ネットサービス

日本の新型コロナ感染数が今後28日間でどうなるかが見える「COVID-19 感染予測(日本版)」をGoogleが公開、28日間で予測される死亡者数・陽性者数・入院・療養等患者数も掲載


Google Cloudは、2020年8月にHarvard Global Health Instituteとのパートナーシップのもとで、新型コロナウイルスの感染者数を予測する「COVID-19 Public Forecasts」を公開しました。このツールを日本向けに拡張して、日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性者数および死亡者数を予測できるようになったツール「COVID-19 感染予測(日本版)」が、2020年11月17日から提供開始されています。

COVID-19 感染予測 (日本版) の公開について | Google Cloud Blog
https://cloud.google.com/blog/ja/products/ai-machine-learning/google-and-harvard-improve-covid-19-forecasts

「COVID-19 Public Forecasts」は、予測開始日から14日間のアメリカ国内におけるCOVID-19陽性者数や死亡者数を予測するというもの。このツールの日本版となる「COVID-19 感染予測(日本版)」が公開されました。なお、「COVID-19 感染予測(日本版)」では予測開始日から28日間のCOVID-19陽性者数や死亡者数を予測することが可能になっています。


「COVID-19 感染予測(日本版)」は以下からアクセス可能。なお、「COVID-19 感染予測(日本版)」の使い方については、(PDF)ユーザーガイドにまとめられています。

COVID-19 感染予測(日本版)
https://datastudio.google.com/s/nXbF2P6La2M


2020年11月17日の時点で「COVID-19 感染予測(日本版)」にアクセスすると、予測データは2020年11月15日から12月12日までの28日間の感染予測を表示します。最初に表示されるのは28日間で予測されれる死亡者数と、陽性者数。地図上の色の濃い場所が死亡者数の多い都道府県ということになり、記事作成時点では北海道が最も多い「116人」となっています。地図上にマウスカーソルを置くと、都道府県別に28日間で予測される死亡者数をチェックでき、クリックすると都道府県別の予測情報のみが表示されるようになります。


さらに、左に表示されるのが過去2カ月分の死亡者数および、将来28日間の予測死亡者数の推移を日別でまとめたグラフ。右は同じ期間の日別の予測陽性者数をまとめたグラフです。


日別の入院・療養等患者数の推移をまとめたグラフ。水色の線が過去の報告数、青線が予測数、ピンク線が95%予測区間の下限値、黄色線が95%予測区間の上限値を示しています。なお、入院・療養等患者数は、入院・宿泊療養・自宅療養および入院・療養調整中の患者を表しており、死亡者と回復者の数は除きます。


以下は左が累計死亡者数推移、右が累計死亡者数推移を示したグラフ。将来28日間の予測が的中すれば、今後COVID-19の陽性者数や死亡者数の推移は増加傾向になるということに。


対象期間中の新規死亡者数や陽性者数をまとめた都道府県別予測。死亡者数が多い都道府県から順に上から並べられており、最も多いのは北海道(116人)で、以下、大阪府(64人)、東京都(43人)、神奈川県(40人)、埼玉県(36人)、兵庫県(35人)、愛知県(28人)となっています。


最後に表示されるのは、人口100万人あたりの都道府県別予測。人口100万人あたりの死亡者数が多いのは北海道(21人)ですが、次点に来たのはなんと奈良県(9人)。人口密度の高い東京都は100万人あたりの死亡者数は3人。


Googleによると、COVID-19 Public Forecastsは人工知能(AI)と膨大な疫学的データを組み合わせ、さらに時系列の予測を扱う斬新な機械学習アプローチを採用することで実現しています。アメリカ向けのCOVID-19 Public Forecastsは、ジョンズ・ホプキンス大学やDescartes Lab、アメリカ国勢調査局などが一般向けに公開しているデータをベースにしており、Harvard Global Health Instituteの監修のもとで更新が続けられているそうです。

このツールを日本向けに拡大するため、「COVID-19感染予測(日本版)」では新しく95%予測区間やデータセットを追加し、予測対象期間を拡張して、モデルの強化による予測精度の改善を行ったとGoogleは説明しています。具体的には、感染の態様や広がり方といった基本条件はアメリカ版のモデルと同様ですが、日本版モデルでは日本のデータセットのみを利用してモデルをトレーニングしています。トレーニングに使用しているデータは、厚生労働省が発表しているCOVID-19陽性者数および死亡者数等のオープンデータGoogleのコミュニティモビリティレポート平成27年国勢調査などです。日本版モデルに使用されているデータには国内の陽性者数データや人々の移動状況に関するデータが用いられているため、予測結果には国内の感染状況やそれに対する人々の反応、生活環境といった日本独自の状況が反映されています。

なお、「COVID-19 感染予測(日本版)」はダッシュボード上で予測値をチェックできるだけでなく、 BigQueryやCSVファイルとして出力することもできます。

・つづき
Googleが今後28日間の新型コロナ感染者数・死亡者数などを示す「COVID-19 感染予測 (日本版)」はどういう仕組みと根拠で最終的な予測を出しているのか? - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleマップで新型コロナウイルスの流行状況がチェック可能に - GIGAZINE

インターネットの検索結果から「新型コロナウイルスが次に流行する地域」を予測できるという研究結果 - GIGAZINE

Googleが新型コロナによる社員のリモートワーク期間を2021年まで延長 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの第2波をGoogleやTwitterのリアルタイムデータから予測するアルゴリズムを研究者が開発 - GIGAZINE

Googleマップに新型コロナウイルスによる移動制限や医療施設の情報を確認できる機能が追加 - GIGAZINE

in ネットサービス,   サイエンス, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.