AppleでMacのM1チップ移行を主導したエンジニアリングディレクター「ジェフ・ウィルコックス」がIntelへ移籍

AppleはMacで長らくIntel製チップを採用してきましたが、iPhoneのように独自開発のSoCに移行する計画を2020年6月に開催されたWWDC 2020で発表。その後、Apple初のMac向け独自シリコンとなる「M1」チップが発表され、同チップは海外メディアから「コンピューティング革命」「信じられない偉業」などと絶賛されました。そんなM1チップの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏が、Intelに引き抜かれAppleを離れたことが明らかになっています。

Intel Poaches Apple Engineer Responsible for Arm Transition and M1 Chips | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/intel-poaches-apple-engineer-responsible-for-arm-transition-and-m1-chips

Apple engineering director responsible for leading M1 transition departs for Intel - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2022/01/06/apple-engineering-director-m1-intel/

AppleでMacのシステムアーキテクチャ担当ディレクターを務めたジェフ・ウィルコックス氏が、同社を退職し、Intelで新しい職を得ていたことが明らかになりました。ウィルコックス氏はビジネスSNSのLinkedIn上で自身の新しい職について言及しており、「IntelのクライアントSoCアーキテクチャ、デザインエンジニアリンググループのCTO、Intelフェローという役職を得たとお知らせします。画期的なSoC開発を支援するために、素晴らしいチームへ戻って協力できること以上に興奮することはありません」と述べました。

ウィルコックス氏は長らく半導体業界でキャリアを積み上げてきたという人物。同氏は1年半NVIDIAで働いたのち、2010年から2013年までIntelでAtomプロセッサの電源管理アーキテクトとしてキャリアを積み、その後、Appleへ移籍。AppleではMacシステムアーキテクチャ担当ディレクターとして8年間過ごし、Apple初のApple SiliconであるM1チップの開発を主導しました。ウィルコックス氏のIntel移籍を最初に報じたTom's Hardwareは、「Intelでの新しい役職はApple在籍時のものと同じもののように感じます」と記しています。

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Intelによるウィルコックス氏の引き抜きについて、Tom's Hardwareは「今回の引き抜きは、Intelが新しいCEOとしてパトリック・ゲルシンガー氏を迎えて以来、同社が行ってきたヘッドハンティングのひとつに過ぎません。同氏の指導の下、Intelは競合他社であるAMDやNVIDIA、Appleといった企業から人材を引き抜いており、特に高性能グラフィックスアーキテクチャの立ち上げに向けた人材の確保に焦点を当てています。また、Intelは新しい人材確保のために24億ドル(約2800億円)の投資を行い、報酬体系を強化しています」と記しています。

Apple関連メディアの9to5Macは、「Appleは過去2年間でシリコンチームから少数のエンジニアを失っています。最も注目すべきは、Appleを離れた3人のエンジニアがNuviaというチップ会社を立ち上げ、最終的にQualcommに買収されたという点です。Appleは現在、このNuviaを立ち上げたエンジニアのひとりとの法廷闘争に巻き込まれています」と報じ、「ウィルコックス氏の離脱がApple Siliconの開発に与える影響は不明です」としました。

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