Appleは早ければ2025年にも完全自動運転車をリリースか
Appleの自動運転車開発プロジェクト「プロジェクト・タイタン」についてはさまざまな情報が錯そうしていますが、新たに「早ければ2025年にも完全自動運転車をリリースする」とBloombergが報じています。
Apple (AAPL) Aims for Fully Autonomous Car - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-18/apple-accelerates-work-on-car-aims-for-fully-autonomous-vehicle
Apple now believes it can ship self-driving EV as soon as 2025, Bloomberg reports - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/11/18/apple-car-processor-timeline-features/
過去数年間、Appleはプロジェクト・タイタンの中で2つの選択肢を模索してきました。ひとつは「ステアリングと加速に重点を置いた、既存の『制限された自動運転機能』を持つ自動車」の開発で、もうひとつは「完全自動運転車」の開発です。
プロジェクト・タイタンの責任者が退任したことで、同プロジェクトの新しいリーダーに就任したケビン・リンチ氏のもと、Appleのエンジニアたちは完全自動運転車の開発に邁進しているとBloombergは報じています。なお、Bloombergの情報源となったのはプロジェクトに近しい匿名の人物です。
これまでプロジェクト・タイタンをリードしてきたタグ・フィールド氏は、自動車業界で長らく働いてきたという人物。一方、9月以降プロジェクト・タイタンの新しいリーダーに就任したリンチ氏は、Apple Watchのソフトウェア開発を担当してきた人物です。
2020年にはApple関連の予測やリーク情報でおなじみのアナリストのミンチー・クオ氏が、「Appleの自動運転車は早ければ2025年にも登場する」という予測を明らかにしていました。これと同じように、内通者も4年以内にAppleが自動運転車を発売すると話しています。
Appleの自動運転車は早くても2025年の登場になると有名アナリストが主張 - GIGAZINE
なお、Appleが2025年までに完全自動運転車をリリースできるか否かは開発チームおよびAppleの能力に依存するところ。2025年までに完全自動運転車が完成しない場合は、「リリース時期が遅れることになるか、自動運転機能が一部欠損したままリリースされることとなるでしょう」とBloombergは報じています。
Bloombergが入手した情報によると、Appleの理想とする完全自動運転車は車内にハンドルとペダルがなくなるように設計されているとのこと。さらに、Apple社内ではCanooのLIFESTYLE VEHICLEのようなラウンジシートの実装を検討している模様。他にも、Appleの自動車は車内の真ん中部分にiPadのような大きなタッチスクリーン式の車載インフォテインメントを搭載しており、同システムはAppleのさまざまなサービスやデバイスと密接に統合されているとのこと。なお、Appleは自動車にハンドルを搭載しない設計を検討していますが、緊急操縦システムの搭載も検討しているようです。
他にも、情報筋は「自動車の基礎となる自動運転システムの開発において、Appleは重要なマイルストーンに到達した」と語っています。詳細は不明ですが、Bloombergは「Appleは第1世代の自動運転車に搭載する予定のプロセッサのコア設計の多くを完了した」と述べています。なお、このチップはiPhoneやiPad、Mac向けにAppleが開発しているApple Silicon開発チームが設計している模様。
Appleはすぐに路上での自動運転機能のテストに入る可能性が指摘されており、新設計のチップと更新された自動運転センサーを使用した実地テストが予定されています。なお、カリフォルニア州の自動車局によると、Appleは自動運転技術のテストに69台のレクサスを利用しているとのことです。
Appleは独自の自動運転車の開発において、自動車メーカーとパートナーシップを結ぶものと見られています。一時はヒュンダイや起亜との提携の可能性が報じられていましたが、記事作成時点でAppleがどのメーカーと契約を結ぶのかは不明です。
このような状況であるため、「早ければ2025年」というタイムラインについてはAppleの社内から懐疑的な声も上がっています。
なお、Appleはプロジェクト・タイタンを加速するために多くのエンジニアを採用しており、元テスラの自動運転ソフトウェア開発ディレクターや、元ボルボの気候システム専門家、自動車メーカーのバッテリーシステムエンジニア、ゼネラルモーターズのセンサーエンジニアなども登用している模様。
この他、Appleは独自の自動運転車において、ヨーロッパで普及が進む電気自動車急速充電規格のCCSと互換性を持たせる可能性についても検討しているようです。これが実現すれば、Appleの自動車は既に広く普及している電気自動車向けの充電ステーションで充電できるようになるということになります。
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