オスのタコが交尾に必要な1本の腕を必死に守っていることが判明

成熟したオスのタコには、精子の入った精包を受け渡すために特化した「交接腕」が存在します。長崎大学の晴木啓二朗氏らの研究で、マメダコという小型のタコが交接腕の欠損リスクを回避していることが分かりました。
Male Octopus Avoid Using Hectocotylized Arm Under Situations With Unpredictable Risks - Haruki - Ethology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/eth.70073
マメダコの雄は繁殖に不可欠な交接腕を本当に守っているのか?―実験が示した“選択的に守る行動”―|長崎大学
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science447.html
The lengths male octopuses go to protect the arm they need to mate
https://phys.org/news/2026-04-lengths-male-octopuses-arm.html
頭足類はしばしば腕を失うことがありますが、交接腕の欠損率は他の腕と比較して低いことが先行研究で明らかになっていました。
晴木氏らが長崎県沿岸でマメダコを採集して調べたところ、自然環境ではタコの78%が少なくとも1本の腕を失っていることが分かりました。しかし、オスは交接腕を失う割合が著しく低かったのに対し、メスはオスであれば交接腕がある位置(右第3腕)の腕も他と同じ割合で失っていたとのこと。
交接腕は他の腕で代替が効かず、欠損するとほとんどの場合死ぬまでに子孫を残せないことから、タコ自身が交接腕を守る行動をしているのではないかと推測されましたが、実際にどうやって交接腕を守っているのかは明らかではありませんでした。

そこで、晴木氏らはマメダコを使用した2つの実験を行いました。
1つ目の実験では、水槽内にタコと釣り用の重りを設置し、タコがどの腕を使って重りを触るのかを調べました。この実験では、メスが全ての腕でまんべんなく重りに触れたのに対し、オスは交接腕を全く使わないことが判明しました。

2つ目の実験では、中身が見えない暗い穴にエビの切れ端を入れ、タコがどの腕を穴に入れるのかを調べました。これは、穴の中に餌があるのか、それとも腕を噛みちぎるかもしれない捕食者がいるのか分からないという自然環境の状況を再現したものです。この実験では、オスが交接腕を挿入する頻度とメスが右第3腕を挿入する頻度に有意な差はみられませんでしたが、交接腕を初めて挿入する前に他の腕を挿入する時間はオスの方が有意に長かったとのことです。
これらの実験から晴木氏らは、「予測不能なリスクがある状況において、マメダコのオスは他の腕よりも交接肢を保護することを強く示唆しています」と指摘。「本研究の意義は、マメダコの雄が捕食(つまり死)から単に逃げるだけでなく、将来の繁殖成功を確保するために繁殖に不可欠な体の一部分を選択的に守るという行動を実証した点です」と述べました。
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in サイエンス, 生き物, Posted by log1p_kr
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