完全無人の自動運転タクシーを商業展開する認可をGM傘下の「クルーズ」が取得
by Cruise
アメリカの自動車メーカー・ゼネラルモーターズ(GM)傘下で自動運転車開発を手がける「Cruise(クルーズ)」が、サンフランシスコの一部地域で「有料の無人運転タクシー」を展開する最終承認を受けました。これにより、クルーズはアメリカの主要都市で初めて「商業的な無人配車サービス」を展開することとなります。
We're going commercial. - Cruise
https://www.getcruise.com/news/were-going-commercial
Cruise can finally charge for driverless robotaxi rides in San Francisco | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/06/02/cruise-can-finally-charge-for-driverless-robotaxi-rides-in-san-francisco/
Cruise gets green light for commercial robotaxis in San Francisco
https://www.cnbc.com/2022/06/02/cruise-gets-green-light-for-commercial-robotaxis-in-san-francisco.html
2016年にGMが買収したクルーズは、電気とバッテリーで駆動するシボレー・ボルトEVに自動運転機能を搭載した自動運転車を開発しており、Microsoftからも20億ドル(約2600億円)規模の出資を受けています。
2020年にサンフランシスコの公道で乗客を乗せない状態での無人運転テストを実施したクルーズは、2021年11月にカイル・フォークトCEOを乗せて走行し、2022年2月から一般乗客向けに無料の無人配車サービスを開始しました。2月から始まった無人配車サービスは乗客から料金を請求することはなく、交通量の少ない22時30分~5時までの時間帯に限定し、サンフランシスコの一部地域のみで提供されていました。
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なお、4月には無灯火で走っていたクルーズの自動運転車が警察官に呼び止められる事態も発生しています。
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そして2022年6月2日、クルーズはカリフォルニア州公共事業委員会(CPUC)から「有料の無人配車サービス」を展開する最終認可を得たと発表しました。クルーズはこれを受けて、アメリカの主要都市で初となる商業無人配車サービスを運営する企業になるとのこと。なお、Googleの兄弟企業であるWaymoもCPUCから有料自動運転タクシーの認可を受けていますが、こちらは「人間の安全運転者が同乗している限り、タクシーの乗車料金を請求できる」という制限が付いています。
CPUCの認可を得たクルーズは最大30台の自動運転車を保有・展開することが可能となり、サンフランシスコの一部地域で22時~6時の時間帯に限定し、最高時速30マイル(約46キロメートル)の配車サービスを運営する予定です。クルーズの広報担当者はテクノロジー系メディアのTechCrunchに対し、「私たちは無人配車サービスが市全域で24時間365日利用できるようになるまで、展開地域・営業時間・一般市民に料金を請求する能力を今後数カ月で拡大していきます」と述べました。
なお、サンフランシスコの交通当局や火災予防調査局、障害者のための市長執行室、警察機関などのグループは、クルーズの認可に関するCPUCの決定には明確さが欠けているとの懸念を示しています。グループは、クルーズの車両が縁石まで余裕があっても走行車線内にしか停車せず、乗客が乗り降りする際に交通の邪魔になることで、緊急対応車両や障害者、高齢者、サイクリストなどの道路利用者に危険をもたらす可能性があると主張しています。
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