ハードウェア

Intelがゲーム高画質化技術「XeSS」や次世代プロセッサ「Alder Lake」の詳細を発表


Intelがオンラインイベント「Intel Architecture Day 2021」を2021年8月19日(木)に開催しました。イベントの中では、次世代プロセッサ「Alder Lake」の詳細や、2021年8月16日に発表されたGPUブランド「Intel Arc」から登場予定のGPUの詳細、ゲーム高画質化技術「XeSS」などが発表されています。

Intel Architecture Day 2021
https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/resources/press-kit-architecture-day-2021.html

インテル、 データセンター、HPC-AI、クライアント・コンピューティングの アーキテクチャーを前進 | インテル ニュースルーム
https://newsroom.intel.co.jp/editorials/intel-advances-architecture-data-center-hpc-ai-client-computing/

◆次世代プロセッサ「Alder Lake」
Alder Lake世代のプロセッサは、省電力に特化した「Efficient-core」と計算性能に特化した「Performance-core」の2種類のCPUアーキテクチャが搭載されます。Efficient-coreは2015年に登場した「Skylake」のアーキテクチャと比較して同消費電力で40%高いシングルスレッド性能を発揮するとのこと。さらに、Efficient-coreを4コア使用すると2コア・4スレッドのSkylakeコアと比べて同消費電力で80%高い性能を発揮します。


Performance-coreは2021年に登場した「Rocket Lake」シリーズのアーキテクチャ「Cypress Cove」と比べて性能が約19%向上しており、IntelはPerformance-coreを「今後10年のコンピューティングをけん引するCPUアーキテクチャーとしてパフォーマンス水準を1段階引き上げます」と評価しています。


また、Performance-coreは、データセンターや機械学習用途を念頭に開発されており、AI向けの拡張命令セット「Advanced Matrix Extensions(AMX)」を含む専用ハードウェアを搭載しています。これにより、「VNNI」を搭載したこれまでのCPUと比べてAI関連の計算効率が約8倍向上するとIntelはアピールしています。


Alder Lakeにはパフォーマンス効率化機能の「Intel Thread Director」が搭載されており、「高いパフォーマンスが必要なプログラムやAI関連の計算はPerformance-coreで実行」「バックグラウンドで動作するプログラムはEfficient-coreで実行する」といったように、実行する計算に合わせて適切なコア・スレッドが選択されます。


Alder Lakeは最大コア数が16コア(Performance-core:8コア、Efficient-core:8コア)、最大スレッド数が24スレッド(Performance-core:各2スレッド、Efficient-core:各1スレッド)、最大Last Level Cache(LLC)が30MBです。


第11世代Coreプロセッサは、デスクトップPC向けの「Rocket Lake」とノートPC向けの「Tiger Lake」の2種類のアーキテクチャが存在していましたが、Alder Lakeは1つのアーキテクチャでデスクトップPCからモバイル端末までカバーします。


Alder Lakeを採用した製品は2021年中に登場予定です。


◆高性能GPUブランド「Intel Arc」のSoC「Alchemist」とゲーム高画質化技術「XeSS」
Intelが2021年8月16日に、高性能GPUブランド「Intel Arc」を発表し、「Alchemist」アーキテクチャを搭載したSoCを2022年第1四半期に出荷予定であることを明かしていました。


Intel Architecture Day 2021では新たに、AlchemistにAI関連計算エンジン「Xe Matrix eXtensions(XMX)」が搭載され、NVIDIAの「DLSS」やAMDの「FidelityFX Super Resolution(FSR)」のようなゲーム高画質化機能「Xe Super Sampling(XeSS)」に対応することが発表されました。XeSSは、あらかじめゲームの出力画像を学習することで、必要な計算処理を少なく保ちながらゲームの高画質なレンダリングを可能にする技術で、1080pの映像をレンダリングするのと同程度の負荷で4K映像に近い高画質なレンダリングが可能になります。


以下のデモ画像は左から順に「ネイティブ4K解像度で出力した画像」「XeSSを用いて4K解像度で出力した画像」「1080pで出力した画像」です。画像を確認すると、XeSSを用いて出力した画像はネイティブ4Kの画像と比べて遜色ないほど高画質なことが分かります。


また、IntelはAlchemist世代のチップがTSMCの6nmプロセスで製造されることも発表しました。


さらに、Alchemist以降にも「Battlemage」「Celestial」「Druid」といったコードネームのアーキテクチャが開発予定であることも明かされています。


◆高性能計算用プロセッサ「Ponte Vecchio」
Intel Architecture Day 2021では、高性能計算(HPC)用プロセッサ「Ponte Vecchio」も発表されました。Ponte Vecchioには1000億個のトランジスタが搭載され、単精度浮動小数点演算で45TFLOPS以上の計算性能を発揮するとのこと。また、メモリ帯域幅は5TBps、接続帯域幅は2TBpsを超えています。


IntelはPonte Vecchioについて「Intelがこれまで開発してきた中で最も複雑なSoCであり、最先端の半導体プロセッサー、革新的なEMIB技術、そしてFoveros 3Dパッケージングという優位性を最大限に活かした、インテルのIDM 2.0戦略を象徴する製品です」と述べています。加えて、Intel(青)NVIDIA(緑)のHPC向けチップの性能向上グラフを示してPonte Vecchioの飛躍的な性能向上をアピールしています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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