Twitchで視聴者に電話番号とメールアドレスの認証を求めることが可能に、複数アカウント対策も万全
by eep! [Theory Propaganda]
かねてから差別的な言動による「ヘイト攻撃」やボットによる嫌がらせ行為などへの対策を行ってきたライブストリーミング配信プラットフォームのTwitchが2021年9月29日に、チャットユーザーの認証機能を開始したと発表しました。これにより、チャンネルの管理者がチャットの参加者に電話番号やメールアドレスによる認証を求めたり、認証を拒否したユーザーの参加を禁じたりすることができるようになります。
Securing your Chat with Phone and Email Verification | Twitch Blog
https://blog.twitch.tv/ja-jp/2021/09/29/securing-your-chat-with-phone-and-email-verification/
Twitchに新しく追加された認証機能は、「ダッシュボード」の「設定」にある「モデレーション」タブから設定することができます。ここでは、メールアドレスと電話番号による認証を有効にしたり無効にしたりすることができるほか、認証を要求するユーザーを細かく指定することも可能です。なお、この認証機能はチャットの見つけやすさに影響を与えないため、認証機能を有効にしても参加者の流入が減るといった心配はないとのこと。
Twitchは、認証のために登録されたメールアドレスや電話番号の保護体制について、「インターネットのセキュリティに絶対はありませんが、Twitchはユーザーの情報の完全性と安全性を守るために、徹底した管理体制やセキュリティ技術、物理的な手段などを組み合わせた充実した対策を講じています」と説明しています。
ユーザーが複数のアカウントを保有していることも想定されており、電話番号1つにつき5つまでのアカウントを認証登録することができます。この場合、電話番号で認証されたアカウントがTwitchで利用停止になると、同じ電話番号を使っている他のアカウントも利用停止になります。また同様に、電話番号やメールアドレスで認証されたアカウントが特定のチャンネルから追放されると、その電話番号やメールアドレスに紐付けされたすべてのアカウントが、そのチャンネルから追放されます。
ログインするたびに電話番号認証が求められる2段階認証とは違い、チャンネルへの認証は1回で済みます。また、認証はTwitch全体で有効なため、チャンネルに参加するたびに認証が求められるということはありません。
なお、電話番号での認証にはSMSを使うので、SMSが利用できない固定電話では認証ができません。また、複数の電話番号が簡単に使えるIP電話も、認証には使えないようになっています。そのため、携帯電話の電話番号を持っていない人は、電話番号での認証を要求しているチャンネルには参加できないとのこと。ただし、VIPやモデレーターといった役割を持つユーザー、サブスクライバー、一定期間フォローしているユーザーなどの認証を免除する設定項目もあるため、そうした設定をしているチャットであれば、携帯電話を持っていない人でも参加できます。
Twitchは今後の取り組みについて、「オンライン上の嫌がらせやヘイト行為が1つの対策で解決することがないのと同じで、Twitchの安全性を高めるという取り組みに終わりはありません。しかし、悪質な行為が私たちのコミュニティ内に入り込む可能性がある限り、私たちはそれを困難にする方法を開発する必要があり、今後もそれを続けるつもりです」と述べて、数カ月以内にさらなる嫌がらせ対策を発表する考えを示しました。
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