ネットサービス

トランプ前大統領の声はSNSアカウント閉鎖の影響でどれほど届かなくなったのか?


2021年1月6日にアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件が発生した後、当時大統領を務めていたドナルド・トランプ氏の発言がさらなる暴力をあおるとして、TwitterやFacebookなどのSNSが次々にトランプ氏のアカウントを閉鎖する措置をとりました。アカウントの閉鎖によりトランプ氏の投稿を共有する数がどのように変化したのかについて、ニューヨーク・タイムズのデイビー・アルバ氏らが調査しています。

What Happened When Trump Was Banned on Facebook and Twitter - The New York Times
https://www.nytimes.com/interactive/2021/06/07/technology/trump-social-media-ban.html

2021年1月7日、Facebook・Instagram・Twitch・Shopifyから突如としてトランプ氏のアカウントが追放され、9日にはTwitterからアカウントの永久凍結処分を受けました。いずれのサービスも追放の理由を「国会議事堂襲撃事件に基づいている」と説明しており、トランプ氏は支持者に情報を発信する大きな窓口を失うこととなりました。なお、Twitterはトランプ氏のアカウントについて「大統領に再び立候補してもアカウントが復活することはない」と明言しているほか、Facebookは「トランプ氏のアカウント停止処置は1月7日から2年間継続する」と発表しています。


トランプ氏は大手SNSから追放されたため、オンラインに声明を投稿する手段は自身のブログやウェブサイトなどに限られてしまい、ジョー・バイデン氏が大統領に就任して以降は投稿の頻度が以前よりはるかに少なくなっています。そこで、アルバ氏らは2020年9月1日から2021年1月8日までのトランプ氏のSNS上の投稿約1600件と、各SNSからトランプ氏が追放された2021年1月9日から5月5日までのトランプ氏のウェブサイト・資金調達サイト・電子メールで発信された89件の投稿を調査し、各投稿が人々の注目をどれほど集めたのか分析しました。

調査の結果、追放前は投稿に対する「いいね」や「共有」といったエンゲージメントの中央値が27万2000件だったのに対し、追放後は3万6000件まで減少したとのこと。しかし、追放後の投稿89件の内11件は、追放前の投稿の中央値と同じか、それ以上のエンゲージメントを獲得していたとのことです。

例えば2020年10月8日、トランプ氏はバイデン氏とカマラ・ハリス氏を非難する文章を投稿しており、これはTwitterとFacebookで合計50万1000件以上のエンゲージメントを獲得していました。また、2021年3月21日にトランプ氏が自身のウェブサイトに投稿した「バイデン政権に史上最も安全な国境を引き渡した。南部から麻薬や人身売買組織が流れ込み、私たちの国は破壊されている」との文章は、TwitterとFacebook、Instagramで66万1000件以上のエンゲージメントを獲得しています。

by Gage Skidmore

大手SNSから追放されたのにもかかわらずなぜそれほどのエンゲージメントを獲得しているのかについて、アルバ氏らは「トランプ氏の投稿を支持者らが大手SNSで共有しているからだ」と分析しています。トランプ氏は長い間SNSを巧みに使っており、TwitterやFacebookでも以前から多数の人々がトランプ氏の投稿を取り上げていたので、トランプ氏が追放された後もそのような人々がトランプ氏のメッセージを拡散し続けているのだとのこと。

フェイクニュースを研究する非営利団体のGlobal Disinformation Indexが、トランプ氏の追放後にトランプ氏の投稿を共有した数百のアカウントの政治的傾向を調査したところ、3月21日のトランプ氏の投稿を共有して多くのエンゲージメントを稼いだのは右派のニュースサイト「ブライトバート」を始め、同じく右派の放送局「FOXニュース」や、「ドナルド・トランプ大統領ファンクラブ」という名前のFacebookページなどが挙げられたとのことです。

また、トランプ氏が保守派を批判した時には右派と左派の両方に取り上げられることがあるとアルバ氏は指摘。例えば2021年2月16日にトランプ氏が同じ共和党議員のミッチ・マコーネル氏を批判した投稿は、右派の多くの人は右派の人々が賛同するメッセージと合わせて共有した一方、左派の人々は党内闘争をからかうメッセージと合わせて共有したそうです。


調査によると、トランプ氏の投稿が獲得したエンゲージメントは追放前が合計2210万件、追放後が合計130万件だとのことで、フェイクニュースの研究者は「SNSはフェイクニュースを抑制できるだけの力を持っていることを示している」と述べています。フェイクニュース研究組織のDigital Forensic Research Labのエマーソン・ブルッキング氏は、「トランプ氏のケースが示すように、アカウントの停止はフェイクニュースを解決するわけではないが、有害な個人の影響を鈍らせることは可能だ」と述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Twitterがトランプ氏のTwitterアカウントをBANしてから誤情報が劇的に減少 - GIGAZINE

Twitterが「トランプ氏BANは正解だった」と発表、2020年第4四半期の決算報告で - GIGAZINE

トランプ前大統領のアカウント無期限停止についてFacebookの独立監査機関が支持を表明 - GIGAZINE

Twitterがトランプ氏の新サイトからのツイート共有アカウントを凍結 - GIGAZINE

極右に人気のSNS「Gab」がサイバー攻撃を受けてトランプ氏のアカウントを含む70GBのデータが流出 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.