PCゲーマーはただちにWindows 11にアップグレードするべきなのか?
MicrosoftがリリースしたWindows 11は、グラフィックを美麗化する「Auto HDR」や、ゲームの読み込みを高速化するAPI「Direct Storage」などのゲーム機能を強化する新機能を備えています。これらの機能を踏まえ、「ゲーマーにとってWindows 11へのアップグレードすることは有益なのか」という点について、技術系メディア・Ghacksのマーティン・ブリンクマン氏が解説しています。
Should you upgrade to Windows 11 for gaming? - gHacks Tech News
https://www.ghacks.net/2021/10/18/should-you-upgrade-to-windows-11-for-gaming/
Windows 11に導入されたAuto HDRは、DirextX 11以降で構築されたSDR(スタンダードダイナミックレンジ)のゲームをHDR対応のディスプレイでプレイする際、自動的にダイナミックレンジを向上させて描画する機能。Direct Storageは、NVMe SSD搭載のPCにおいて、CPUを経由せずにデータをストレージから直接GPUに読み取らせることで、ゲームの読み込みを大幅に高速化する機能です。
ブリンクマン氏は「Direct StorageはWindows 10にも導入されたため、この点に関してWIndows 10とWindows 11に違いがあるとはいえません。さらに、Direct Storageの導入には高価なNVMe SSDが必要であり、ゲーム側にもDirect Storage APIが実装されている必要があります」と指摘しています。
ブリンクマン氏がWindows 11でいくつかのゲームをプレイしたところ、Far Cry 5やForza Horizon 4において、高グラフィック設定で問題なく動作し、安定して60FPSを維持していたとのこと。ただし、ブリンクマン氏は「全体として、Direct Storageを利用しない限り、Windows 11が提供するゲーム体験はWindows 10と同じだと思います」と評価。「ゲーマーは、Windows 10からWindows 11にアップグレードしてもほとんど違いに気付かない可能性があります」と述べました。
また、Auto HDRについてブリンクマン氏は「唯一の独自機能ですが、恩恵を受けるにはHDRをサポートするディスプレイが必要であり、たとえAuto HDRを有効にしたとしても視覚的にあまり印象的ではない可能性があります」と指摘しました。
ブリンクマン氏は「ゲームに関しては、今のところWindows 11とWindows 10の間に実質的な違いはありません。また、Windows 11ではAMD製CPUのパフォーマンスが低下する問題も報告されています」「PCゲームの観点からは、現時点で得られる利益が薄いため、Windows 11に急いでアップグレードする必要はありません。ただし、もしアップグレードする場合は、主要な問題が解決するまで待ってからアップグレードすることをおすすめします」と述べました。
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