マジック:ザ・ギャザリングのおかげで日本語をマスターしたという体験談

愛媛の語学学校で日本語を学び「中上級レベル」の資格を獲得したものの、資格試験の日本語と実際の生活や業務で使う日本語は全く別物だと感じたというリカルド・バサロ氏が、世界的に人気なカードゲームの「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」をきっかけに日本語をマスターした経験について語っています。
How Magic: The Gathering Took Me from N2 to Japanese Fluency | TokyoDev
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バサロ氏は日本とインドにまたがる開発チームを管理するアメリカの多国籍人材管理会社であるAllegis Groupでプロダクトマネージャーを務めており、2024年から東京に移住しました。東京に移る前には2022年から愛媛にある河原電子ビジネス専門学校で学習し、日本語能力試験の「N2」の資格を取得していました。「N2」はN1~N5まであるレベルの上から2番目で、日常会話に加えて新聞や雑誌などより幅広い場面で使われる日本語をある程度理解する事ができる習得度を示します。
バサロ氏によると、日本語能力試験N2の資格は何年もかけて目指していた目標であり、この資格が東京でプロジェクトマネージャーの仕事に就くための鍵になったとのこと。しかし、実際に働き始めてから、試験に合格することと実際に「言語を自分のものにする」ことは全く別物だと気づいたそうです。
そこでバサロ氏の助けとなったのが、10年以上趣味としてきたマジック:ザ・ギャザリングでした。愛媛に居た頃は趣味の場はほとんどなかったものの、東京に引っ越してから活気のあるゲームコミュニティに触れられたことで、カードゲームを通して実生活での応用を繰り返し、N2レベルの日本語を「自分のものにする」機会を得られたとバサロ氏は話しています。

世界で展開しているカードゲームの多くは、対戦に別言語で情報が記載されている海外版を混ぜて使用することができます。しかし、日本語メインのコミュニティで英語版のカードを使うと、カードを見て情報を確認することが難しくインターネットで検索したり審判を呼んだりしてゲームが中断してしまうことがあります。そこでバサロ氏は、「できる限りプレイするカードを日本語でそろえる」というルールを自分に課したそうです。
日本語のカードを使うことに決めたことで「日本語でしっかり説明する」という負担も発生し、バサロ氏はコミュニケーションの目標に合わせてデッキを選択しました。具体的には、「アグロデッキ」と呼ばれる積極的に攻めていくタイプを選択したことで、相手にとっても理解しやすく、自身も日本語で正確に説明しやすいようにしたそうです。例えば、呪文を唱えたりクリーチャーの名前を宣言したり、頻繁に使うキーワードや「ダメージ」といったフレーズを繰り返し発音したりすることで、自然に言葉を発せられるようになるまで練習することができたとバサロ氏は語りました。
さらにバサロ氏は、対戦相手が抱く可能性がある一般的な質問を予測し、徹底的に対策を研究したとのこと。例えば、バサロ氏が使っていたデッキでは能力の変化やダメージ数を正確に説明できる必要があるため、いつ急に聞かれたとしても正確に答えてゲームを進められるように準備したとバサロ氏は話しています。
バサロ氏は「継続こそが私にとって最も強力な武器です。毎週欠かさず練習することで、新しい単語を短期記憶から反射的に使えるものへと変えていくことができます。カードゲームの対戦イベント中では、完璧な文章を考えるのに5分も時間はかけられません。リアルタイムの変化に数秒で対応しなければならず、それを何度も繰り返さなければなりません。この繰り返しによって、定型句は自然と身についたのです。私はただ暗記した単語を暗唱しているだけではなく、日本語の会話のリズムや間合い、相づち、そしてコミュニケーションを機械的ではなく自然に感じさせる非言語的な合図を学んでいます」と語りました。
バサロ氏は2025年に晴れる屋吉祥寺店で開催されたイベントで優勝し、公式Xに掲載されています。バサロ氏は「優勝自体も個人的な成果でしたが、本当に実感できたのは、公式Xに日本語で結果が掲載された時でした。それは、言語を学習だけではなく現場で使用する私の戦略が、ネイティブの集まるコミュニティで効果を発揮していることを示す具体的な証拠となったのです」と述べています。
【大会情報】
— 晴れる屋 吉祥寺店@WPNプレミアムストア (@hareruya_kcjoji) 2025年5月31日
13時からの「辰年プロモ《山/Mountain》争奪スタンダード」の最終順位1位は…
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そして、カードゲームの大会を通して獲得した「リアルタイムで素早く判断して日本語を理解し使う能力」は、プロジェクトマネージャーとしての仕事に自然と生かされていったそうです。日本の関係者が集まる場で、「英語で話して構わない」と上司に言われていたものの、バサロ氏は日本語で完全に話すことができたとのこと。また、以前は強く緊張していましたが、むしろ日本語を「適用」することができる場として、会議を歓迎するようになったとバサロ氏は語っています。
マジック:ザ・ギャザリングはバサロ氏の趣味であり学習にベストな選択肢でしたが、同じ考え方はさまざまな趣味にも当てはまります。バサロ氏は「日本に住んでいて、今の語学レベルを超えたいと思っている外国語話者の人への私からのアドバイスはシンプルです。定期的に『本番の日本語』を使うことを余儀なくされるような趣味を見つけることです。目標は、自分が既に愛しているものにおいて、日本語が『オペレーティングシステム』となるようなコミュニティを見つけることです」とアドバイスしました。
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in ゲーム, Posted by log1e_dh
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