ペニスが最も大きい動物は何なのか?
自分のペニスが一般的な男性と比べてどれほどの大きさなのかを気にする人も多いかもしれませんが、「他の動物」とペニスの長さを比較してみた人は少ないはず。人気YouTubeチャンネル・RealLifeLoreから派生した動物関連のトピックを扱うチャンネル・BioArkが、「最も大きなペニスを持つ動物は何か?」という疑問についてのムービーを公開しています。
Which Animal Has the Biggest Penis? - YouTube
ムービーは、そもそもペニスという存在が「メスや雌雄同体の体内に挿入して精子を届ける器官」であるという指摘からスタート。
多くの動物において、ペニスは精子を送達するために特異的に使用される器官です。
しかし、哺乳類のペニスは例外的に、尿を排せつする器官としての役割も持っています。
また、全ての動物がペニスを持っているわけではありません。たとえば、当然ながらメスはペニスを持っていません。
また、クモのオスもペニスを持っていません。クモのオスは触肢という短い脚のような器官に精液を蓄え、交尾の際にメスの生殖器に挿入します。触肢は交尾のためだけでなく、感覚や摂食を補助するためにも用いられるとのこと。
ペニスが役割を果たすにはメスの生殖器に挿入する必要がありますが、その際にはしっかりと勃起していなくてはなりません。
哺乳類の中でも有袋類やウマ、ハイエナ、人間などが勃起のメカニズムを有しています。
ペニスの海綿体に血液が集まって勃起することで、挿入可能な硬さを得ることができます。
しかし、海綿体が充血することで勃起するシステムは準備に時間がかかるため、常に捕食される危険のある自然界で比較的弱い立場の動物が用いるには不便です。そこで一部の哺乳類は、陰茎骨と呼ばれる骨を使ってペニスの硬さを保ちます。
陰茎骨は多くのサル目やネコ目、コウモリ目、ネズミ目、モグラ目などが有しており、イヌも陰茎骨を持っていることで有名です。
陰茎骨の大きさは動物によってさまざまですが、中でも大きな陰茎骨を持つセイウチではなんと最大で75cmに達するとのこと。
陰茎骨から離れて純粋にペニスの長さについて考えると、やはり地球上で最も大きな動物であるシロナガスクジラのペニスが最長であり、長さ2.4m~3mほどになるとBioArkは述べています。
ちなみに、陸上で最も大きな動物であるゾウのペニスは最大で1mほどだそうです。
しかし、シロナガスクジラのペニスは長さと比べると細く、直径はわずか30~36cmほどと非常に細長い形状をしています。
非常に長いペニスを持つシロナガスクジラは射精の量も多く、1回の射精でおよそ15リットルほどの精子を出すとのこと。
ちなみに、シロナガスクジラのペニスは体長の8分の1程度の長さであり、身長の12分の1程度である人間よりも比率的に大きなペニスを持っていると言えます。
体長との比率という点について考えると、シロナガスクジラではなく「シロナガスクジラの表面に生息する動物」に着目するべきだとBioArkは指摘。
それは、岩や大型水生動物、船などの表面にくっつくフジツボです。
フジツボは貝のように見えますが、エビやカニなどと同じ甲殻類の一種です。基本的に貼り付いたまま動くことがないフジツボは単体でも生殖活動が可能な雌雄同体ですが、通常は近接する個体と交尾を行います。
この際にフジツボが使用するのが、チューブ状の非常に長いペニスです。フジツボは自身が岩に貼り付いたまま付近の個体にペニスを延ばして射精する必要があるため、ペニスの長さは体長のおよそ8倍もあるとのこと。
また、体長と比較して非常に長いペニスを持っている動物として、水鳥のカモが挙げられます。一般的に鳥類はペニスを持ちませんが、カモは水まきホースのようにくるくると巻き上げ可能なペニスを持っています。
中でもコバシオタテガモというカモは非常に長いペニスを持っており、平均的な個体でも体長の半分ほどの長さとのこと。
なお、成体のコバシオタテガモは体長36~46cmほどで、一般的な個体は20cmほどのペニスを持っています。
これまでに発見されたコバシオタテガモの中で最も大きなペニスは、なんと42.5cmもの長さがあったとのことです。
もし人間が同じ比率のペニスを持っていた場合、脚立などに上らないとペニスが地面にぶつかってしまいます。
また、タコやイカなどの頭足類は、交接腕と呼ばれるペニスの役割を果たす腕を持っており、この交接腕も一般的に本体より長く発達します。
オスがメスよりもはるかに小さい一部の頭足類では、切断した交接腕をメスの生殖器に残すことで卵子を受精させるそうです。
また、奇妙なペニスを持つ動物として挙げられるのがハリモグラです。ハリモグラのオスは4つ又になったペニスを持っており、メスは2つの子宮を持っているとのこと。
オスは交尾の際、4本あるペニスのうち2本を使ってメスを受精させるそうです。
そして、BioArkが「理論的に最も長いペニスを持っている動物」と主張しているのが、西太平洋や南太平洋に生息するチリメンウミウシです。
チリメンウミウシのペニスは約3cmほどの長さ。これだけでは単純な長さとしても体との比率としても動物界で最長とは言えません。
しかし、チリメンウミウシのペニスはなんと「使い捨て」であり、交尾後にペニスを切り離し、24時間以内に交尾可能なペニスを再生させることが判明しています。
つまり、切断と再生を繰り返せば「通算のペニスの長さ」は2週間ほどで人間のペニスを上回ります。
そして、1年でシロナガスクジラのペニスを上回るとBioArkは主張しています。
もしチリメンウミウシの寿命が無限であった場合、400億年で地球から太陽までの距離と同じ長さのペニスを持つことすら可能だとのことです。
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in サイエンス, 生き物, 動画, Posted by log1h_ik
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