・タイタン」について初めて報道された2015年から2022年上半期までの約8年間、自動運転車開発がAppleにとって価値あるものだと絶えず証明する必要があり、前向きな軌道に乗せるために度々苦労があったとのこと。
Appleによる「自動運転車」自社開発計画「タイタン」のウワサまとめ - GIGAZINE
Appleが自動運転車開発に苦戦してきた例として、2021年8月にAppleが開発途中の自動運転車をアメリカ北西部モンタナ州で40マイル(約64キロメートル)走行させたケースをThe Informationは暴露しています。このテスト走行はドローンを介して撮影され、AppleのCEOであるティム・クック氏を含む経営陣に提出され順調に進んでいると報告されましたが、高解像度の3D地図を必要とせず自動運転できる一方で車線を確実に守れなかったり縁石への衝突を避けられなかったりといった問題に悩まされていたそうです。
また同様に、2022年始めに行われたテスト走行では、ジョギング中の人が通りを横切った際に、自動運転車は一時停止することなくわずかに進路を変更したのみで、補助ドライバーがブレーキを踏む必要があったとのこと。Appleはこれを、「人間が介入しなければ、車はジョガーをひいてしまっていた可能性が高い」と結論付けました。
2016年にはAppleの幹部がプロジェクトの進行具合に不満を持ってプロジェクトチームの新規採用を凍結したと報じられたり、2022年3月にはアナリストのミンチー・クオ氏が「自動運転車に関するプロジェクトチームが解散したため、近いうちに新チームの発表がなければ、2025年に自動運転車を販売開始するというウワサは実現が難しくなります」と報告していたりと、従業員の交代についてもしばしば報道されていました。The Informationのインタビューの中でも、チームの解散というのはあくまでウワサでありつつも、従業員の入れ替わりが目まぐるしくあったことは指摘されています。
The Apple Car project team has been dissolved for some time. The reorganization within the next three to six months is necessary to achieve the goal of mass production by 2025.
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) 2022年3月15日
自動運転車プロジェクトについて、クック氏は製品設計から距離を置く傾向があり、それが他の上級管理職からのプロジェクトの見方を懐疑的にしていると言われています。Appleのソフトウェアチーフであり主要な幹部でもあるクレイグ・フェデリギ氏も特に懐疑的な姿勢だとThe Informationは指摘しています。
また、The Informationはプロジェクトの歴史だけではなく、Appleの自動運転車「Apple Car」の外観について詳細を明らかにしています。最新のデザインでは、車内の4つのシートは内側を向き合うように配置されており、乗車した人は顔を合わせて会話できるように計画されています。そのほか、普段は下部に沈んでスペースの邪魔をせず使用する際には上昇して使いやすくなるトランクや、シートの背部で上下に動くスクリーンについて話し合いが行われたとされています。Appleから独立してデザイン会社を立ち上げたジョニー・アイブ氏はコンサルタントとしてAppleの自動運転車プロジェクトに関わっており、「車両のデザインの奇抜さを重視するあまり、センサーを隠そうとすべきではありません」とアドバイスしたとレポートでは述べられています。
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