ソフトウェア

元Google社員が「iOS 15のSafariで起きるUI再設計」がChromeでも計画されていたものの最終的に放棄された裏話を語る


2021年6月に発表されたiOS 15では、標準ブラウザであるSafariのデザインに大きな変更が加えられることが分かっています。同様の変更が、Android版Chromeでも検討されたものの結局実現しなかった経緯を、Googleの元デザイナーが語りました。

Chrome Home
https://read.cv/cleer/1R6eDCnOEDMDlRjMDbq8

Googler details why Chrome killed its iOS 15 Safari redesign - 9to5Google
https://9to5google.com/2021/07/25/google-chrome-safari-ios-15/

iOS 15に搭載されるSafariでは、タブバーのデザインが大きく変更される予定です。どのような変更なのかは、以下の記事に簡潔にまとめられています。

AppleがWWDCで解説しなかった「iOS 15」の便利機能まとめ - GIGAZINE


Appleは、URL欄などを画面下部に配置するという今回の変更について、「画面のスペースを最大限に活用し、スクロールや探索の邪魔にならないようにするため」と説明しました。


Googleでデザイナーを務めていたクリス・リー氏によると、Googleは2016年に「Chrome Home」というプロジェクトで、同様の変更を行おうとしていたとのこと。リー氏がブログで公開したChrome Homeの画面を見ると、確かにURL欄やタブボタンなどが画面の下部に収まっているのが分かります。


この変更には、大きく分けて「端末が大きくなったため、片手で操作できるようにUIを変更すること」と「Chromeの機能が増えたので画面下部の3つのボタンでは足りなくなった」という2つの意図がありました。しかし、Chromeのデザインを大きく変更するとユーザーの混乱を招くと判断されたため、最終的にChrome Homeの採用は見送られることになったそうです。

リー氏は、Chrome Homeの登場から廃案までの経緯について「このアイデアは社内で評判となり、すぐにChrome開発部の最優先事項になりました。しかし、技術的なコミュニティから熱狂的な支持を集める一方で、主なターゲットにしているユーザー層の一部からは『ややこしい』と不評の声が上がりました。Chromeは、さまざま技術レベルで利用する何十億人ものユーザーに向けて作られています。そのため、Chrome Homeはすべてのユーザーが満足できるものではないとの結論に至りました」と説明しています。

Chrome Homeを見送った後Googleは、URL欄を上に残したままUIの一部を画面下部に移動させる「Chrome Duet」の開発に乗り出しましたが、このプロジェクトも2020年に消滅しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
iPhoneのOSとして知られる「iOS」はどのように進化していったのか? - GIGAZINE

AppleがWWDCで解説しなかった「iOS 15」の便利機能まとめ - GIGAZINE

iPhone向けの最新OS「iOS 15」が発表、コンテンツの共有方法が強化されるなどリモートでの人とのつながりを重視した機能が多数 - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア,   デザイン, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.