中国版TikTokが14歳未満の子どもの使用時間を「1日40分」に制限すると発表
ショートムービー共有SNSのTikTokは、中国本土では「抖音(Douyin)」というアプリとして展開されています。中国で子どもがオンラインゲームなどに費やす時間を制限する動きが強まっている中、新たにTikTokやDouyinを運営するByteDanceが「14歳未満のDouyinユーザーの使用時間を『1日40分』に制限する」と発表しました。
抖音14岁以下实名用户已全部进入青少年模式
https://mp.weixin.qq.com/s/zp43DhzwanDApoPCIgCvJQ
Chinese version of TikTok limits kids under 14 to 40 minutes per day, adding to fight against internet addiction | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/policy/article/3149397/chinese-version-tiktok-limits-kids-under-14-40-minutes-day-adding-fight
Douyin, the Chinese version of TikTok, is limiting kids to 40 minutes a day - CNN
https://edition.cnn.com/2021/09/20/tech/china-tiktok-douyin-usage-limit-intl-hnk/index.html
世界各国でTikTokが人気となっているのと同様に、中国ではDouyinが強い人気を集めており、2020年11月の時点で4億9000万人のユーザーがいたとの調査結果も報告されています。ところが、ByteDanceは2021年9月18日に発表した声明で、Douyinを利用する14歳未満の実名ユーザー向けに「青少年模式(青少年モード)」を導入し、子どもの利用時間を制限することを発表しました。青少年モードのユーザーはDouyinにアクセスできる時間帯が6時~22時に制限され、利用時間も「1日40分」が上限になります。
14歳未満の実名登録ユーザーは自動的に青少年モードに切り替わり、1日40分の利用時間を超えると以下の画像右側のように「休息一下把(休憩する)」というメッセージが表示され、翌日になるまで動画が見られなくなります。Douyinを利用する子どもの全員が実名登録をしているわけではありませんが、ByteDanceは声明の中で、保護者が子どもの実名登録を完了するように促しています。
青少年モードでは利用時間の制限を設けるだけでなく、興味深い科学実験や歴史に関する動画・博物館のギャラリーツアーなど、より教育的なコンテンツも用意されているとのこと。ByteDanceは声明の中で、「これらのコンテンツが子どもたちの特定分野に対する興味をそそり、動画から何かを学んだり得たりできることを望んでいます」と述べています。
ByteDanceの発表は、未成年者が各種サービスに費やす時間を制限する動きを強める中国当局に歩調を合わせたものです。中国当局は2021年8月30日に、「18歳未満の子どもおよび10代の若者は、週に3時間までしかオンラインゲームをプレイできない」とする新しい規則を発表しました。この規則では、若者がオンラインゲームをプレイできるのは週末と法定休日の3日間、1日1時間(20時から21時まで)に制限されています。
「週3時間以上のオンラインゲームを禁止」する規則が登場、ゲームが許されるのは1日1時間×3日のみ - GIGAZINE
これまでのところ、中国当局はTikTokなどの利用時間を明確に規制しているわけではありません。しかし、2021年6月1日には改正された「未成年者保護法」が施行され、SNSを含むオンラインの事業者に対して「時間管理・コンテンツ制限・未成年者の消費制限などの機能を設定しなければならない」と定められたことから、ByteDanceは早めに自主的な規制を設けたとみられています。
子どもの利用を制限することでDouyinの収益に影響が出ることも懸念されていますが、コンサルタント会社のiResearchによると、2021年3月にはDouyinユーザーに占める24歳以下の割合が30%を切っており、ユーザーの年齢層は若者に限らないとのこと。また、メディア調査会社のCMMRの調査では、Douyinユーザーのうち4~12歳は0.34%、13~19歳は4.18%に過ぎないとのことで、青少年モードの導入はそれほど痛手にはならないとする見方もあります。
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