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トランプ陣営の中心だった人物が独自のソーシャルメディア「Gettr」を立ちあげる


2020年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ陣営のシニアアドバイザーを務めたジェイソン・ミラー氏が陣営メンバーを率いて、Twitterのような新SNS「Gettr」を立ちあげたことが報じられました。Gettrは「キャンセルカルチャーと戦い、常識を促進し、言論の自由を守り、ソーシャルメディアの独占に挑戦し、真の市場アイデアを創造する」という使命を掲げ、現地時間の2021年7月4日に正式リリースされる予定です。

Team Trump quietly launches new social media platform - POLITICO
https://www.politico.com/news/2021/07/01/gettr-trump-social-media-platform-497606

Gettr, Jason Miller’s new social media app, doesn’t have Trump - Vox
https://www.vox.com/recode/22559493/gettr-jason-miller-trump-app-social-media-facebook-twitter-free-speech-cancel-culture

GETTR Is the Trump Team’s Buggy, Leaky Twitter Clone
https://www.vice.com/en/article/z3xqva/gettr-is-the-trump-teams-buggy-leaky-twitter-clone

Trump adviser Jason Miller to launch GETTR, a 'cancel-free' social media platform | Fox News
https://www.foxnews.com/politics/trump-adviser-jason-miller-to-launch-gettr-a-cancel-free-social-media-platform

トランプ氏は2021年の連邦議会議事堂襲撃事件をきっかけにTwitterFacebookといったSNSから締め出されており、その後はインターネット上の発信力が大幅に落ちていることが指摘されています。一方、3月にはミラー氏が「トランプ氏は自らソーシャルメディアプラットフォームを立ちあげる意向を持っている」と公表したほか、わずか1カ月足らずで閉鎖したものの自らの公式ブログを開設するなど、オンラインでの活動をあきらめていないことも明らかとなっていました。

トランプ前大統領が自分でソーシャルメディアプラットフォームを立ち上げる意向か - GIGAZINE

by Darron Birgenheier

そして7月2日、ミラー氏によって率いられた元トランプ陣営のチームが、新たなSNS「Getter」を立ちあげたことが報じられました。Gettrは6月中旬にApp StoreGoogle Playに登場し、記事作成時点ではベータ版が提供されています。英語だけでなくスペイン語、フランス語、日本語、韓国語、中国語にも対応しており、正式なサービスの開始はアメリカの独立記念日に当たる現地時間の7月4日だとされています。

Gettrは「キャンセルカルチャーと戦い、常識を促進し、言論の自由を守り、ソーシャルメディアの独占に挑戦し、真の市場アイデアを創造する」という使命を掲げており、TwitterやFacebookによる過激な発言のモデレーションに不満を持つ人々を取り込もうとしています。海外メディアのRecodeによると、ベータ版のGettrのトレンドには「#trump」「#virusorigin」といったものや、「#keepamericagreat」「#defendfreedom」「#maga(Make America Great Again)」などのトランプ支持者が使うスローガンも存在するとのこと。

しかし、トランプ氏がGettrに参加するのかどうかは記事作成時点で明らかになっていません。ミラー氏が海外メディアのFox Newsに語ったところによると、トランプ氏はいかなる形でもGettrに資金を提供しておらず、Gettrのアカウントを取得するかどうかも不明だとのこと。既にトランプ氏のために用意してあるアカウントも存在するそうですが、ミラー氏は「トランプ氏の参加を望みますが、彼は検討中の多くの異なる選択肢を持っています」と述べました。

かつて連邦取引委員会(FTC)の主任技術者を務めていたAshkan Soltani氏がTwitterで共有したGettrのスクリーンショットによると、既に「RealDonaldTrump」を名乗るアカウントが複数登場していることがわかります。


Gettrという名称は「Getting Together(集まる)」から取ったものだとされていますが、海外メディアのRecodeは「Twitter」を意識した名称に聞こえると指摘。実際、GettrはかなりTwitterと類似したSNSとなっているようで、以下のスクリーンショットで確認できるGettrのホーム画面は、左にメニュー、中央にタイムライン、右にトレンドパネルが表示されており……


Twitterのホーム画面と配置がほぼ同じです。


一方、GettrはTwitterより多い777文字の文章を投稿できるほか、最大3分の動画投稿やライブ配信も可能です。7月4日の公式リリース後にはGettrを通じてコンテンツクリエイターを支援できる「チップ」機能も追加される予定だそうで、ミラー氏はこのツールが著名なインフルエンサーをGettrに引きつけると主張しています。

さらにGettrには「Twitterの投稿をインポートする」という機能も存在し、過去にTwitterに投稿したツイートをそのままGettrに移植できるようになっているとのこと。そのため、Gettrがリリースされたのは2021年6月であるにもかかわらず、一部のアカウントではそれ以前にTwitterへ投稿したツイートも見られるようになっているそうです。ミラー氏はFox Newsに対し、「ツイートをインポートすることであなたの努力、創造性、知的財産を持ち込むことができます」と述べ、ツイートのインポート機能はアカウント作成時に利用できる1回限りのオプションとなっていると説明しました。

海外メディアのMotherboardが共有したスクリーンショットによると、トランプ支持者でありペンシルベニア州の上院議員であるSean Parnell氏のアカウントは、Gettrのフォロワー数が17万8400人となっています。これは明らかにGettrの全ユーザー数より多い数であり、Twitterのフォロワー数と同じだとのこと。これは、ツイートのインポート機能を使った時点でのTwitterのフォロワー数が、Gettrのアカウントにも反映された結果であるとのこと。


Soltani氏はGettrについて、特定のメールアドレスがGettrのアカウント登録に使われているかどうかを無制限に照会できるなど、既にプライバシーに関する潜在的に危険なバグを複数発見しています。


なお、Fox Newsがジョー・バイデン大統領のGettrアカウント開設についてミラー氏に尋ねると、「私たちはぜひバイデン大統領に来て欲しいと思っています」「言論の自由にキャンセルカルチャーの拒絶。あなたが言論の自由に賛成し、その力を信じるなら、このプラットフォームはピッタリです」と述べました。

・つづき
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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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