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TVCMのような映像広告がプレステやXboxといった据え置き型ゲーム機にもやってくる


TVCMのような画面上のコンテンツが見えなくなって再生される映像広告は、YouTubeのような映像配信プラットフォームでは当たり前になりつつあります。そんなTVCM風の映像広告が据え置き型のゲーム機にもやってくると、海外ニュースメディアのAxiosが報じました。

playerWON launches to bring TV ads to console games - Axios
https://www.axios.com/playerwon-launches-tv-ads-console-games-1c02dd1a-2f6d-4e02-bd8d-b6f8b870f844.html


TV-Style Commercials Are Coming To Console Games
https://www.axios.com/playerwon-launches-tv-ads-console-games-1c02dd1a-2f6d-4e02-bd8d-b6f8b870f844.html

スマートフォン向けのゲームアプリにおいて、最も有効かつ手軽な収益化の手段が「広告」です。ゲームアプリやブラウザゲームなどではほとんど当たり前のように掲載されるようになった広告ですが、唯一「据え置き型ゲーム機」上にだけは広告がほとんど存在しません。これは据え置き型ゲーム機の開発メーカーや、ゲーム開発スタジオは「不格好な広告体験がユーザーのエンゲージメントを台無しにすることを恐れていた」とAxiosは記しました。しかし、開発が進められている「playerWON」というプラットフォームを用いることで、据え置き型ゲーム機向けのタイトル上でもTVCMのような映像広告を流すことが可能になります。


playerWONはTV向けの広告技術を開発するSimulmediaが所有・運営する広告プラットフォームです。playerWONを利用すると、プレイヤーは15秒または30秒の映像広告視聴と引き換えに、ゲーム内で使用できる独占的な特典を得られます。

Simulmediaでエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるDave Madden氏は、「Electronic Arts(EA)やTencent傘下のHi-Rez Studiosといった世界最大のゲームスタジオのいくつかと、弊社は契約を結びました」と語りました。また、playerWONを使ってゲーマー向けに広告を配信することで、広告出稿主はこれまでよりも若い世代に向けた宣伝活動ができるようになる、とMadden氏は主張しています。


Simulmediaによると、同社はplayerWONを1年以上かけてテストしてきており、同プラットフォーム上で再生される映像広告は基本的に「TVCMとして再生されるものの中から、独自の精査を通過したもの」となるそうです。

ゲーム開発者はplayerWONを使い、ゲームの中に映像広告を追加し、広告を再生した際に報酬として提供されるものを設定することが可能。Simulmedia側は広告サーバーを通じて映像広告が再生されたか否かを確認できるようになっており、再生が確認できた場合にゲーム側に「報酬を提供できる」と通知します。なお、報酬として提供されるものとしては「ゲーム内通貨」や「ゲーム内で利用可能なスキン」といったものが挙げられています。

なお、1年以上にわたるSimulmediaのテストによると、プレイヤーは無料の特典をゲットするために喜んでplayerWON経由で配信される映像広告を再生したようで、1日当たり最大10本程度の映像広告が再生されたそうです。

実際にplayerWONのテストで使用されたタイトルとしては、Hi-RezStudiosの基本プレイ無料タイトル「SMITE」が挙げられています。SMITE上で行われたplayerWONのテストでは、映像広告を再生して無料でゲーム内の特典を入手したユーザーは、映像広告を再生していないユーザーと比べてゲームをプレイする時間が22%増加し、ゲーム内で課金する可能性も11%増加したことが明らかになっています。


Madden氏は「フォートナイトやApex Legends、Call of Duty:Warzone、Robloxといった据え置き型ゲーム機やPCでプレイ可能な無料ゲームの増加により、ゲームユーザーの数とゲームのプレイ時間は爆発的に増加しています。しかし、プレイヤーの90%以上が基本プレイ無料のゲームで課金していません」と語り、基本プレイ無料のゲームが人気を博す中で、ゲームは新たな収益源を見つけるべき段階に入っていると主張しました。

Madden氏はplayerWON経由で映像広告を配信するためのシステムを継続的に構築していき、まだまだ初期段階にある据え置き型ゲーム機向けの広告市場を成長させることを目標として掲げています。なお、playerWONに対応しているタイトル数は、2021年末までに12タイトルにまで拡張される予定です。


一方、ゲーム内に出現する広告についてはユーザーから多くの反発が見込まれます。過去にはEAがゲーム内にフルスクリーン広告を表示したところプレイヤーから苦情が殺到する事態に陥ったり、広告表示テストの実施を発表したVRゲームにユーザーから批判が殺到してテストの実施が中止になる事態が発生したりしています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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