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メールシステム移行に失敗したIBMが営業に契約確定を急がせている理由とは?

by Acid Pix

「IBMがメールシステムの移行に失敗して社内コミュニケーションや事業に支障が出ている」という内部告発があった件について、IBMはIT系ニュースサイトのThe Registerに対して「社内の一部で電子メールサービスの遅延が発生している」ことを認めました。また、The Registerは「IBMが顧客との契約の確定を急がせている」と報じています。

IBM email fiasco complicates sales deals, is worse than biz is letting on – sources • The Register
https://www.theregister.com/2021/07/01/ibm_email_disruption_sales

IBMは長年運用してきたグループウェア「Notes」をインド企業であるHCL Technologiesに売却し、1年6カ月をかけて自社のメールシステムを自社サーバーに移行する計画を立てていました。しかし、その計画中にサーバーが破損してしまい、メールシステムの移行に失敗。Notesやメーラー、カレンダーが起動せず、Slackでしかやり取りできない状況が断続的にあるとのこと。

IBM社内のメールシステム移行に問題が発生、数日間にわたり従業員がメールを使えない事態に - GIGAZINE


最初にこの問題を報じたThe Registerによれば、IBMは営業担当者にクライアントの発注書の確定を急がせており、契約書のサインや発注書を電子署名で確定させるための補助書類をクライアント宛に送信させているとのこと。


The Registerは、メールシステムの移行の失敗は社内コミュニケーションと生産性に影響を与えただけでなく、IBMの2021年第2四半期(4~6月)の収益にも影響を与える可能性があると指摘しています。もちろんクライアントが営業からのメールに返信してもIBM側は受信することができませんが、電子署名で発注を期限内に確定させれば収益を予定通りに計上できるとThe Registerは述べています。

さらにIBMは、Slackを使用しているクライアントについては、Slackを介してサポートを行うようにしているのこと。しかし、情報提供者は「Slackのチャンネルはコメントであふれています。あまりにも多くのユーザーからヘルプが寄せられており、チャットサポートを停止せざるを得ませんでした。また、一部のユーザーはネットミームを投稿しており、コメントはぐちゃぐちゃになっています。何日経っても、この状況が改善される様子はありません」と述べています。


なお、アメリカでは7月4日は独立記念日で祝日になりますが、2021年7月4日は日曜日なので、7月5日は代替祝日になります。The Registerによれば、IBMは7月5日(月)までにすべてを解決したいと考えているとのこと。

The RegisterはIBMに対して、営業に発注書の確定を急がせるように指示したか、またメールシステムの移行システムが2021年第2四半期の収益に影響を与えると考えているかを質問しました。IBMは「一部の社員で電子メールサービスの遅延が発生しています」と認め、「システムの復旧に向けて、クライアントと事業の混乱を最小限に抑えるため、さまざまな代替コミュニケーションツールを使用しています」と述べましたが、営業への指示については回答がなかったそうです。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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