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Amazonが配達を委託する「Amazon Flex」のアルゴリズムが一部ユーザーの仕事を奪っているとの指摘


Amazonは配送業務を委託するAmazon Flexというプログラムを提供していますが、このAmazon Flexで使用されているアルゴリズムにより、多くの個人事業主が困難に直面していると報告されています。

Fired by Bot: Amazon Turns to Machine Managers And Workers Are Losing Out - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/features/2021-06-28/fired-by-bot-amazon-turns-to-machine-managers-and-workers-are-losing-out

Amazon is using algorithms with little human intervention to fire Flex workers | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2021/06/amazon-is-firing-flex-workers-using-algorithms-with-little-human-intervention/

Bloombergの最新の報道によると、何百万人ものAmazon Flexを利用する個人事業主が「システムが実行するアルゴリズムにより仕事を奪われた」と語っています。Amazon Flexで運用されているアルゴリズムには重大な欠陥があり、初期の頃に見られた不具合は修正されたものの、重大なバグが残ったままとのこと。


実際、海外掲示板のReddit上では「雨の日に配達したところ、荷物が濡れていると苦情が何件か入りました。その後、天気が悪い日にはAmazon Flexから配達が依頼されなくなりました」といった投稿や、「アカウントの顔写真と配達者の顔が一致しないためアカウントが非アクティブ化された」といった投稿があり、Amazon Flexのアルゴリズムにより仕事がなくなってしまったという訴えが挙がっています。

しかし、AmazonはAmazon Flexを利用する個人事業主が多く存在するため、記事作成時点ではドライバーの確保には困っておらず、ユーザーからの改善を求める声や報道に対して懸念を持っていない、とArs Technicaは報じています。


Amazon Flexのシステムを設計した元Amazonのエンジニアは、Bloombergに対して「Amazonの経営幹部はシステムの欠陥を指摘する声を気にしていない」と語っています。

AmazonがAmazon Flexをスタートしたのは2015年のことで、急増する短時間配送サービス・Prime Nowの荷物を処理するために導入されました。Amazonは現在、ホールフーズ・マーケットの食料品も配達しており、2020年には新型コロナウイルスのパンデミックによりインターネット通販の需要も急増しています。そのため、Amazon Flexの需要はかつてないほどに高まっています。

Amazon Flexでは配達員のパフォーマンスレポートや解雇は、すべてプログラムが処理します。そのため、人間による介入はほとんど存在しないといえます。配達員は専用のスマートフォンアプリを介してサービスにサインアップし、配達の調整や問題の報告を行うことが可能。Amazon Flexの配達員は、顧客からの「定刻通りに荷物を配達できたか」や「家の前に配達された荷物が路上から隠されているか」といった評価をベースに、アルゴリズムによって配達能力を判断され、荷物の配送を割り当てられます。そのため、アルゴリズムに低評価を付けられてしまった配達員は、配送を割り振られなくなり、実質的に仕事を失ってしまいます。


Amazon Flexの配達員からは、「配達車がパンクしたため荷物を倉庫に戻さざるを得なくなっただけで、評価が下がった」や「集合住宅への荷物の配達を依頼されたものの、その時間には集合住宅のゲートが開いておらず、荷物の配達ができなかった。それだけでアカウントに荷物の配達が依頼されなくなってしまった」といった苦情が挙がっており、アルゴリズムによる判断では配達員の作業を正しく評価できないケースがあると海外メディアは報じています。

なお、Amazonは「Amazon Flexの配達員はアルゴリズムによって不当に扱われている」という声に対して、「我々はテクノロジーとリソースに多額の投資を行い、配達員の地位を向上し、配達能力を正しく評価しています」とだけ語っています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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