Amazon製監視カメラによる録画がAmazon従業員によってチェックされていたことが判明

Amazonが、家庭用の監視カメラ「Cloud Cam」で撮影された映像の一部を、数十人の従業員に解析させていたとBloombergが報じました。従業員による映像解析の内容は人工知能(AI)のトレーニングなどの目的に使用されたとのことです。

Is Amazon Watching You? Cloud Cam Footage Reviewed By Humans - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-10-10/is-amazon-watching-you-cloud-cam-footage-reviewed-by-humans

Amazonは、音声認識アシスタントのAlexaを搭載するスマートスピーカーのAmazon Echoで、録音したデータがAmazonの従業員によって解析されていたと報じられていました。Amazonは、録音データがAlexaのトレーニング用に使われる可能性があることをユーザーに十分伝えていなかったことを認め、2019年8月には会話データの収集を行わないようにするオプション設定を実装しています。

Alexaが聞いた会話内容は録音されAmazonの従業員によって解析されている - GIGAZINE

Bloombergによると、インドとルーマニアのAmazon従業員が、Cloud Camで撮影された一部の映像を解析しているとのこと。Cloud Camは動きを検知して撮影を行う監視カメラですが、たとえば「家に侵入者が入った映像」と「ソファの上で飼い猫が飛び回る映像」をAIが区別できるように、精度を上げる必要があります。そのためには、AIトレーニング用のデータセットとなる映像を、人間であるAmazonの従業員が目で見て判断し、タグ付けしていく必要があるそうです。

Amazonの広報担当者がBloombergの取材に答えたところでは、解析用に使われている映像は一般ユーザーから自主的に提出されたものか、もしくはテスト担当の従業員から提供された映像のみだとのこと。

実際に映像を解析していたAmazonの従業員にBloombergが取材したところ、所有者が性行為を行うところを撮影した映像が非常に少ないながらも存在していたと証言。「こういった不適切な内容を含む映像は破棄されます」とAmazonの広報担当は述べ、Cloud Camの映像解析は厳しいセキュリティ規約を設けていたとしています。

by cloudlynx

しかし、従業員は「インドでは数十人のレビュアーが働いていて、携帯電話の使用は許可されていないものの、チーム以外のメンバーに映像が出回ることもあった」とBloombergに対して語りました。

Bloombergは「Cloud Camのユーザー規約には、Amazonがモーション検出アルゴリズムのトレーニングとして人間が映像を解析していることが明示されていない」と指摘しています。