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政治家のツイートに「操作されたメディア」ラベルが付けられた問題でインド警察がTwitterのオフィスを直撃


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が深刻なインドで、国政与党であるインド人民党の政治家が対立政党を非難する画像付きツイートをしたところ、Twitterによって「操作されたメディア」のラベルが付けられてしまう事態が発生しました。これに対し、インド人民党がTwitterに対してラベルを削除するように要請したほか、警察がTwitter Indiaのオフィスを訪れたことが報じられています。

Police at Twitter’s door after BJP posts flagged; Opposition slams ‘intimidation’ | India News,The Indian Express
https://indianexpress.com/article/india/twitter-india-delhi-police-raid-7328607/


Delhi Police: Visit to Twitter India offices part of routine process | India News - Times of India
https://timesofindia.indiatimes.com/india/delhi-police-raids-twitter-india-offices/articleshow/82912102.cms

Police in India raid Twitter offices in probe of tweets with ‘manipulated media’ label - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/24/22451271/police-india-raid-twitter-tweets-government-manipulated-media

Twitterはフェイクニュース対策の一環として、2020年から人々をだますことを目的として編集・ねつ造されたメディアについて「操作されたメディア」というラベルを付けて、ユーザーがだまされないように情報を提供するとしています。この対策が発表された直後の3月には、アメリカのドナルド・トランプ元大統領の動画付きツイートに「操作されたメディア」のラベルが付いたことが話題となりました。

Twitterがトランプ大統領のリツイートしたフェイク動画に「操作されたメディア」のラベルを付ける - GIGAZINE


そして2021年5月には、COVID-19の感染が深刻なインドで「操作されたメディア」ラベルを巡った騒動が持ち上がっています。事の発端となったのは、インドで発見された新型コロナウイルスの変異株「B.1.617系統」が、ソーシャルメディアなどで「Indian variant(インド株)」と呼ばれ始めたことでした。

WHOは、ウイルスやその変異株を発見された国や地域の名前で識別しないように呼びかけていますが、わかりやすさからソーシャルメディアだけでなく新聞なども国の名前を冠して変異株を識別しています。インド政府は感染性や病原性が高いとされている変異株が「インド株」と呼ばれることがインドや与党のイメージを損なっていると懸念し、ソーシャルメディアに対して「インド株」に言及したコンテンツを削除するように求めています。

インド政府が新型コロナ「インド株」に関するコンテンツを全部削除するようSNSに要請 - GIGAZINE


そんな「インド株」という呼び方に関連して、インド人民党の広報担当者であるSambit Patra氏は5月18日に「野党のインド国民会議が変異株を『モディ株』と呼ぶように外国人ジャーナリストなどに指示し、ナレンドラ・モディ首相のイメージダウンを図っている」とするツイートを行いました。

ところが、このツイートを含むインド人民党に所属する複数の政治家が投稿したツイートに「操作されたメディア」ラベルが付けられました。ツイートにはインド国民会議の内部文書と思われる画像が添付されていましたが、この文書がねつ造されたものであると判定された模様。


インド人民党は、パンデミックに乗じて与党の評判を傷つけるためにインド国民会議が「ツールキット」を使用したと主張していますが、インド国民会議はこのようなツールキットは作成していないと反論。インドのファクトチェック機関であるAlt Newsも、「インド国民会議のツールキット」に関する情報は誤っていると指摘しています。


インド国民会議は一連のツイートについて、無関係のプロジェクトに関する文書を元に偽造されたものだと主張しています。そしてTwitterに対し、「社会に誤った情報と不安を広める」として、インド人民党のJ.P.ナッダ総裁やスムリティ・イラニ繊維大臣のアカウントを永久に停止するように求めたとのこと。一方、インド政府はTwitterに対し「公平性と平等」の観点からラベルを削除するように要請し、政治家のツイートにラベルを付けることはTwitterの「中立で偏りがない」というイメージを損なうものだと述べました。

この「操作されたメディア」ラベルの問題に関連し、5月24日にはインドの警察チームがデリーグルグラムにあるTwitterのオフィスを訪れたことが報じられました。デリー警察のChinmoy Biswal氏は、Twitterに「操作されたメディア」のラベルを付けることを決定した人物について尋ねたものの、適切な回答がなかったためオフィスを訪れたと説明しています。

以下のツイートでは、デリー警察の特別チームがグルグラムのTwitterオフィスを訪れた際の様子をムービーで見ることができます。


続々とTwitterのオフィスがあるビルに警察官が詰めかけますが……


各所と連絡を取り合っている様子でなかなか動きがありません。


ぞろぞろとビルの入口にあるホールへ集まってくる警察官たち。


TwitterはCOVID-19のパンデミックと共に在宅勤務へ切り替えていたため、オフィスは締め切られていた模様。


オフィスに人がいなくてはどうしようもなく、そのまま警察官らは帰っていきました。


インド国民会議のコミュニケーション部門で責任者を務めるRandeep Surjewala氏は、インド人民党が「操作されたメディア」のラベル付けに動揺し、警察を利用してTwitterに圧力をかけたと訴えています。一方、この件についてTwitter Indiaのポリシーコミュニケーション責任者であるPallavi Walia氏は、「現時点で共有できるコメントはありません」とThe Indian Expressに回答しました。

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in メモ,   ネットサービス,   動画, Posted by log1h_ik

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