マーベル最新作「ブラック・ウィドウ」の全米初週興行収入がパンデミック後最高の88億円を記録、Disney+の有料配信も好調
2021年7月9日(金)、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作「ブラック・ウィドウ」が劇場公開されました。公開初週の全米興行収入は8000万ドル(約88億円)を記録し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以来最高となったほか、劇場公開と同時に有料配信を行ったDisney+における売上は6000万ドル(約66億円)を記録しました。
Box Office: Black Widow Dominates Theaters, Disney Plus - Variety
https://variety.com/2021/film/box-office/marvel-black-widow-box-office-opening-weekend-1235016977/
Black Widow has been a big hit on Disney Plus - The Verge
https://www.theverge.com/2021/7/11/22572613/black-widow-disney-plus-premier-access-theaters
「ブラック・ウィドウ」は、ヒーローチーム「アベンジャーズ」の一員として活躍する女スパイ、ブラック・ウィドウの過去に迫る物語です。スカーレット・ヨハンソンが演じるブラック・ウィドウが登場する特報映像は2019年の時点で公開されており、当初は2020年5月1日(金)に劇場公開される予定でした。ところが、COVID-19パンデミックによって公開延期が繰り返された結果、最初の予定から1年以上遅れた2021年7月9日(金)に世界各国の劇場で公開されることになりました。
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多くのマーベルファンが待ち望んでいた「ブラック・ウィドウ」の公開初週の全米興行収入は8000万ドルを記録し、パンデミック以降の最高記録を打ち立てました。これまでの最高記録は、2021年6月に公開された「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の7000万ドル(約77億円)であり、一気に1000万ドル(約11億円)以上も上積みしたことになります。
また、「ブラック・ウィドウ」はアメリカ国外の46の国と地域でも同時公開されており、海外における公開初週の興行収入は7800万ドル(約86億円)。アメリカ国内の興行収入と合わせると1億5800万ドル(約174億円)となります。なお、マーベルにとって大きな市場である中国での劇場公開を控えているため、海外での興行収入はまだ伸び幅があると予想されています。
さらにマーベル初の試みとして、「ブラック・ウィドウ」は劇場と同時にDisney+での有料配信も行われています。Disney+のユーザーは、30ドル(日本は税込3278円)の追加料金を支払うことで「ブラック・ウィドウ」をレンタル可能です。ディズニーは、Disney+における「ブラック・ウィドウ」の週末売上が6000万ドル(約66億円)を記録したと発表しており、劇場のものと合わせると2億2000万ドル(約242億円)近い興行収入を記録したとのこと。
ディズニーのメディアおよびエンターテインメント配信部門の会長であるカリーム・ダニエル氏は日曜日に、「今週末の『ブラック・ウィドウ』の力強いパフォーマンスは、COVID-19の懸念が世界中で続く中で、フランチャイズ映画を真の映画体験を求める人に向けて劇場で鑑賞可能にすると同時に、Disney+を利用して自宅で視聴することを好む視聴者に選択肢を提供する、私たちの柔軟な配信戦略を裏付けるものです」と述べました。
「ブラック・ウィドウ」は劇場公開と同時にDisney+での配信が行われた初のマーベル映画ですが、ディズニーはこれ以前にも、「ムーラン」や「ソウルフル・ワールド」などの新作映画をDisney+で有料配信してきました。2021年に入っても「ラーヤと龍の王国」「クルエラ」などがDisney+で有料配信されており、ディズニーはストリーミング重視の方針を打ち出しています。
ディズニーはこれまで、Disney+で有料配信された作品の売り上げを公式に発表してきませんでした。そのため、Disney+での売上をディズニーが公式に発表したのは、「ブラック・ウィドウ」が初のケースとなります。ディズニーが今後もDisney+における有料配信の売上を公開し続けるかどうかは不明であり、売上がよかった映画についてのみ情報を公開する可能性があるとのこと。
Disney+における「ブラック・ウィドウ」の成功は、配信ストリーミングサービスが人々にとって映画鑑賞の主要な選択肢になっていると同時に、劇場公開と合わせて配信をしても堅実な興行収入が得られることを示唆しています。しかし、映画コンサルティング会社のFranchise Entertainment Researchを経営するデイヴィッド・A・グロス氏は、マーベル映画は熱心なファン層を抱えており興行収入も突出して多いため、全ての新作映画で同様の結果が得られるかどうかは不明だと指摘しました。
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