AMD Ryzen設計者の天才ジム・ケラーがテスラを辞めてIntelへ電撃移籍


AMDでAthlon(K7)やRyzenの開発を主導した天才プロセッサデザイナーのジム・ケラー氏が、テスラを辞めてIntelに電撃移籍したことが明らかになりました。

Jim Keller Joins Intel to Lead Silicon Engineering | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/news-releases/jim-keller-joins-intel-lead-silicon-engineering/

DEC、AMD、Appleなどを経てきたケラー氏は、AMDでAthlon(K7)やAthlon 64を開発してIntelを倒したことで知られる、プロセッサ設計では天才との呼び声が高い人物です。ケラー氏はAppleではA4やA5の設計やMacBook Airの開発に関わったことでも知られています。

2012年に古巣AMDのリサ・スーCEOに呼び戻されたケラー氏は、期待通りの手腕を発揮し新マイクロアーキテクチャー「Zen」シリーズを設計し、その後のRyzen・EPYCによるAMD復権に大きく貢献。そんな経歴から、ケラー氏はAMD在籍中にIntelを2度倒した男と言えるかもしれません。


ZenやZen2の基本設計を終了した後、ケラー氏はテスラに移籍しハードウェア担当副社長に就きオートパイロット機能の開発に携わってきました。また、テスラがAMDと自動運転向けの独自チップを開発していることが報じられ、ケラー氏が関与していると予想されていました。

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テスラ移籍から1年2カ月後の2018年4月26日に、ケラー氏がSoC開発などシリコンエンジニアリング全般を指揮する上席副社長に就任したことをIntelが発表しました。ケラー氏はIntel移籍について「テスラで素晴らしい体験をし多くのことを学びました。将来テスラから登場する素晴らしい技術を楽しみにしています。生涯を通じて私は情熱を『世界最高のシリコン製品開発』にかけてきました。コンピューティングが向かう方向によって、今後10年間に世界は大きく変わり得るでしょう。Intelチームに参加して将来のCPU・GPU・アクセラレータなどデータセンターコンピューティング時代のための製品を開発することに興奮しています」と述べています。プロセッサの設計上の脆弱性「Spectre」問題を抱えるIntelは、Intelを2度倒した男に次世代のマイクロプロセッサ開発を託したようです。

すでにIntelはAMDのGPU部門トップを務めていたラジャ・コドゥリ氏を招き入れていました。今回のケラー氏の加入によって、AMDは奇しくも2年前のCPU開発&GPU開発の責任者をライバルIntelに奪われた格好です。

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また、死亡事故の発生でオートパイロットの信頼性が揺れているテスラにとっても、ケラー氏を失うことは痛手となりそうです。

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