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Googleが進めていた秘密計画「Project Hug」とは?


人気ゲーム「フォートナイト」の開発元であるEpic Gamesは、GoogleやAppleのアプリ配布プラットフォームが独占禁止法に違反しているとして世界各国訴訟展開してしていますが、2021年8月19日にカリフォルニア州で開かれた法廷の中でEpic Gamesが「訴状の無修正版」を公開したことでGoogleが「Playストアの独占的な地位を保つプロジェクト」を展開していたことが明らかになりました。この訴状によって明らかになったプロジェクトの具体的な名称や詳細な内容について、ビジネスニュースサイトMarketWatchのサンフランシスコ支局長を務めるジェレミー・C・オーエンス氏がその内容をまとめています。

Epic has sent out its unredacted antitrust complaint against Google, which reveals some things that were not revealed before, such as ...

— Jeremy C. Owens (@jowens510)


Epic v. Google unredacted complaint - DocumentCloud
https://www.documentcloud.org/documents/21046008-epic-v-google-unredacted-complaintt/

2021年8月19日にEpic Gamesが公開した「Googleに対する訴状の無修正版」からは、アプリ開発者がPlayストア以外のアプリ配布プラットフォームを利用することを防ぐべく、Googleがアプリ開発者に資金を提供したり、スマートフォンメーカーに対してPlayストア以外のアプリ配布プラットフォームを排除することを求めたりといった対策を行っていたことが明らかになりました。

GoogleがEpic Gamesに対して過剰に対策を行っていたのは他のパブリッシャーに「直接DL」手法が広まることを恐れていたため - GIGAZINE


公開された訴状の中には、Googleの一連の対策が「Project Hug」という名称で呼ばれており「Call of Duty Mobile」などの人気ゲームアプリを展開するActivision Blizzardを含む大手アプリ開発者が「Project Hug」の契約に同意していたと記されています。同時に、Epic GamesがGoogleから「フォートナイトをPlayストアで公開し、30%の手数料を支払うことに同意すれば、YouTubeのスポンサー契約やクラウドサービスを割引き価格で提供する」という提案を受けていたことも明かされています。


また、Epic Gamesは2019年のGoogleの社内文書では「Epic Gamesの独自のアプリ配布方法を認めた場合、2022年までに最大14億ドル(約1500億円)の損失が生じ、AmazonやSamsungがEpic Gamesの動きに続いた場合、最終的に60億ドル(6600億円)の損失が生じる可能性がある」と述べられていたと主張しています。


さらに、Googleは携帯電話事業者が独自のAndroid向けアプリ配布プラットフォームを展開することを防ぐために、2009年から複数の携帯電話事業者と「Playストアの手数料30%のうち、携帯電話事業者が20~25%、Googleが5~10%を得る」という契約を交わしていたとのこと。Epic Gamesは訴訟の中で「Googleは、携帯電話事業者が多くの手数料を獲得できるというインセンティブが、携帯電話事業者が独自のプラットフォームを構築できないことによる機会損失を上回ることを理解していた」と指摘しています。


加えて、2016年6月~9月の間Playストア以外でダウンロードされたAndroid向けアプリが全体の4.4%しかなかったことをGoogleが認識しており、2017年のGoogle社内文書には「アメリカを含む全ての国で、Playストアが優勢である」と記されていたとのこと。Epic GamesはこれらのことからGoogleがPlayストアの独占状態を認識していたと主張しています。


なお、2021年7月7日にはアメリカの36州およびコロンビア特別区(ワシントンD.C.)の司法長官が「Androidアプリの配布方法を事実上Playストアのみに限定し、その状態でアプリ開発者から手数料を徴収している現状は独占禁止法違反にあたる」としてGoogleを提訴しています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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