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ついに中国のデジタル人民元「e-CNY」を8億人以上の利用者を抱えるWeChat Payが追加へ


テンセント傘下で中国最大のメッセージングアプリであるWeChatが提供する決済サービス「WeChat Pay」が、中国政府が発行するデジタル人民元(e-CNY)への対応を開始することが明らかになりました。WeChat Payは8億人以上の月間アクティブユーザー数を抱えているといわれており、e-CNYの世界的な普及を大きく後押しする可能性があります。

Tencent opens its WeChat Pay wallet to digital yuan - Chinadaily.com.cn
http://www.chinadaily.com.cn/a/202201/06/WS61d660bfa310cdd39bc7f7ba.html

China's digital currency comes to Tencent's WeChat in expansion push
https://www.cnbc.com/2022/01/06/chinas-digital-currency-comes-to-tencents-wechat-in-expansion-push.html

e-CNYの発行主で中国の中央銀行である中国人民銀行は、これまでe-CNYをごく一部の都市で、ごく一部の市民に少量のe-CNYを配布する抽選会を行い、限定的な社会実験を行ってきました。具体的な時期は未定ですが、中国人民銀行はe-CNYの利用を拡大しようと考えている兆しがあります。2021年12月には、上海市にあるマクドナルドに対してe-CNYを使えるように圧力をかけていたと報じられています。

マクドナルドに対してデジタル人民元の導入テストを拡大するよう中国政府が圧力 - GIGAZINE


今回e-CNYの対応を発表したWeChat Payは、WeChatが提供するモバイル決済サービスです。WeChatは中国以外のユーザーにはほとんどなじみのないアプリですが、メッセージング機能のほか、配車や料理のデリバリーも注文できるなど、日常生活のさまざまな場面で役立つアプリとなっており、世界中で10億人以上のユーザーがいるとされています。また、WeChat Payの月間アクティブユーザー数は8億人にのぼるとのこと。

by Albert Hsieh

中国ではWeChat Payと、アリババ傘下のAntグループが運営するAlipayがモバイル決済市場を独占しており、2021年にはAlipayもe-CNYに試験的に対応しました。中国人民銀行は2022年1月に中国の特定地域や一部都市のユーザー向けにe-CNY決済アプリを一般公開していますが、経済アナリストのLinghao Bao氏は、「中国の消費者はWeChat PayとAlipayにどっぷりと漬かっているので、新しいモバイル決済アプリに切り替えるように説得するのは現実的ではありません」と述べています。

なお、大手経済メディアのCNBCは「中国がe-CNYの利用拡大を焦っている理由は、2022年2月に開催される北京2022 冬季オリンピックを控えているからである可能性が高い」と指摘しています。

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in メモ,   モバイル, Posted by log1i_yk

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