レビュー

新型コロナへの対応により感染拡大がどのように変化するのかをシミュレーションできるゲーム「CoronaGame」


新型コロナウイルスのパンデミックによる影響は国や地域によってさまざまですが、感染拡大のスピードがそれぞれ異なる理由としては、外出禁止措置やマスク着用の義務付けといった措置がいかに早く行われたかがあります。これらの感染拡大防止措置が一体どのように影響するのかをシミュレーションできるゲーム「CoronaGame」が登場しており、パンデミック時の対策の難しさをよく体感できる内容となっています。

Welcome · CoronaGame
https://koronahra.cz/intro


ゲームをプレイするには、上記URLにアクセスして「Play」をクリック。


ゲーム画面はこんな感じ。


画面左上には「日付(3/1/2020:2020年3月1日)」、再生・停止ボタン、「Social stability(社会の安定)」、「Hospital capacity used(病床使用率)」が示されており、ゲームスタート前の段階では社会の安定が100%、病床使用率は64%です。


画面右上には新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるべくプレイヤーが取ることができる施策が並んでいます。用意されている施策は「Mask, hand, distancing(マスクの着用、手指消毒、社会的距離を保つこと)」「Close borders(国境閉鎖)」「Events(イベント)」「Services(サービス)」「Schools(学校)」「Extra compensation(追加の補償)」の6つで、「Open everything(すべてを解放)」と「Full lockdown(完全なロックダウン)」はそれに合った施策が自動で選択されるボタンです。


というわけで、さっそくプレイしてみます。赤枠部分の下部にある「Play」をクリック。


すると赤枠部分に以下のようなグラフが出現。グラフは1日の新型コロナウイルス新規感染者数を示しています。グラフ上の「+13」と書かれているのは、2020年3月1日時点での新規感染者数、ドクロアイコン部分に死者数、「CZK 1,923」と書かれている部分には新型コロナウイルス対策で費やした費用の合計金額、注射アイコン部分には免疫を獲得した人の数(感染から回復した人の数)が表示されています。


赤枠部分にある再生ボタンをクリックするとシミュレーションがスタート。特に何の施策も取らないまま放置していると、感染者数が一気に急増していき……


1日あたりの新規感染者数が1000人を超えてしまいました。


さらに放置していると「新型コロナウイルスにより1日に11人が死亡しました」と表示され、何かしらの施策を取るよう促されます。


そこで、「Full lockdown(完全なロックダウン)」をクリックしてみたところ、「Mask, hand, distancing(マスクの着用、手指消毒、社会的距離を保つこと)」が義務付けられ、イベントの最大定員数が10人に制限され、小売店舗は生活必需品を扱う店舗のみが営業となり、学校は休校となりました。


しかし、ロックダウン措置が遅すぎたため、感染者数の拡大は止まりません。緑色の点部分がロックダウン措置を取ったタイミングですが、その後も新規感染者数が増加していることがよくわかるはず。また、病床使用率も100%に近づいており、医療崩壊が目前に迫る事態に陥ってしまいました。


ゲーム内でロックダウンを実施したのは1日の新規感染者数が5000人を超えてからの3月26日。ロックダウン後に1日の新規感染者数が5000人を下回ったのは、実施から約1カ月が経過したのちでした。それでも病床使用率は87%と依然として高く、さらに社会の安定は100%から65%まで低下しており、長らく続くロックダウンの影響で国民の不満が溜まっていることがわかります。


新規感染者数がパンデミック前の水準まで戻ったので……


「Mask, hand, distancing(マスクの着用、手指消毒、社会的距離を保つこと)」は義務付けたまま、イベント・店舗・学校への規制を完全になくしてみました。


すると、約1カ月で再び感染者数が急増。


そこで再び完全なロックダウンを実施。また、社会の安定が66%と低いままであったため、新たに「Extra compensation(追加の補償)」も実施してみました。


補償により社会の安定は一時的に高まったものの、ロックダウン措置が遅かったため病床使用率が100%を超えてしまい……


それに伴い社会の安定も再び低下してしまいました。


実際に「CoronaGame」を使っていろいろシミュレーションしてみると、新型コロナウイルスの拡散を防ぐための措置を実施しても、その効果がはっきりと表れるまでには時間がかかることがはっきりとわかります。そのため、感染拡大防止措置が少し遅れると一気に1日の新規感染者数が増加し、病床使用率も爆増し、医療崩壊待ったなしという恐ろしい結果に。病床使用率が100%を超えてしまうと、いくら補償を行っていても社会の安定は低下してしまい、国庫も圧迫されていくので、さまざまな要素を加味してバランスの取れた感染防止措置を行うことの難しさがよくわかる内容となっています。

「CoronaGame」では感染症の流行過程を推測するために「SIRモデル」というモデルをベースに「感染から回復した人がウイルスに対する免疫を獲得する」という要素を追加し、さらに複数の変数を用いてシミュレーションを行っています。ただし、開発者は「新型コロナウイルスのパンデミックはシミュレーションするには変数が未知過ぎるため、正確な数学モデルを作成することは不可能」と記しており、正確なシミュレーションではなくあくまでシミュレーションゲームとしてプレイすべきと強調しています。

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in レビュー,   ネットサービス,   ゲーム, Posted by logu_ii

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