取材

ゲームなのにモニターがない「オーディオゲームセンター」で視覚以外の五感を研ぎ澄ます音ゲーにチャレンジしてきた


ビデオゲームは視覚情報に頼るところが多く、音なしのミュートでプレイすることができても、TVを消して映像なしでプレイするのは難しいところ。しかし、そんな映像情報を一切必要としない、音だけで遊ぶ「オーディオゲーム」というものがあります。その映像のないゲームを幼少期から作り続けてきたという全盲のゲームクリエイターが野澤幸男さんで、彼が作成したオーディオゲームをさまざまな人々に体験してもらうおうというプロジェクト「オーディオゲームセンター」が、東京ゲームショウ2018の会場に出展しており、偶然このモニターのない不思議なゲームセンターに出会うことができました。ここで初めて実際にオーディオゲームをプレイしてみたところ、普通のビデオゲームにはない視覚以外の五感を研ぎ澄まされるかのような、独特の感覚に包まれました。

AudioGameCenter
https://www.audiogame.center/

幕張メッセの9ホールにはインディーゲームブースが広がっており、日本国内だけでなく世界中からさまざまなゲーム開発者が思い思いの作品を出展しています。


そんなインディーゲームブースの一角で、見つけたのが「オーディオゲームセンター」。一見普通の展示と同じように見えますが、よくよく見るとビデオゲームには欠かせない「モニター」がありません。


置いてあるのはジョイスティックとボタンのみ。


よくよく見てみると、ここでは全盲のゲームクリエイター・野澤幸男さんが作るオーディオゲームが遊べる模様。


プレイできるのは「SCREAMING STRIKE」というゲーム。これは迫ってくる敵をひたすら殴って倒す、というわかりやすいゲーム。しかし、モニターは存在しないため、ヘッドホンをつけて耳から入ってくる音だけを頼りに「敵がどこから迫ってくるか」を判断する必要があります。敵から3回攻撃を受けるとゲームオーバーで、何人の敵を倒したかでスコアを競います。


というわけで、早速ゲームに挑戦。ヘッドホンを装着して……


手にはジョイスティックとボタンを準備。


ゲームの中には3つのレーンが存在しており、左・真ん中・右のいずれかから敵が忍び寄ってきます。敵がどこからやってくるかは音のみで表現されており、敵が忍び寄ってくる方向がわかったらその方向にジョイスティックを倒し、敵が目前まで忍び寄ってきたと思ったらボタンをポチッと押して敵を攻撃。敵が近づいてくる様子は音の強弱、敵が忍び寄ってくる方向は音の鳴る方向、敵が迫ってくるスピードは音の鳴るペース、といった具合に音の鳴り方の微妙な変化だけでさまざまな情報を表現しています。


ビデオゲームの場合はモニターの映像を頼りにプレイしますが、オーディオゲームではその視覚情報が一切存在しないため、耳から入ってくる情報にいつも以上に集中できることがわかります。いつものゲームプレイ時よりも視覚以外の語感が研ぎ澄まされている感覚があり、音だけのゲームなのに妙なリアルさを感じます。幼少期からオーディオゲームを作ってきた野澤さんですが、立体音響が存在しない頃から音だけで周囲の環境や方向性などを表現してきたそうで、そんな技術が「SCREAMING STRIKE」の中にも詰め込まれているわけです。


そんな音だけでさまざまな表現に挑戦するオーディオゲームを誰でもプレイできるオーディオゲームセンターは、9ホールの「9-B46」に出展しているので興味がある人はぜひ一度行ってみてください。

なお、オーディオゲームセンターは2018年9月29日(土)と30(日)にも展示されるそうなので、気になる人は以下のページで詳細をチェックしてみてください。

AudioGameCenter

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in レビュー,   取材,   ゲーム, Posted by logu_ii

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