ハードウェア

Intelが次期CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」、内蔵GPU「Gen11」、ディスクリートGPU「Xe」などを発表


IntelがArchitecture Day 2018で、新CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」の概要を発表しました。他にも新型iGPU「Gen11」やディスクリートGPU(dGPU)の「Xe」ブランドなどについても明らかになっています。

Intel's Architecture Day 2018: The Future of Core, Intel GPUs, 10nm, and Hybrid x86
https://www.anandtech.com/show/13699/intel-architecture-day-2018-core-future-hybrid-x86

◆Sunny Cove
Intelは次世代CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」を発表しました。Sunny CoveはIntel Coreシリーズやサーバー向けXeonなどで採用するアーキテクチャで、2019年内に10nmプロセスで製造されたCPUが市場投入される見込み。Sunny Cove以降も、「Willow Cove」「Golden Cove」へと改良が続く予定です。


第6世代から第9世代までのIntel Coreシリーズのベースとなった「Skylake」アーキテクチャは、Sunny Coveで刷新される予定です。Sunny Coveのキャッシュを再設計しトランジスタを最適化し、セキュリティ機能を追加した「Willow Cove」、シングルスレッド性能の向上、AI機能などを追加した「Golden Cove」で、Lakeシリーズの後継はCoveシリーズになるようです。


Intelによると、アーキテクチャの改良では、性能向上が「一般的なもの」と「特殊なもの」の2つのセクションに分類されるとのこと。


クロック当たりの命令実行数であるIPCの増加が一般的なパフォーマンスアップで、Sunny CoveではSkylakeに比べてL1キャッシュが50%増え、48KBになります。また、L2キャッシュも増えることが明言されています。


実行ポート数も8から10へと増えます。


また、機械学習性能など特定の目的に合わせた追加の命令セットによる性能向上も行われます。Sunny CoveではAVX-512ユニットだけでなく、暗号化で用いられるIFMA命令をサーポートします。また、Vector-AES、SHA、SHA-NIなどもサポートします。


◆Gen11
2015年に「Gen9」グラフィックスがSkylakeプロセッサーに搭載されましたが、新たにSunny Coveに統合するiGPU「Gen11」を発表しました。Cannon Lakeに内蔵する予定で開発されていた「Gen10」はCore i3 8121Uで無効化された状態でしかリリースされておらず、どうやら日の目をみることなく葬り去られたようです。


Gen11について詳細は明かされていませんが、スライドの画像からは64個のExecution unit(EU)は4つのスライスに分けられ、さらに8つのEUを含むサブスライスに分かれているのが確認できます。


IntelによるとGen11はCoffee Lakeの「Gen9.5」に比べてFP16性能が2倍に高速化されており、メモリーインターフェースも再設計されGPUのL3キャッシュはGen9.5比で4倍の3MBになっています。そのため「Gen11は1TFLOPS超え」の性能を持つとのこと。


また、NVIDIAのVariable Pixel Shadingに類似したピクセルシェーディングもサポートします。マルチレートシェーディングに対応したゲームでのフレームレートは30%増加するとIntelは述べています。また、HEVCエンコーダはスケーラブルな設計がされており、将来的に8K映像のサポートが想定されています。


また、ディスプレイエンジンは、高精度のデータパスのためHDRと連携するAdaptive Syncをサポートします。


なお、Intelは何も触れませんでしたが、画像から「Type-Cのビデオ出力」がサポートされる可能性をAnandTechは指摘しています。


◆デモ
Sunny CoveのCPUとGen11グラフィクスをベースとしたチップのデモンストレーションが行われました。


CPUクーラーには「ICL-U」の文字。これは「Ice Lake-U」の略だと考えられます。Sunny CoveアーキテクチャCPU+Gen11 iGPUを採用するTDP15WのノートPC向けプロセッサの登場が期待できそうです。


Intelはコア数、クロック数などの情報は一切、提示せず、7-Zipのデモが行われました。7-Zipのベンチマークでは、Vector-AESとSHA-NIなどの新命令セットをサポートするSunny Coveは、SkylakeベースのCPUよりも75%高速でした。これは、前述の「一般的なパフォーマンスアップ」ではなく「特殊なパフォーマンスアップ」の恩恵が現れているとのこと。


また、鉄拳7でのデモでは、Skylake+Gen9のシステムに比べて確実に滑らかな動きを見せたとのこと。ただし、フレームレートが30FPSを下回る場面も見られたそうです。


◆Xe
IntelはすでにディスクリートGPU(dGPU)の開発に乗り出していることが明らかになっています。

IntelがディスクリートGPUを2020年にリリースすると発表 - GIGAZINE


2020年にリリースされるInelのdGPUは「Xe」というブランドが採用されることになりました。Xeは10nmプロセスで製造が始められる予定です。


これまで「Gen12」と非公式に呼ばれてきたXeは、PC向けからデータセンター向けまで、幅広い範囲をカバーするとのこと。また、IntelはCPU、GPU、FPGA、AIのすべてに共通するAPIの開発を計画しており、Xeは数世代にわたるグラフィックスの基礎となる可能性があります。


◆Foveros
Intelは新たな3Dパッケージング技術「Foveros」を発表しました。すでにAMDはEpyc用のアーキテクチャ「Rome」でI/OとCPU(チップレット)を分離することを発表していましたが、Intelも同じ方向性でSoCを製造します。


大きなシリコンダイ上に、I/Oやメモリを乗せ、さらにその上にComputeチップレットを乗せられます。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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