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Amazonの自走式家庭用ロボット「Astro」の海外レビューがさっそく登場


2021年9月28日、Amazonは音声認識アシスタントのAlexaを搭載した世界初の家庭用見守りロボット「Astro」を発表しました。Astroを2週間試用したというFast Companyのライターであるカロライナ・ミラネージ氏は、「Astroは驚くほど愛情深く、ペットや階段などの危険を正確に回避します。しかし、私はまだこれをどう使うべきかわかりません」と評しています。

Hands on with Amazon’s Astro home robot
https://www.fastcompany.com/90682103/amazon-astro-home-robot-hands-on


Astroはモニター付きの自律走行可能なロボットで、搭載しているモニター上でビデオ通話をしたり、Amazonの監視カメラ付きドアベル・Ring代わりに留守番をしたりすることが可能。アメリカでは招待制の購入申込みを受け付けている段階で、販売価格は999.99ドル(約11万円)です。

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2021年8月にAstroのテスターに選ばれたというミラネージ氏によると、Astroを受け取る前に家のサイズや階段、段差、天井から床までの高さ、鏡やガラスのドアの有無などをAmazonに伝える必要があったとのこと。これはAstroが家の中の地図を作成する機能を有しているためです。

Astroを迎え入れる際、ミラネージ氏は「充電ステーションを簡単にアクセスできる場所に設置する必要がありました」と語っています。一度充電ステーションを設置すると、Astroは家の中をマッピングし、その後、家の中を自由に走行可能となるそうです。マッピング時、Astroは階段を自動で検知することに成功したそうですが、廊下に置かれた鏡は正しく検知できなかったそうで、鏡の下半分を布で隠す必要があったとのこと。マッピング時の注意事項として、ミラネージ氏は「家が整頓されていて明るい必要がある」と記しています。

マッピングが完了すると、家の中の各部屋に名前を付けることで、「リビングへ移動して」や「キッチンにきて」といった命令をAstroが受けられるようになるとのこと。なお、マッピングが完了したのちは段差や鏡がAstroの動作の邪魔になることはなかったそうです。


ミラネージ氏は2匹の大型犬と3匹のネコを飼っていることの方が「Astroを迎え入れるうえでの大きな懸念だった」と語っていますが、実際には「Astroは犬やネコの前でジグザグ走行し、それが何かを理解しようとしていました。Astroの移動速度は前方の障害物の有無により大きく異なっています。Astroに後ろをついてくるよう命令し、意図的に障害物のあるルートを選択すると、安全に曲がることができる十分なスペースがない場合は注意を怠り別のルートを選択します。これは幼児が歩くことを学び、歩くための情報処理を行っている様子を見ているかのようです」と記し、不完全ながらもAstroが部屋の中を動き回ったりペットとたわむれたりする様子は微笑ましかった、としています。

また、Astro発表後の開発者へのインタビューで「階段の認識と処理に問題があるため、確実に2階から身投げしてしまうことだろう」というコメントが得られていたのですが、ミラネージ氏の試用期間にAstroが階段から身投げすることはなかったそうです。

Astroはユーザーの顔を認識することができるため、あいさつをパーソナライズすることもできます。朝にAstroのいる部屋に入ると、「おはようカロライナ!」と元気にあいさつしてくれるそうで、これもAstroの愛嬌のある要素のひとつであるとのこと。

また、顔を登録していないユーザーが部屋にいる場合をテストしたところ、Astroは潜望鏡カメラを使ってじっくりと侵入者の顔を撮影し、その後、ミラネージ氏のスマートフォンに警告を通知したそうです。ミラネージ氏は「実際の侵入者がAstroの潜望鏡カメラを壊さないとは思えませんが、このプロセスは家庭内セキュリティ監視サービスとしては十分なものです」と記しました。


ただし、ミラネージ氏は2週間の試用期間を経て「複雑な気持ちになった」と語っています。その理由は、「映画『ウォーリー』に登場するウォーリーのように愛らしく動き回るAstroに夢中になり、Amazonのサービスを愛用する人を世話する役に立つと確信しました。さらに、Astroがどれだけの技術を詰め込んでいるかを考えれば、1000ドルという価格も妥当です」としつつも、「結局、私は日常生活でAstroをどのように使うか確信を持てませんでした」と語り、Astroを購入する決め手となるような機能がないと指摘しています。

海外メディアのCNETがAmazonに確認したところによると、オフボタンを押すだけでAstroのマイク・潜望鏡カメラ・深度センサーを切断することが可能で、Astroがムービーを録画したりオーディオを録音したりしないようにできるそうです。

Astroは音楽を再生したり、家の中の人をリモートでチェックしたり、電話をかけたり、メッセージを送信したり、タイマー・アラーム・リマインダーを設定したりすることも可能ということで、CNETはAstroを「車輪付きのAlexa」と評しています。


なお、Astroのスペックは以下の通りです。

サイズ:本体:42.4cm×24.9cm×43.9cm、充電ステーション:27.9cm×26.4cm×12.7cm
重量:9.3kg
バッテリー:45分でフル充電可能
カメラ:132度の視野角を持つフルHD(1920×1080ピクセル)の潜望鏡カメラ(約1メートルの伸縮が可能)、モニターのベゼル部分に5メガピクセルのカメラ
ディスプレイ:10インチHD(1280×800ピクセル)タッチスクリーンディスプレイ
Wi-Fi:デュアルバンド802.11 a/b/g/n/ac
オーディオ:フロントファイアスピーカー&パッシブベースラジエーター
プロセッサ:Qualcomm QCS605×2、Qualcomm SDA660×1、Amazon AZ1 Neural Edge×1
付属品:本体、カーゴビンライナー&カップホルダー、充電ステーション&電源ケーブル、クイックスタートガイド、ウェルカムキット
要件:Amazonアカウント&iOS 13以降あるいはAndroid 8以降を実行している互換性のあるモバイル端末&Astroアプリ、屋内使用のみ、Bluetooth接続をサポート、USB-Cポート搭載、1年間の製品保証

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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