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AMDが「Intelと戦える場所に帰ってきた」と新アーキテクチャZen世代のCPU「Summit Ridge」の概要を明らかに


CPU製造大手のAMDが、アメリカ・サンフランシスコで開催されているIntelのイベントIDF16に合わせる形で、次世代マイクロアーキテクチャ「Zen」の概要を発表。次期ハイエンドCPUであるコードネーム「Summit Ridge」のパフォーマンスがIntelのCPUに肩を並べるレベルに達したことを明らかにしています。

The “Zen” Core Architecture
http://www.amd.com/en-us/innovations/software-technologies/zen-cpu

AMD says Zen CPU will outperform Intel Broadwell-E, but delays release to 2017 | Ars Technica UK
http://arstechnica.co.uk/gadgets/2016/08/amd-zen-performance-details-release-date/

新アーキテクチャ「Zen」の性能の一端は以下の発表会ムービーで確認できます。

Breakthrough Performance of Next-Generation “Zen” - YouTube


サンフランシスコで開催されたZen発表イベント。


AMDのリサ・スーCEOが登場。「新アーキテクチャは目を見張る進化を果たした。Zenを初めて紹介する」と述べて記者発表会がスタート。


ZenアーキテクチャのCPUは、AM4プラットフォームで登場します。


スーCEOに続いてAMDの最高技術責任者兼上席副社長のマーク・ペーパーマスター氏が登壇。Zenは完全に新設計のマイクロアーキテクチャで、ハイエンドからロークラスやモバイルSoCに向けて製品を出すことになるとのこと。


Zenの設計思想は「パフォーマンスの向上」「スループットの向上」「省電力性能の向上」の3つ。


Zenは、現行CPUコア「Excavator」に比べて40%もクロックあたりの命令実行数(IPC)が向上。しかも、プロセスルールが28nmから14nmFinFETと格段に微細化したことで、消費電力減も実現しています。


現行モデルに比べて大幅な進化を果たしたZenによって、「(ライバルIntelとの性能競争の)舞台に帰ってきた」とペーパーマスター氏は述べています。


Zen世代のCPUはハイエンドモデルから登場する予定。コードネーム「Summit Ridge」のハイエンドCPUは、8コア16スレッドでDDR4にのみ対応。PCI-Express GEN3にも対応します。なお、Intelのハイパースレッディングと同様に1コアで複数のスレッドを同時処理できるようになった点がZenの特長です。


AMDのマーケティング担当副社長のジョン・テイラーは、Summit Ridgeの性能をデモで披露。


Summit RidgeはAPUではなくGPUコアを持たないCPUなので、グラフィックボードには「Radeon RX 480」を使用しています。「Deus Ex: Mankind Divided」を使って4K画質でFPSゲームを楽々こなせる性能をアピールしました。


「Blender」というソフトウェアを使ったデモでは、第5世代Intelコアプロセッサー「Broadwell-E」との性能比較を行いました。


わずかですがSummit Ridgeの方がレンダリング処理が早く終了。Summit RidgeはBroadwell-Eに負けず劣らずの性能を持つとアピールしました。


AMDはZen世代でコンシューマー向けCPUだけでなく、サーバー分野でのAMD復活を狙ってます。コードネーム「Naples」のサーバー向けSoCは32コア64スレッドとのこと。


エンタープライズ部門担当副社長のスレシュ・ゴルパクリシュナン氏がNaplesのサンプルマザーボードを提示。2つのNaples・SoCを搭載することが分かります。


スーCEOは、Zenはコンシューマー向けCPU、サーバー向けSoC、コンソール向けSoCなどさまざまな分野で製品が投入され、今後もさらに性能向上の余地があると宣言して発表を締めくくりました。


ムービーで紹介された以外にもさまざまなプレゼンテーション資料が公開されました。CPUコア内部を見ると、演算パイプを増やしたことで実行幅/リソースが1.5倍に、命令スケジューラーウィンドウが1.75倍になったとのこと。


キャッシュ構図が刷新され、スループットが向上しているとのこと。


「Simultaneous Multi-Threading」技術によって1コアあたり2スレッドの命令を同時に実行可能。


14nm FinFETプロセスによって性能アップだけでなく、大幅な省電力化を実現します。


さらに、「Zen」の次の「Zen+」も予告。ZenマイクロアーキテクチャでIPCをさらに向上させる計画です。


Zenマイクロアーキテクチャを採用するハイエンドCPU「Summit Ridge」は2016年内の登場が予定されています。

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