ハードウェア

Amazonがルートを自分で決めて障害物も避けられる運搬ロボット「Proteus」を発表


Amazonがルートを自分で選択して障害物を避けながら荷物を運搬できるロボット「Proteus」を発表しました。他にも荷物を1個ずつカートにいれるロボットや超高速スキャンシステムなど複数のロボットシステムが発表されています。

Look back on 10 years of Amazon robotics
https://www.aboutamazon.com/news/operations/10-years-of-amazon-robotics-how-robots-help-sort-packages-move-product-and-improve-safety

◆ルートを自分で選択できる運搬ロボット「Proteus」
Amazonの倉庫では自律走行ロボットが重たい荷物を人間に代わって運搬しています。しかし、これらのロボットには決められたルートしか移動できないという問題がありました。Amazonが新たに発表したProteusは、周囲の状況を認識してルートを柔軟に変更することが可能で、障害物を検知して一時停止する機能も搭載されています。

Proteusがどんなロボットなのかは、以下のムービーを再生するとよく分かります。

Meet Amazon's first fully autonomous mobile robot - YouTube


カートの下に移動している緑色のロボットがProteusです。Proteusの前方からは緑色の光線が出ています。


カートの下に潜り込んだProteusは、そのままカートを持ち上げて走り去りました。


Proteusの前方には目のようにパチパチ瞬く部品が取り付けられています。


前方に人間が立ちふさがると一時停止し……


人間が立ち去ると移動を再開しました。


◆積み上がった荷物を整理整頓する「Cardinal」
Amazonは荷物を認識してカートに分類するロボット「Cardinal」も発表しています。

Meet the Amazon robot improving safety - YouTube


ゴロゴロ流れてくる複数の荷物。


Cardinalには高精度な画像認識システムとAIが搭載されており、乱雑に積み上がった荷物から1個を選択して持ち上げられます。


持ち上げられた荷物はラベルの指示通りのカートに積まれます。


縦に転がった箱でも問題なく運べます。


Cardinalが荷物を積んでいる所にProteusがやってきて……


カートを運び出していきました。


すかさず他のProteusが空のカートを運んできます。


Amazonによると、Cardinalは最大50ポンド(約23kg)の荷物を運べるとのこと。Cardinalは、記事作成時点ではプロトタイプをテスト中で、2023年には業務利用を開始する予定としています。

◆超高速スキャンシステム「Amazon Robotics Identification」
Amazonでは、在庫棚から出荷用棚に荷物を移動させる際は、手動で荷物のスキャンを行っています。


Amazonは荷物のスキャンを高速化するために、新たに毎秒120フレームのカメラを用いたスキャンシステム「Amazon Robotics Identification」を開発しました。

Amazon employee-led feedback inspired the creation of this robot - YouTube


従業員がカートから棚へ荷物を移動させると……


画面奥に映るモニターの表示が黄色から緑に変化しました。人間が荷物をスキャナーの前にかざす必要はなく、荷物を運ぶという自然な動作だけでスキャンが完了する様子。「モニターの前ではゆっくり動く」などの特殊な操作は必要なく、スムーズに荷物を移動させられるようです。


◆コンテナを自動運搬する「Containerized Storage System」
上述のProteusはカートを自動運搬するロボットでしたが、Amazonはコンテナを自動運搬するシステムも開発しています。

Amazon's newest robot has improved safety in the workplace - YouTube


コンテナを積んで動き回る青色のロボットと、棚からコンテナを下ろすオレンジ色のロボットが映っています。


青色のロボットとオレンジ色のロボットは非常にスムーズにコンテナを受け渡します。


ロボットがコンテナを運んで来てくれるので、従業員は高いハシゴを登るような危険な作業をする必要がなくなります。


なお、Amazonは「『Amazonは人間の仕事をロボットに置き換えようとしている』という臆測が報じられてきましたが、私たちはロボットと人間の二者択一ではなく、人間とロボットが調和して一緒に働く未来を目指しています」と述べています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1o_hf

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