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約65億円でAmazonが物流ドライバーのチップを「ピンハネ」していた一件について和解

by Marco Verch

配達業務を個人事業主に委託する「Amazon Flex」のドライバーに支払われたチップをピンハネしていた一件について、Amazonが約6171万583ドル(約64億8000円)で連邦取引委員会(FTC)と和解しました。FTCは和解金の全額を、ピンハネされたドライバーに対して補償する予定です。

Amazon To Pay $61.7 Million to Settle FTC Charges It Withheld Some Customer Tips from Amazon Flex Drivers | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/02/amazon-pay-617-million-settle-ftc-charges-it-withheld-some


Amazon to pay $61.7 million to drivers after withholding tips - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/business/technology/story/2021-02-02/amazon-ftc-fine-flex-driver-tips

Amazon Flexは黒ナンバーの軽貨物車を所有するドライバーを個人事業主として配達業務を委託するというプログラム。日本では、「月額最大39万円~44万円も可能」「働くエリアと時間を自分で決める」「自分のペースで、自由に働く」といった宣伝文句でドライバーの募集が行われています。

Amazon Flex | Amazonと直接業務委託。デリバリーパートナー募集中
https://flex.amazon.co.jp/


アメリカにおいては「時給18~25ドル(約1900~2600円)を保証」「支払われたチップの全額を受け取ることが可能」という宣伝文句が使われていました。しかし、実際には時給18~25ドルを保証するため、Amazonは「チップから補填する」という手段を採っていたとのこと。

事件が発覚したのはあるドライバーの報告がきっかけです。このドライバーは「家族が注文した荷物を自宅に配達する」という発注を請け負い、自分自身に対して12ドル(約1300円)をチップとして支払いました。この日の勤務時間は1時間半で、時給から換算すると27ドル(約2800円)。チップも含めると合計で39ドル(約4100円)を受け取れるはずでしたが、実際に支払われた額はおよそ30ドル(約3200円)でした。


こうした報告を複数受け取ったFTCが、Amazon Flexの支払いポリシーに関するログを提出するように求めたところ、Amazonはチップに対する規則を一方的に変更。ドライバーに対して基本給の補填のためにチップを使わなくなったとメールで通達し、注文ごとの受取金額の内訳を通知するとしました。

一連の問題に対して、現地時間2021年2月2日、AmazonはFTCに対してピンハネしていたとされる約6171万583ドルを和解金として支払い、ドライバーとの書面による合意を得ずにチップ受取額に関する変更を行ったり、給与やチップに関する虚偽表示をしたりしないという制約を受け入れました。FTCのロヒト・チョプラ長官は「今回の命令は、Amazonの反競争的欺瞞の犠牲となったドライバーを救済するものです」「FTCはテクノロジープラットフォームが労働者をだまし、法を遵守する競争相手を違法な手段で潰す反競争的な行為をしていないかを慎重に検討していく必要があります」とコメントしています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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