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テスラが見せた自律型ヒューマノイドロボットは果たして現実のものとなるのか?


2021年8月19日、テスラが投資家向けイベント「Tesla AI Day」で、高さ約170cm、質量約56kgの完全自律型ヒューマノイドロボット「テスラ・ボット」のコンセプトを発表しました。テスラは「プロトタイプは2022年に登場」と発表しましたが、いくつかのメディアは実現を疑問視しています。

Elon Musk Has No Idea What He’s Doing With Tesla Bot - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/elon-musk-robot

Elon Musk's 'Tesla Bot' Is a Shitpost
https://www.vice.com/en/article/jg849d/elon-musks-humanoid-robot-is-a-shitpost

以下の動画をクリックすると、Tesla AI Dayの動画の2時間5分14秒から始まるテスラ・ボットの紹介映像を確認できます。

Tesla AI Day - YouTube


まず動画に現れたのは、白いスーツを身にまとった人間。軽快なステップを踏みながら一通り踊った後、退場します。


その後、マスク氏はテスラ・ボットのコンセプトを紹介します。テスラ・ボットは人間に変わって危険な仕事や単純作業などを行うヒューマノイドロボット。40箇所に電動アクチュエーターを搭載して関節を動かすことができるほか、頭部搭載した8台のカメラとテスラ車のフルセルフドライビング(FSD:完全自動運転)に使われる画像認識システムで周囲を認識するとのこと。


マスク氏は「テスラは車の分野では間違いなく世界最大のロボット会社です」と述べます。マスク氏は、大量の映像データでトレーニングしたAIを搭載し、画像認識とニューラルネットワークにより周囲を認識・ナビゲートするテスラ車を「人間のような知覚を持つ車輪付きロボット」と呼称し、「テスラ車のセンサーやバッテリー、アクチュエーターは非常に優れているため、これらをヒューマノイドロボットとして仕上げることは理にかなっています」「2022年のいつかにはプロトタイプが登場すると思います」と述べました。

しかし、このテスラ・ボットに対して、実現を疑問視する声がいくつか上がっています。技術系メディアであるIEEE Spectrumのエヴァン・アッカーマン氏は、「マスク氏はヒューマノイドロボットの実現に何が伴うかを理解していません」と発言。「テスラ車はロボットとは別物です。ヒューマノイドロボットの実現に向けてはボストン・ダイナミクスAgility Roboticsが文字どおり何十年も取り組んできましたが、依然として実現は困難です。マスク氏がなぜ突然実現可能だと思ったのかが分かりません」「ただし、マスク氏がいくつかの問題を解決するためにお金と時間を投資した場合、分野全体を前進させるいくつかの成功をおさめるでしょう」と述べました。

海外メディアのVICEは、マスク氏が過去に発表した無人タクシーを例に「マスク氏は2019年に『2020年には100万台の無人タクシーが走り回ることになるでしょう』と紹介したにもかかわらず、実現には至っていません」と述べ、マスク氏の世間をあおるようなマーケティング手法を真剣に受け止めることに疑問を呈しました。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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